テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
48
215
ティーカップの割れる音で俺は我に返った。
「ティーカップ、割っちまったよ…」
狛珀は微笑みながら許してくれた。
「こんな話聞いたら、誰だって辛くなるさ」
狛珀が話すと使用人の方々が割れたティーカップを片付け新しい物を出してくれた。
「詳しいことを聞くつもりはないが、本人が確かにそう言ってたんだな?」
俺が聞くと狛珀は頷き
「近々別れるって話をしてたみたいだぞ」
確かに俺と付き合う前は狛珀が好きだのなんだの聞いたこともあったしその影響もあったんだろうなとは思う。でも…
「なぁ…彗?大丈夫か?」
「ん?大丈夫だぜ。」
俺は続けた
「お前は告られたらいいっていうのか?」
狛珀は相変わらず笑いながら
「え?ないかな…仲は良いんだけど正直付き合うのはちょっと想像できない…」
少し意外だった。狛珀が恋人が欲しいといってたのは前々から聞いていたし、元々断れない性格の狛珀の事だからOKするのではないかと思っていた。
「そうか、ならいいけど」
まあ、きっと俺のこともあるんだろうな…優しいやつだし…
「取り敢えず俺は振られるわけだし、終わったら飯でも行こうぜ」
狛珀は
「そうだな、話は幾らでも聞いてやるよ」
そんな会話をしていると俺の携帯に通知が届いた。もうか。
狛珀と目を合わせ微笑み合う。案の定詩葉からだった。
『ごめん…好きな人ができちゃったから別れてほしい』
ずっと好きだった初めての彼女。短い間だったけど楽しい思い出になったな。
『了解。ありがとな付き合ってくれて』
そう送ると既読が着いた。返信は来ない。
「別れは告げたか?」
狛珀は心配そうな顔をして言った。
画面がぼやける中、俺は狛珀の方へ向き笑う。
「ああ、楽しい思い出になったぜ!」
こうして俺と詩葉の物語は終わった。今も普通に話すし仲も悪くない。まだ人生は始まったばかりだ。少しは楽しまなくっちゃな!
the end
コメント
1件
うわああ第13話「思い出」読んだよ…!😭💕 彗がティーカップ割っちゃうシーン、感情が溢れそうになるの我慢してる感じがすごく伝わってきて、こっちまで胸がぎゅっとなったよ…。 狛珀が優しく見守ってくれてるのもいいよね。「楽しい思い出になったぜ!」って笑顔で返せる彗、強いしカッコよかったです…! 詩葉との別れ、切ないけど、これからの2人の関係も気になるなあ。また更新楽しみにしてるね!📖✨