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ピアノの音が聞こえる。
思わず立ち止まってしまった。
どこか哀しげで、綺麗な音色だった。
ちらっと教室を覗くと、 そこには*女の子*がいた
私はその子に見惚れてしまった。
そして時が流れ、気がついたらピアノの音が止まった…いや、曲が終わったのか。
少し待ってみると、またピアノの音が聴こえ始めると同時に声が聞こえた。
「どうかしたの…じゃなくて、どうしましたか??」
女の子が喋った。
私が聴いているということを気づいていたらしい。
「いや、綺麗な音色だなって思って。」
そういうと、女の子の顔はパッと明るくなってこう言った。
「本当ですか!?ありがとうございます!!」
私は教室の床に足をつけ、 女の子に近づく。そしてこう言った。
「ここで聴いてもいい?」
今度は女の子が花が咲いたような笑顔でこう答えた。
「いいんですか?!嬉しいです!!」
私は笑った。
滑らかに動く指、サラサラな髪、整った顔立ち、間違いない。絶対この子はモテる。
きっと彼氏もいるんだろうな…
どんな人なんだろう…
優しくて誠実な人?
いやでも…
「えっと、どうしました??」
女の子が不安げに話しかけてきた。
どうしよ、なんて答えよう。
「ピアノとっても上手だね!」
これで大丈夫かな??
女の子は泣きながらこう言った。
「ありがとうございます…!」
「え、泣いてる??大丈夫??どした?」
私ダメなこと言ったかな?ごめん…
「いや、なんか懐かしいなって思って!」
女の子はこう言ったけど、どこかで会ったことあったっけ…?
いや、無いな。こんな可愛い子忘れる訳ないよな。
こんなことを考えていたら、いきなり教室のドアが開いた。
「またか!なにしてるんだー??早く帰れー」
先生が言った。
「すみません!分かりました!! 」
同時に答えた。
「聴いてくれて嬉しかったです!ありがとうございました!!」
そう言って女の子は教室から出た。
「お前も早く出ろー」
はーい。