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srhb
ご本人様とは関係ありません。
とある王国。
そこにはある王子がおったそうな。
容姿端麗、成績優秀、将来有望。
そんなことが言われておった。
その王子の名はセラフといった。
セラフはこの王国の唯一の王子であるため、跡を継がねばならない。
そして、繁栄させていくために伴侶が必要だった。
だが、好ましい相手がいるわけではなく、執事も頭を抱えておるそうだ。
―――――
「セラ夫、そろそろお相手を見つけたらどうです?」
「ん~。難しいかも。」
はぁ、と執務室で執事のアキラが溜息を吐く。
「今度の舞踏会で見つけないといろいろやばいんですからね。」
「それはそう。」
現国王である父に口を酸っぱくして言われていることだ。
『伴侶を見つけろ』と
それにしたって、金やら権力やら名声目当てですり寄ってくる奴らがいっぱいいるんだからしょうがないじゃないか。
「凪ちゃーん。いい人いない?」
「いたらとっくに紹介してますよ。今度の舞踏会にはいろんなところの人が来るらしいですからそこにいるかもしれませんよ。」
「誰がぁ?」
「運命の人。」
茶目っ気たっぷりにアキラがそういう。
「運命の人、ねぇ。」
そんな人がいるとは到底思えない。
「とにかく、今日の分の仕事は終わらしてくださいよ?」
「はぁい。」
―――
舞踏会当日。
相も変わらず魂胆が丸見えのやつらどもが絡んでくる。
…気持ち悪い。
顔に仮面をはっつけて機会を虎視眈々とねらってるんだ。
「殿下。」
見かねたアキラが声をかける。
休憩しようとバルコニーに出た。
「…はぁ。」
面倒くさいな。
ここで伴侶を見つけられなければ適当な相手を見繕うって言われたけど。
なんかもうそれでいい気がしてきた。
「俺に本当に興味ある人なんていないし。」
「へ?」
急に知らない声が聞こえてきてふり返る。
ふり返るとそこにいたのは二人組の男だった。
片方は隣国の王子である奏斗殿下。
もう一人の派手な奴は知らなかった。
「…奏斗殿下。」
「やあ、どうも。」
にっこりと何かを企んでいるように奏斗殿下が笑う。
「いやぁ、びっくりしたよ。ここにセラフ殿下がいるなんて。」
嫌味なのか何なのかそうぺらぺらと話し始める。
「そうですか。」
「しかも、あのセラフ殿下があんなことつぶやくなんて。」
めんどくさいな。
貴族とか王族とかとやりあうのは疲れる。
下手したら自分の不利益になるし。
「奏斗、失礼やろ?揶揄うんはやめぇ。」
「え~?だってなんか面白くない?この舞踏会だってセラフ殿下が伴侶を見つけるためのものなんでしょ?」
「え、そうなん??」
「気づいてなかったんだ。」
「料理うめぇな~しか考えてなかったわ。」
奏斗殿下と対等に話す彼も実は相当身分が高いのだろうか。
とてもそうは見えないけれど。
「では私はこれで。」
せっかく休めると思ったが思わぬ客のせいで台無しだ。
立ち去ろうとすると手をつかまれて止められた。
「ごめんって。僕らがいなくなるからここにいて大丈夫だよ。」
「奏斗、」
「はいはい。失礼なこと言ってすいませんでした。」
「セラフ殿下もあんま無理すんなよ?」
「え?」
「ほら、いくよ。」
二人が去っていく。
その二人と入れ違うようにしてアキラがやってきた。
「ちょ、風楽家の方じゃないですか今の。何話してたんです?」
「凪ちゃん」
「セラ夫?なん、顔が真っ赤ですよ?」
「そう、だね。ねぇ、あの子はどこの子?」
「あの子?…あぁ、風楽家の王子と一緒にいる?」
「そう。その子。」
「彼は確か、渡会家の次男ですよ。」
「そっかぁ。」
心配されただけで惚れてしまうなんてもしかしたら俺はちょろいのかもしれない。
でも、俺を見てくれたんだ。
だから。
「凪ちゃん。俺、あの子が欲しい。」
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