テラーノベル
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※暴力的な表現があります。
地雷さんはご遠慮ください。
※ご本人様とは関係ありません。
-赫said-
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4限目の終わりを知らせるチャイムが鳴り、生徒の号令で授業が終わった。
チャイムの余韻が残る中、ざわめき出す教室。お昼ご飯を食べようと机を動かす音、購買へ行こうと誘う声、女子たちの高い笑い声。俺も椅子を半回転させて、後ろの席のこさめとご飯を食べ始めた。
他のクラスと何も変わらない、昼休み。
その空間を裂くように
ガシャンッッ
と大きな音が響いた。
一瞬、教室の空気が止まる。全員が音のした後方に目線をやった。
そして音の正体がわかるとすぐに全員の視線は元に戻り、また時間は流れ出す。
再び戻ったこのざわめきは、微かに聞こえる呻き声をかき消すかのように、さっきより騒がしく聞こえた。
みんな、知らないふりをした。
この教室で起きている“虐め”を。
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中学の頃、俺も虐められた時期があった。
毎日殴られ、蹴られ、弱い俺は助けを求めることもできなくて。
俺は知っている。虐めで何が一番辛いかを。
それは殴られる事でも、物を隠されたりする事でもない。
クラスの奴らから空気として扱われることだった。まるでそこに「いじめ」なんて存在しないかのように。親友だと思っていたアイツも、俺から目を背けた。俺の心に残ったのは絶望だけだった。
知っていた。
知っていたはずなのに。
今度は俺が見て見ぬふりをする側になった。
翠「ッゔ……!」
すちの呻き声が響いた瞬間、俺は視線を机に落とした。何も見なかったふり。何も聞こえなかったふり。
情けなさで吐き気がした。
苦しんでいるのを見て見ぬふりをするクラスメイトたちが、全員、気持ち悪く思える。
俺も____
気持ち悪い。
俯く俺にこさめが口を開いた。
瑞「なつくん、話したいことあって、放課後時間ある?」
少し真面目な様子のこさめに訝しく思ったが、俺は頷いた。
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虐めが原因で地元から離れた高校を選んだ俺は一人暮らしをしていた。年季の入ったアパートの階段を上がる。ドアに手をかけると鍵がかかっていない。
いるま、先帰ったんか。
学校ではお金持ちのひとり息子で完璧な優等生。でも今は俺の狭い部屋に転がり込み、制服のままソファに寝転がっていた。
テーブルの上には開きっぱなしの参考書と、飲みかけの缶コーヒー。
赫「……勝手に入るなよ」
そう言うと、いるまは振り返って、涼しい顔で笑った。
紫「いいだろ。どうせ一人なんだから」
その笑顔を見たとき――記憶がよみがえった。胸の奥でまたあの感覚に襲われる。
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