テラーノベル
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鞭の跡がまだ残る背中。ご主人様の指先がそっと少年を優しく触れた。じんと身体を強張らせるとご主人様は囁いた。
「怯えなくてもいいからね…。今日は、ちゃーんとおしっこ我慢できたでしょ?ゴンくん」
部屋の床には粗相をした痕跡などはなかった。それはつまり
昨夜、ゴンは冷たく硬い床の上を震えながらも尿意に耐えきったということ。
「…オレ…我慢できた?」
ゴンの声は恐怖心からか震えていたが、そのなかにはほんの少しの結晶のような誇らしさが混じっていた。
「うんうん、えらいよぉ……ちゃんとおしっこしてから…外にお散歩しようねぇ。もちろん首輪と四つん這いであっ、もちろん裸だよ?だってゴンくんはワンちゃんだもんね♡?」
「行きたい…オレ…ご主人様に連れて行ってもらえるなら…いい♡」
──────
昼下がりのあまり人気のない郊外の道で、サウナのような蒸し暑さの中を歩くゴンは生まれたままの姿で首輪をつけたまま四つん這いで這い進んでいた。
「おお♡ゴンくん恥ずかしいかい?もし見つかったらぁ…変態さんに見られちゃうかもね…♡」
「……い、いい。オ、オレはご主人様の犬だから…ご主人様のものだから…誰にどう思われても……」
アスファルトの道が、ホットプレートのような灼熱であった。こうして見ればゴンはホットプレートの上に焼かれる牛肉なのだろうか。
ゴンの膝がアスファルトに擦れるたびに、血がにじんでいた。
だけれどゴンはそんなことすらも「ご主人様のため」だと飲み込んで、いや飲み込まされて、ただ単純に進む。
妙な熱い視線を感じたゴンは、ぷいと後ろを振り向いた、
「こら!ゴンくんったら!ちゃんと前見なさい!つぎしたら左足切っちゃおうかなー」
「……ご、ごめ、ごめんなさ…ち、ちゃんとす…」
「はぁ…もういいから早く進めよクソビッチが」
リードを引かれれば自身の身体すらも引き寄せられる。草の香りと鉄の匂い…。
ゴンの中の世界ではもう、ご主人様だけが見えていた。
─────
そのあとだ、唐突にご主人様は悪戯に微笑んだ。
「あっ、そうだ。ゴンお前さ、ココでオレに見えるようにオナニーをしろ」
「え、え……あっ…え」
ゴンは戸惑って顔を赤くしてプルプルと
震えた……。当然なことである。誰だって自分のそんな欲にまみれた姿を見せたくはないだろう。ゴンも例外ではなかった。
「はぁ…ゴンさ、自分の立ち位置わかってんの?」
「…オ、オレは…い、犬です、」
「そうだよね?だったら僕に見られても恥ずかしい理由なんかないよね?」
ご主人様の声は氷のように冷たく、厳しくそして優しかった。
「……、く、くぅ…」
ゴンはゆっくりと舌を出し、慣れない手つきで自身のペニスをピンピンと弾いた。ご主人様の視線が刃物のように突き刺さって、心が燃えるくらいに恥ずかしいのに、生物の本能というのは残酷な呪いで、性感は抑えきれずには身体中にはまるで電気が流れるように巡った。
「あっ、……く、あっあぁ♡」
「ああ…可愛いなぁ。僕のゴンくんは。いい子だね…お家に帰ったらご褒美に3日ぶりの餌を食べさせてやるからさ…」
ゴンにとっては叩かれることも、這いつくばることすらも、全部全部ご主人様が目をそらさないための、大切な証であった。
コメント
2件
好き愛してるラブ
うわ…読んでて胸がぎゅってなった。ゴンの「ご主人様のものだから」って言葉に、自分を全部捧げてるんだなって感じた。鞭の跡とか、膝から血が出てるのに進む姿とか、生々しくて痛かった。でも最後の「ご主人様が目をそらさないための証」って一文がすごく刺さって…。歪だけど愛情を感じてるゴンの心情が切なかった。重い話だけど、ちゃんと一つの表現として読みました。