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殺表現あり 〇

病み表現あり 〇


⚠ 死ネタ




🍵× 🌸


緑くんと桃くん要素びっくりするほどないです 。

ただ歪んでる緑くんとただ歪んでる桃くんの物語 。


百合です 。






駄作 、姫 注意


地雷さん ↪︎












┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈







重い足を引き摺って向かう 。

私が向かう先は数年前に廃墟となった工場 。

クラスメイトの女の子に来るように連絡があった 。




「 やっとか ~ 、 」



何をされるかなんてわかってる 。

私はクラスに馴染めずずっと虐められてきた 。

前はかわいいもので 、無視されるとか 、物隠されるとか典型的なもの 。

小学校の時から虐められてきたから慣れてるしそんなのはあまり気にしてなかった 。

でも最近急にエスカレートしてきてる 。

この前は屋上に呼び出されて沢山殴られた 。

女の子の一人がカッターを取り出し 、切りつけられそうになったところをすちが助けてくれた 。

すちは私と仲良くしてくれる唯一の女の子 。


翠川すち 。


容姿端麗で学力も運動神経もずば抜けてるモテ女。


もちろん私は彼女を信用してない 。できない 。

きっと私と仲良くしてるのもなにか企んでるから 。


「 普通の友達が欲しかったな ~ …… 」

太陽は雲で隠れていて 、着込まないと風邪を引いてしまいそうなくらい寒い日 。

思わず零れた独り言は白い靄になって消えていってしまった。

あぁ 、いっちゃった 。

突然浮かんできた想いに一人嘲笑する。

ただの空気にさえ いかないで なんて願うとは

あまりにも孤独すぎる 。



そんなつまらないことを考えてるうちにもう入口まで来てしまった。

「 はぁ 、殺すなら殺してくれ … 」



正直こんな孤独な現実生きていたくない。

産んでくれてここまで育ててくれたお母さんには申し訳ないけど 、私はこんな人生望んでない 。


冷えた空気にさらされ紅くなった指先をドアノブに絡める。

これから私は死ににいくんだ。

相手もきっと本気で私を殺しにくる。

死にたいはずなのに涙が溢れてたまらない。

目の奥で温められた涙は冷えた指先に落ちて消えていく。

さようなら、クソみたいな現実。




ガチャッ …







きゃぁぁあぁああぁあっっっ !!!!!!






ドアノブを回し引こうとした瞬間 、ドアの向こう側から悲鳴が聞こえた 。

聞きなれたこの声は 、ここに私を呼び出した子の声に違いない 。

何事 …… ?

躊躇わず勢いよく重たいドアを開ける。

そこにはお腹にナイフが刺さってる女の子が倒れていた 。

それを囲うように他の子達も倒れている 。

何が起きてるの ?私が来るまでに何があった?

仲間割れ ?じゃあなんでみんな動かないの?

尽きない疑問は一瞬にして消え去った。

私が目を向けた先には緑の髪に黒のメッシュの女の子 。

せっかくの綺麗な頬には返り血を浴びていて瞳は狂気と怒りで満ちていた 。


「 すち  … ? 」


ゆっくりとこっちに顔を向ける女の子 。

いじめっ子のお腹に刺したナイフを強引に引き抜きこちらへ向き直る 。

一歩一歩私に近付いてくる 。


何をされるんだろう

やっぱり友達なんかじゃなかった

初めから私を殺すつもりで近付いたんだ。

でも今は感謝している 。

君のその手で私を殺して 。

はやく私を楽にして 。



手の届く距離 、ナイフを持った手が徐々にこちらに近づいてくる 。

涙が一粒私の頬を伝った 。







ぎゅっ








「 … え っ 、 ? 」



冷えきった体が熱を帯びる 。

長く細い腕が私を包み込んだ 。




「 もう 、大丈夫だから 。 」


「 もう 、君は幸せになれるから 。 」

「 もう 、孤独じゃないからね 。 」



今までに感じたことの無いくらい暖かい言葉と声が耳に 、脳に響く 。

涙ぐんでいるのか 、震えて掠れた声が何度も私の名前を呼んだ 。




らんらん 、らんらん 、らんらん 。





「 ごめんね 、もっとはやくこうすべきだった 」


「 友達なのに 、すぐ気付いてあげられなかった 」


「 ごめん 、ごめんねらんらん 。ごめん 。 」



涙を流しながら何度も謝り続ける彼女の背中にそっと腕を回す 。


「 すち 、ありがとう 」



「 でも 、酷い 。 」




「 …… え ?」




彼女は私に幸せになれると 、もう孤独じゃないと言ってくれた 。

でもそんなの嘘だ 。

私に友だちなんて居ない。

あいつらが死んだところで私に普通の人の日常が与えられる訳じゃない 。

そこにあるのは変わらない孤独の日々 。




「 私が幸せになれるのは死んだ時だけだよ 。 」




こんな世界なら私は 、何があってもきっともう幸せという感情を抱けない 。

過去が今を締め付けて 、私を縛り続ける 。

今だけじゃない 、これからもずっと 。

あいつらが消えても過去は変わらない 。

孤独な人生なのに変わりはない 。




「 じゃあ私が必ず幸せにするから 。 」




そんな考えを砕いたのは彼女の一言 。



「 私が 、らんらんのそばに居続けるから 。 」




「 ずっとなんて無理だよ 」

「 すちにはすちの人生があるでしょ 」



「 私の人生にはらんらんが必要なの 。 」


「 … どうせ独りにするくせに 。 」

「 そう言って離れていくくせに 。」


「 独りにしないし離れないよ 。」

「 私がもし離れなきゃならなくなったら一緒に死のうよ 。 」



じゃあ結局今 死ぬことになるんじゃん 。




「 でもすち 、どうせすぐ私から離れることになるよ 」



「 なんでよ 、まだ信じてくれない ? 」



「 ううん 、信じる信じないじゃなくてすち人殺してるからね 。 」

「 警察に捕まっちゃうでしょ 。 」



「 … 」



「 一人ならまだ大丈夫だったかもしれないけど5人だよ 」

「 すち 、少年院行くことになっちゃうじゃん 。 」



「 か 、隠せば …… 」



「 中学生の私達に何ができるの … 」



「 …… 」




ねぇ 、すち 。

私は君のこと友達だと思ったことないよ 。

信じたこともない 。

もちろん今もね 。

でも君は私が唯一好きになった人 。

恋愛感情を抱いた人 。

君がもし本当に何かを企んで私と仲良くしてたとしても 、きっとこの気持ちは変わらない 。

これまでもこれからも好きなのは君だけ 。





「 愛してる 。 」





だからね 、 私は君と死にたい 。

幸せにしてくれるなら一緒に死んで 。

独りにしないでくれるなら一緒に死んでよ 。




「 私も愛してるよ 、らんらん 。 」






ぐさっ






異物を感じる箇所に体中の熱が集まる 。

血が流れていくのを感じる 。




君はいつもそう 。

すちは私の考えを汲み取って文句を言わず行動に移してくれる 。


やっと気付いてくれた 。

これが世界で一番幸せなことだって 。




「ありがとう、すち 。」

「 私 、幸せ 。 」






「 良かった 。 」

「 ねぇらんらん 、これでずっと 、一緒だね ? 」





「 そうだね 、 。 」

「 私 、独りじゃない 。 」








「 らん 、愛してる 。 」




「 私も 、愛してる 。 」






ずっとずっと 、離れないで 。

ずっとずっと 、そばに居て 。




もう私は吐いた息にいかないでなんて願うことも 、孤独な現実を生きることもしなくていい 。

全部を手放して 、全部を手に入れた私はもう 、






独りじゃない 。

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