・ mga / mtp
・ ご本人様の目に届かないようお願いします
🗣️ 流石に描きすぎたカモ………
実はこのお話実話だったり。
★ Wakai Hiloto side
5年前の 冬。
「もーーとーーきーー!!!!」
「大好き」
僕には同性の恋人が居た。
それもバンドメンバーであり幼馴染。
優しくてイキったり強がったりするくせに繊細で……
俺が出会った中で一番魅力的だった。
『可愛いよねこの子』
『えーこの子推しちゃおうかな。』
そんな彼には推しという存在がいた
若井の方が好きだから安心しろ、とは言われた。
けど、嫉妬にまみれて悔しかった
好きだと言っている回数がテレビの向こうのあの人に増えているような気がして
苦しかった。
ひとりで泣く夜もあった。
俺のこと好きじゃないのかなって確認してみることもあった。
けど、けど
俺はあの子に勝てない気がした
元貴、別れよ!
俺冷めちゃったや、 ごめんね。
元貴の推しには勝てない。それだけだよ。
俺のことを思い出として残してくれなくてもいい。
Mrs. GREEN APPLEのギターボーカルとして頑張って。
友達とかバンドメンバーに戻っても絶対気まずいし、
俺はバンドやめるよ。元貴の活躍を見守る役?って言うかさ。
そんなのやりたいんだよね笑
元貴は俺よりもっといい人を見つけて幸せになってね
今までありがとう
年越しがどんどん近づいてきて、盛り上がり中の12月。
「さむっ…」
北風が強く吹き、頬を突き刺す。
ふー、と息を吐けば雲のようなふわふわしたものが浮いている
上を見上げれば、真っ黒な空に白い粒がある
そんな冬特有のものがなんとなく好きだなあと感じる
しかし、マフラーに手袋と完全に装備していてもここまで寒い。
夏はあんなに暑いのに…!!!地球かすじゃん!!!
とついに地球にむかつき始める。
地球温暖化なのにこんなに寒いのやめてもらっていいですか?と
ついにはひろゆき構文までやり出す
あー寒いなあと思いつつ、頬を刺す寒さをひしひしと感じながら
人通りの多いスクランブル交差点を歩く
ビルの広告を見れば、” Mrs. GREEN APPLE新アルバム発売! ”
なんて大きく掲示されている
俺もまだ居たら有名になってたのかな〜なんてつまらないことを考える
今、Mrs.GREENAPPLEは世間を風靡している。
MVを出した曲は必ずと言っていいほどバズり、
ドームライブやスタジアムライブまで行っている。
そして自慢というかなんというか、俺はそのバンドにいた。
バンドメンバーの大森元貴と付き合っていて、別れると同時に
” ただのバンドメンバーに戻っても気まずいままだからここできっぱり関わりを無くす ”
ということにした。
元貴の了承は得てない。 どういう反応したのか、どう思ったのか、全部知らない。
そのあと電話番号も変えたし、引っ越しもした。
元貴に未練を与えたかもしれない。けど、俺に縋り付いてもっと未練を思い知らせるより
ばっさり関係を切った方がいいと考えた。
そのあと彼女も出来たけど、相手側から関係を切られて何も無いまま自然消滅。
完全フリーのサラリーマンとなってしまったわけだ。
もう元貴に何も未練なんてないし、思い出すのも散々だ。
もう別れたし、関わりはない。
今は大人気のバンドマンとただのサラリーマン。そんな関係。
そんなことを考えていれば、家までもう少しという路地まで来ていた。
人通りは多くはあるが先程より少なくなった。
『…若井?』
久しぶりの、懐かしい 声が聞こえた気がした。
「…………元貴?」
end
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