「だから教えてよ」
私は 侑(ゆう)のうしろから出ると、おそるおそるとなりに並んだ。思ったとおり、 佐伯(さえき)はこちらを見ている。
けど見ているのは私ではなく、そのとなりだった。
(え……?)
どうして佐伯が侑を見ているんだろう。
状況が理解できずふたりを交互に見れば、佐伯が口を動かした。
なにか言ったようだけど聞こえるはずもなく、佐伯は出てきた運転手さんに声をかけると、まっすぐこちらに歩き出した。
私は思わず身を硬くした。
その時、侑が佐伯へ向かって歩き出す。
(……えっ、侑……!?)
どんどん近付くふたりに、私の心臓は思いきり騒いた。
ふたりはわずかな距離を挟んで、立ち止まる。
言葉はなく、無言で視線を重ねるふたりの間に、息苦しい沈黙が流れていた。
どれくらいそれが続いていただろうか。
並木道の木が大きく揺れた時、佐伯はふいと侑から目を逸ら****************************
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