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薄暗い部屋の中。ベッドには1人の男が、規則正しい寝息をたて、小さくうずくまり、眠っていた。
「すぅ、、すぅ、、」
橙色の綺麗な髪に、長く美しい睫毛。容姿端麗で今にも崩れてしまいそうな儚さを纏っている。安らかに眠るその姿は、誰がみても美しく見えるだろう。だがその姿には、ところどころ傷が見え隠れしていた。そして、傷以外にも、キスマや噛み跡が綺麗な肌に刻み込まれていた。それはまるで、印と言わんばかりに。すると突然、部屋の扉が開かれた
「、、、」
扉が開かれ、微かな光が差し込む。そして、その光に男は目覚めた。ゆっくりと体を起こし、扉の方に目を向ける。虚ろな瞳で、ぼんやりと見つめていた。扉を開けた男の姿は、逆光で上手く見えない。けど、表情だけはよく見える
「ふふっ、♡」
恍惚な笑みを浮かべ、ベッドにいる男を見つめていた。黒く染まった瞳で、甘くも逃さぬように視線で射止める。2人とも、どこかおかしく、けど幸せそうにも見えた。けど初めはこうではなかったのだ。こうなったのは少し前のこと。ベッドで虚ろな瞳をする”中也”と、恍惚な笑みを浮かべる”太宰”。そう、こうなる前の2人を描いたお話。