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kaede🍁
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篝火

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kaede🍁
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深澤は空気を読んで、阿部の家へ泊まりに行っていた。
事情は聞いていない。
けれど、岩本の表情を見て「今日は男同士で話したいことがあるんだ」と察したのだ。
その頃。
岩本の家には六人が集まっていた。
リビングのテーブルには料理と缶ビールが並ぶ。
いつもより少し重い空気だった。
しばらく沈黙が流れる。
岩本は目黒を見る。
「話して。」
目黒はゆっくり頷いた。
そして、阿部の仕事を減らしてほしいと言ってしまったこと。
男性ファンが増えるたびに胸が苦しくなること。
阿部を誰にも見られたくないと思ってしまうこと。
家では必死に隠していること。
「……このままだと。」
目黒は震える声で続けた。
「いつか。」
「あべちゃんを傷つける。」
「仕事を辞めろって言うかもしれない。」
「家に閉じ込めて。」
「もう誰とも話すなって。」
「そんなこと。」
「本当は思いたくないのに。」
拳を強く握る。
「家で二人きりになった時。」
「自分を止められる自信がない。」
部屋は静まり返った。
最初に口を開いたのは佐久間だった。
「俺はさ。」
目黒を見る。
「あべちゃんなら。」
「ちゃんと話せば受け止めてくれると思う。」
「一人で抱え込む方が危ない。」
目黒は黙って聞いている。
次は康二だった。
「俺は逆やな。」
「全部言う必要はないと思う。」
「『最近ちょっと嫉妬しちゃう』くらいならええけど。」
「ここまでの気持ちは。」
「あべちゃん、自分を責めちゃうと思う。」
その言葉にラウールも頷いた。
「俺も康二くんと少し似てる。」
「あべちゃんって、自分より相手を優先するタイプだから。」
「『仕事辞める』って言い出しかねない。」
「それだけは絶対ダメ。」
宮舘はグラスを置いて静かに話し始める。
「嫉妬すること自体は悪くない。」
「恋人だから当然だ。」
「でも。」
「相手の自由を奪いたいと思った時は、一度立ち止まった方がいい。」
「それは恋人を守ることではなく、自分を安心させたい気持ちになっている。」
目黒はその言葉に少し肩を落とした。
「……そうだよね。」
「分かってる。」
岩本が口を開く。
「俺は。」
全員が岩本を見る。
「目黒は疲れてる。」
「え?」
「阿部を守る。」
「仕事もする。」
「嫉妬もしないように我慢する。」
「全部一人でやってる。」
「だから心に余裕がない。」
目黒は思わず岩本を見つめた。
「岩本くん……。」
「もし。」
「十分休めて。」
「阿部とゆっくり過ごせる時間が増えたら。」
「今ほど苦しくないんじゃないか?」
目黒は少し考え込む。
確かに。
最近は阿部と過ごす時間より、仕事をしている時間の方が長かった。
会えても数時間。
その数時間で、寂しさも不安も全部埋めようとしていたのかもしれない。
「俺からも一つ。」
ラウールが真剣な顔になった。
「めめ。」
「阿部ちゃんを信じてる?」
「もちろん。」
「じゃあ。」
「あべちゃんも、めめを信じてる。」
「だから。」
「ファンに取られることはないよ。」
その一言に、目黒は少しだけ目を潤ませた。
佐久間が笑って肩を叩く。
「何年付き合ってると思ってるんだよ。」
康二も笑う。
「あべちゃん、めめの話するとき、いつも幸せそうやで。」
宮舘も静かに微笑んだ。
「翔太もそうだ。」
「恋人が帰る場所は、ファンじゃない。」
「家だ。」
「そこだけは忘れない方がいい。」
目黒は目を閉じて大きく息を吐いた。
「……ありがとう。」
「みんな。」
「正直。」
「重いって引かれると思ってた。」
すると五人は顔を見合わせる。
そして。
「いや。」
「重いよ。」
「めちゃくちゃ重い。」
「重すぎる。」
「過去一。」
「殿堂入り。」
「満場一致。」
五人全員が真顔で頷いた。
一秒の沈黙。
そして目黒も吹き出した。
「否定してくれないんだ。」
「そこは事実だから。」
岩本が笑う。
部屋中に笑い声が響く。
重い空気は、少しだけ軽くなっていた。
その夜、目黒は初めて思った。
一人では、この気持ちに負けていたかもしれない。
でも。
こんなふうに本気で叱って、本気で笑ってくれる仲間がいる限
コメント
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みらさん、第13話読みました。目黒が抱える嫉妬と不安を、仲間たちに正直に打ち明けるシーンが本当に心に響きました。一人で抱え込んで追い詰められる前に、ちゃんと「助けて」と言えたこと、そしてそれを「重いよ」と笑い飛ばしつつ受け止める五人の距離感が、この作品の温かさだなあと。最後の「一人では負けていたかもしれない」という気づき、とても大切な一歩だと思います。