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初小説です
カヴェアル
不穏・死ネタ
氷河期を迎えたスメールの話です
CP要素かなり薄めですが
私はカヴェアル工場の人間なのでBL要素が入り込んでいるかもしれません
BL地雷の方はブラウザバック推奨です
私が見たいシチュエーションを書いただけなので期待はしないでください!
ずっとだらだら不穏が続くだけです
山も無ければオチもない
ーーーーーーー
A side
ある日突然、この世界から太陽が無くなった。
否、その表現は些か正しくない。
我々には、見えなくなった。と言うべきだろう。
朝が来なくなり、極寒に震える日が続いた。
外に出ようとすれば、吸い込んだ空気で肺が凍てつき、死に至る。
如何してこうなってしまったのか。
温かい日常も、友情も無くなった。
「おは、よう…アルハイゼン。」
思考を巡らせていても、答えは分からない。
俺たちはただの人間に過ぎないからだ。
「ああ、おはよう。カーヴェ…よく眠れたか。」
分からないという事。それは、
人一人には耐えきれない程の恐怖を与える。
その恐怖の所為で、俺の同居人は…おかしくなってしまった。
「アルハイゼン、…何か、話をしてくれないか…。」
2か月前までこの男は、ピンピン…というか、
五月蠅い程元気だった。
それが今は?どうだろう…。
嘘のように大人しい。夜な夜な模型を叩く音も聞こえなくなった。
「カーヴェ…、今の君に対して話せることは、もう俺には…無いよ、昨日で終わりだ。」
「…、そう、なのか、僕はそんなに可笑しく、見えるのか…?」
今のカーヴェにどう声をかければ良いのか、何を話していいのか。
何も俺には解らなかった。
分からない不安に押しつぶされたちっぽけな人間は、
カーヴェ一人ではなかった。
「…すまない、カーヴェ…。」
この男に謝罪なんて、こんな事になるまでほぼ言ったことが無かった。
だけれど、俺にはもう分からない。今の事も、これからも、何も。
「な、あ、…アルハイゼン、」
「…なんだ。」
「僕達、このまま生きていれば、…救われると、思うか?」
如何してこの男は、その問いに俺が答えられると思ったのだろうか…
いや、答えてほしい訳では無いんだろう…。
そんな、事…俺だって聞きたいんだよ、カーヴェ。
「…分からないな。」
「ずっと、そう…言うんだな、」
「ああ、…。」
救ってくれよ、カーヴェ。
君が俺に、支えを求めるように
俺だってこんな事もう限界なんだ。
ーーーーーー
K side
もう限界なんだ。
アルハイゼンは、この現状をどう思っているのか僕には分からない。
けれど、あいつがどう思っていたって、
僕の苦痛も、この世界の危機も、
何も変わりやしない。何をしたって、無駄なんだ。
生き甲斐も、何もなくなった。
僕と死体の違いはなんだ?
…違う。アルハイゼンだって、きっと、…
きっと、辛いんだ。
僕は、あいつの先輩なんだ…。
「…すまなかった、…無理を言って、心配…してくれてるんだよな、」
「大丈夫だ…、カーヴェ、…今日はこのまま一日、ここに二人で居ないか。」
ここ…。リビングに二人で、今日一日。
今までのアルハイゼンなら、絶対に言わないような事だ
この事態がどれだけあいつを苦しめているのか…。
それが苦しいほど伝わってきて、首を絞められている様な感覚に陥って…。
「は、…ッ、ひゅ、…ぅ、…あるは、いぜ…ん、」
「カーヴェ、…、カーヴェ…、すまない、俺が、変なことを…」
謝らないでくれ、僕に、アルハイゼンは、…そんな、事…!
そんな態度を…取らないでくれ…!!
いつもの、嫌味を言ってくる君は何処に行ってしまったんだ、?
アルハイゼンは…僕の所為で、おかしくなってしまったのか?
…母さんと、同じように?
「あるはいぜんを、かえしてくれ…っ、は、っ…、ぅう…”ぁ”…!”」
「カーヴェ、…俺は、ここに居る。安心…してくれ。」
分かってる、そんな事…。
ーーーーーー
また、やってしまった。
この行動でどれだけの迷惑をアルハイゼンにかけたのだろう。
きっとアルハイゼンも、苦しんでるのに
あの言葉は、誘いは
アルハイゼンなりに、僕を…。
そうだ。
こんな事、終わりにしたほうがいいんだ
終わりに、する
終わらせる
世界が、無くなってしまえば
僕達は救われるんじゃないか?
世界って、なんだろうか。
この世界はどうしてこうなったんだ?
どうして、どうして僕が生きるこの時代に、
こんな事が…起こってしまったんだ?
…僕が、不幸を皆に、運んでしまってるのか?
そうだ、小さいころから、ずっとそうだ
僕が父さんと、母さんを…、不幸にした…。
死域だって、きっと…僕が居たから…
他の人だったら、そんな、…嘘だ…。
アルハイゼンは、僕の大切な…一番の、友達なんだ
彼まで、僕の人生に巻き込むなんて
そんなの、あっちゃいけない。
冷たい、凍てつくような風が。
僕に向かって強く、強く。吹いてきた。
「…ああ、終わりにしよう!」
僕はめいっぱい、大きく息を吸い込んだ。
ーーーーーー
A side
「どうしてなんだ、カーヴェ…?」
「俺が、なにかしてしまったのか…?」
「…カーヴェ、…カーヴェ……!!!”」
様子を見に行こうとしたら、カーヴェが、死んでいた。
窓が開いていて、反射的に俺は息を止めた。
…どうして。
俺も、あの風を吸い込んで、一緒に死ねば良かったのに。
どうして生きてしまったんだ..。
もう、今の俺には君が居なければ、…
「生きている意味なんて、無いんだよ…カーヴェ…。」
「ある、はいぜん。」
「…は、?」
「あるはいぜん、あるはいぜ、ん?」
幻覚ではない、幻聴でもない
言葉を発した。死んだはずの、カーヴェが。
「あ、るはいぜん」
「、…な、んだ」
「あるはいぜん、…。」
不気味、だ。
目の奥に、生気は宿っていなかった。
カーヴェは、死んだ。
カーヴェという、人は死んだんだ。
今話しているのは、なんだ?
もう、きっとカーヴェでは無い何かなんだろう。
「あ、あああ…!あるはいぜん、アルハイゼン…!!」
冷たくなった体がのそりと起き上がって、俺を見下ろしている。
殺される。
そう直感的に、思った。
だけれど俺は、何も…できなかった。
…君が居ない世界は、無いのも同然だ。
ーーーーーー
スメールシティにて、人間二人の死亡を確認。
残り人口を計測しています。
零名。スメール人の全滅を確認。
直ちにプログラム5を起動してください。
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終わりです…!完全に趣味ですみません…!
つまらない物ですが最後まで見ていただいてありがとうございます!
一応解説をすると、
とんでもないマッドサイエンティストな輩が、
スメールを滅ぼしてみよう!
なんて考え付いて始まった、スメール凍結プロジェクト。
これのせいで二人はこうなってしまったわけですね
いやー残酷
プログラム5、、、という事で、続きがあるんでしょうね
スメール全域を、氷の要塞にでもする気なんでしょうか?
雑説明でした!それでは!
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