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五度目からは、四度目の人生の繰り返しだった。何度も何度も、奴の力によって死んだ。時には力に耐えたこともあったが、だんだんと増えていく力の量には、耐えられなかった。そして、十七度目の人生で、遂に奴の力に耐えきった。だが、力に耐えた後は、力を操る訓練が待っていた。私は、その過酷な訓練を乗り越えようにも、体力の限界が近づき、やがて死んでしまった。十八度目からは、力には耐えたものの、訓練で死ぬことがほとんどだった。そして、二十四度目の人生で、やっと奴の力に順応出来るようになった。だが、この時の私は、まだ力を得るには幼すぎた。それもあってか、普段は力を制御出来たものの、 時々暴走してしまい、やがて自分の暴走した力によって死んだ。ニ十五度目の人生、私は一瞬、運視命幻による運命を垣間見た。その運命はいわゆる、「存在しない記憶」だった。
―こんな運命、存在するはずが無いのに―
なぜこんな運命が、今見えたのだろうか。 その疑問が浮かんだ時にはもう既に、「記憶」は目の前から消え去り、私はビネガーパレスの中にいた。