あの日から数日
カイザーとは顔も合わせず、連絡もない
1度たりとも話してないし、避けられている気すらする
「(なんで浮気した方がその態度なんだよ…)」
頭ではイライラしながらも俺は少し寂しさを感じていた
あぁ、このまま俺ら終わっていくんだ
「…あっけねぇな、」
そう呟いた時、ポケットの中のスマホが震えた
「………はぁぁ!!??」
それは、カイザーのsnsが投稿されたという旨の通知だった
その内容は…………………
Mein Schatz. Ich liebe dich am meisten auf der Welt.
(俺の愛しい男よ。世界一愛している。)
そう書かれた投稿文とともに俺とカイザーがキスをしている写真が添付されていた
「…あっっのバカ男ぉぉぉーー!!!」
俺は色んな感情に左右されながらカイザーのいる家へと向かった
外から明かりを確認して思いきりドアを開ける
鍵がかかっていると思ったが、俺が走ってくることを予知していたようにドアは音を立てて開いた
「カイザー!!!!」
リビングへと駆けると、呑気に本を読むカイザーの姿があった
「世一〜♡♡♡♡!!!!」
そう言われるとたちまち俺はこのデカバカ男に包まれる
「ちょっ、!!一旦、一旦待って、、!」
「??」
「あれ!!!なに!!?」
「………あぁ、SNSのやつか?」
「ほんとになにやってんの!!?」
「……俺らさぁ、もうそんな関係じゃn、」
「世一。それ以上言ったら許さないぞ」
カイザーの顔は至って真剣な顔をしていた
「…だって、さぁ、、、」
俺がばつ悪そうな顔をしていたからだろうか
カイザーは少し待ってろと言って奥の部屋に行ってしまった
しばらくすると小さな四角い箱を握りながら帰ってきた
「…開けてみてくれ、」
白い箱を開けると、ダイヤモンドが輝くリングが1つささっていた
「え…………」
「直近で女と歩いた時はこの時かなって、」
「…あの日、ほんとは世一にプロポーズしようとしたんだ」
突然放たれる『プロポーズ』の言葉に俺は動揺を隠せない
「前々から目をつけていたものがあったからそれを持って花でも買って行こうと思ったら、」
「偶然その日が休みだったんだよ、」
「それで店の前で立ちっぱなしだった俺を近所の人指輪店の人に声かけてもらったんだ」
それであの時に至る…と、、、
「……世一、本当にすまなかった、」
「…おれもごめんなさい、せっかく準備してくれてたのに、」
カイザーの話も聞かずにあれこれ言い放った自分を殴り飛ばしてやりたいぐらいだった
「……ほんとはもっとちゃんとしたとこで渡したかったんだけどな、笑」
そうはにかむカイザーの顔を見たらキスをせずにはいられなかった
「んむっ、…!?」
「このあほカイザー!!世界一幸せにするって約束な、?」
「…………!!」
「もちろんだ愛しのハニー♡♡!!」
「あ!!!それはそうとあの写真いつ撮ったの!!?」
「…キスの写真か?俺は毎回撮ってるが?」
「……はぁ??毎回!?」
「ってことはさ、…」
俺らがあの写真のように深いキスをすることは、
俺らの中では夜の行為を示す
「…もちろんフィニッシュまで収めてあるぞ♡」
「かぁぁいぃぃざぁぁーーー!!!!」
後日、そのキスの写真は消され、
代わりにお互いの投稿に、薬指にリングをはめた2人の手が写った投稿を載せ、世界を震わせたのでした
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