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ⅹ
今日は、休みだった。
琥珀さんが身体を寄せてきた。
『今日はどうする?』
もう、行きたい場所はなかった。
島をもっと見てまわるか…
『・・・』
でもひとつだけ、なくはなかった。
『琥珀さん、怖い人がいるとこに行きたいって言ったらどうする?』
琥珀さんは、少し考えたようだが、
『甘ちゃんと一緒なら大丈夫だから、そこに行くよ?』
この言葉を信じていいんだろうか。
でも、もうそろそろ行っておいた方がいいだろう。
そして、
無法地帯に行く。
と、
入り口付近に男が立っていた。
あ、
忘れてた。
入れるだろうか、
最悪、銃で撃たれるかも。
僕は恐る恐る、向かう。
『こ、こんにちは〜』
が、
『止まれ!』
『はい‼︎』
僕は男の声に驚く。
『銅か、入っていいぞ。』
『え?』
予想外だった。
こんなにあっさりと入れさせてくれるのか…
『なんだ、入らないのか?じゃあ何しにきたんた?』
『あ、ああ!はい!入ります!』
僕は敷地内へ入る。
と、
『この子もか?』
男が琥珀さんを見て言う。
『は、はい!一緒に連れて行ってもよろしいでしょうか⁉︎』
僕は焦りながら言う。
『まぁ、いいぞ。あまり騒ぎを起こさなければそれでいい。』
はぁ、
でも、琥珀さんも入れた。
『ここ、どこ?』
琥珀さんが訊いてくる。
まぁ、無理もない
『ここは、無法地帯だ。』
『え”ぇ”っ”、』
琥珀さんが驚いた声を出した。
まぁ、これも無理はないか…
僕と琥珀さんは歩く。
すれ違う人々は皆銃を持っている。
琥珀さんは、怖がっていた。
『ごめんね、琥珀さん。ある人たちと会おうと思って…』
やっぱり来るべきじゃなかったかも…
ついこの前、人とあまり会わせないように、怖がらせないようにと言われたばかりなのに、
『琥珀さん、今日一日頑張ったらご褒美をあげよう!』
『え、ほんと!』
琥珀さんが目を輝かせていた。
こんなことしかできなくて本当にごめん!
『あら、見ない顔ね。』
ふと声が聞こえてきた。
知らない声、
僕は声がした方を見る。
そこに1人の女性が立っていた。
『アンタ、ここの人じゃないでしょ。ここに何しにきたの?』
女性が言う。
『えっと、五十嵐さんと蒼…』
『あぁー、アイツらに用があったの?わざわざここまで来て、大変ね。』
僕は言葉を最後まで言わせてもらえなかった。
『どこにいるか、場所は知ってんの?アイツら、いろんなとこに行ってるけど、』
『拠点の場所は知ってるけど…』
『その感じ、今どこにいるかわからないんでしょ。多分こっちよ!』
女性がどこかへ走り出す。
『何ボサっとしてんのよ、早く行くわよ!』
僕と琥珀さんも走る。
女性についていく。
速いな、
琥珀さんもついてこれているみたいだけど…
女性が、元々建物だっただろう瓦礫を軽々と登っていく。
僕と琥珀さんも登る。
琥珀さんが登るのを手伝いながら追いかける。
と、
『いたわよ、』
女性が見ている方向に五十嵐さんと蒼さんがいた、
2人とも走っていた。
そして、
その前に大きなバッグを持った1人の男が走っていた。
『あの男を追いかけているみたいね。私たちも追いかけましょう。』
そう言って、女性は瓦礫の山から飛び降り、男を追いかけた。
僕と琥珀さんも追いかける。
『お!銅ッチ!来てくれたんだね!』
五十嵐さんが僕に気づいたようだ。
『今、あの男を追いかけているんです。』
蒼さんが言う。
『僕も手伝います。』
『助かる!』
『ありがとうございます!』
2人が言った。
『ヒナタも来てくれたんだな!』
と、五十嵐さんが先ほどの女性に言う。
『その2人がアンタたちに用があるって言ってたからちょっと手を貸すだけよ。』
女性の名前はヒナタと言うのか、
と、男が路地を曲がる。
『アタシは上から見るわ!』
と、ヒナタさんが横の建物の壁へジャンプし、反対の壁も使いながら建物の上へいく。
マジかよ!
運動神経がいいんだろうな。
僕たちは走って追いかける。
だが、
『あれ?どこ言った?』
男を見失ってしまった。
『別々に行動しましょう、銅さんは、前をお願いします。』
蒼さんが言う。
僕と琥珀さんは前へ走る。