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以下、旧約聖書より引用
愚かな者の労苦は、おのれを疲れさせる。
彼は町に行く道さえ知らない。
「左利き」と言われてあなたは何を思うだろうか。“不便そう”、“苦労してそう”、そう思っても思わなくても、どちらでも構わないが事実、左利きというのは何かと不便なのである。例えば、右利き用の道具を左で使わなければいけなかったり。右手の人と手がぶつかると危ないから距離を取らないといけなかったり。まぁ、周りと同じように過ごすのならある程度の矯正が必要になるわけだ。
勿論それは、自分も例外じゃない。
だから今の僕がある。
夢を見る。とても幸せな夢だ。
そこでは僕は左手を使って生活している。
例えば民衆に手を振る時は左、子供たちと遊ぶ時、子供を持上げる手は左。…かの王子と手合わせをする時、木刀を持つでも左。
何不自由なく、ありのままで。聖都は平和に溢れ、何の心配も弊害もなく。ただ笑い声が満ちているまるで宴を永遠と開くスティコシアのように。
もちろん、これは夢の話である。
僕は僕を矯正し、みんなと肩を並べ苦境に立ち向かう義務がある。不便が内容右手に矯正し、皆が望む“救世主”という役になれるよう矯正する。 いいや、運命と言うにふさわしいだろう。だがそれがどうした?その矯正の果てに確かな未来があるのなら、“協力する為の矯正”だっていくらでも出来る。
ほら、目の前に料理が運ばれた。どちらを使う?勿論、右手。なんてったって、左を使えば隣の人とぶつかってしまうから。
あぁでも、良いことだってある。ほら、ナイフとフォークを使うとき。右利きはナイフを右に、フォークを左に持つ。するとどうだろう。食べ物は切りにくいけれど、フォークで刺して食べるのはとても簡単になる。
永劫回帰:33550336回目
目の前にいる白い姿の剣士。
いま、僕は彼に右手を切り落とされた。
あぁ、そう言えば。
0回目の時はまだ矯正してなかったな。
天性…天から授けられた性質。また、生まれつきそのようであること。
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追記 ファイノンのキャラクターpvを見るとフレイムスティーラーと戦っている時はヘリオスを「右手」で持っていますが、アナイクス先生による「あなたの理想は」という問いの後、現実と交互に流れてくる幻想ではファイノンは左手を民衆に向かって降り、子供達を左腕で持ち上げ、モーディスとの手合わせと思われる場面では木刀を左で持っています。