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〜同棲愛〜
俺の両親は”同棲愛”
凄く嫌う両親だった。
小さい時からずっと
「同棲愛は絶対にやめなさい。」
と言われ続けていた。
小さい時にはそれについて
深く考えることはなかったが
中学に入学して1ヵ月。
1ヵ月という間で俺に話しかけてくれた子は
ほとんど居なかった。
だがそんなある日のこと。
朝のホームルームで担任が
「今日は転校生が来ている。」
と言った。
教室全体がざわついてる。
―その時。
転校生が入ってきた。
「今日からこの学校に転校してきた天下 怜央 (てんか れお) と言います。よろしくお願いします。」
彼を見た瞬間
俺は一目惚れしてしまった。
その綺麗な顔に。
あまりの美しさに
クラス全体は一気に静まった。
彼は席へ座った。
俺の隣
俺はすごくドキドキしていた。
とても緊張した。
緊張していることに気がついてくれたのか、
「よろしく。」
と気安く話しかけてくれた。
嬉しかった。
だってあまり喋りかけてくれる人は居なかったから。
彼は毎日毎日
俺に話しかけてくれた。
すごく楽しかった。
次第にはカラオケに行ったり
ショッピングモールへ行ったり
とても仲良くなっていた。
彼の顔はとっても笑顔だった。
でも俺は思い出した。
「同棲愛は絶対に辞めなさい。」
その言葉を。
俺は泣き崩れてしまった。
せっかく初めて人を好きになれたのは
男の子なんだから。
なんで
男の子を好きになってしまったのだろう。
自分を妬み、恨んだ。
だが彼を今更、好きにならないなんて
出来ない。と思い
勇気を振り絞り
両親に話を持ちかけた。
「あのさ。実は俺、男の子を好きなったんだ。ごめん。」
そうすると両親はこう言った。
「育て方を間違えた。」
って
俺は一気に青ざめた。
“あ、これ捨てられる”
って思ったから。
だから俺は嘘をついた。
「ってゆう冗談!w真に受けないでw」
嘘をついた自分が憎くて仕方がなかった。
俺はこう思った。
“男の子を好きになると両親に
捨てられてしまうんだ”
と。
次の日。
俺はいつも通り
席へ座った。
やっぱり彼は話しかけてくれる。
そんな彼を見ていると
胸が苦しくなった。
俺は教室を抜け
屋上へ向かった。
柵を超えて。
空へ羽ばたいた。
彼から貰ったネックレスを握りしめながら。
赤色に染まった地面。
“これで良かったんだ”
たとえ俺が居なくなっても。笑顔でね。
俺はそう願い。
鳥と共に空を飛んだ。
「またね。」