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. 続き .
. side : N .
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ー 高校時代 ー
入学式。やっぱりここに来てよかった。
丁度智兄さんも移動してきたみたいで、入学式で会えた。
「あ!智兄さん!
「お、和也ー、一緒じゃん。やったねぇ。
智兄さん。血は繋がってないけど俺の兄貴。
歳差は一回り位だから智兄さんはもう既に社会人。
絵が得意だからと言う理由で美術を主に教科担当しているらしい。
一回智兄さんに似顔絵を書いてもらったけど、絵よりも書いている顔が好きだった。
いつものヘラヘラした感じじゃない集中している姿が格好いいんだよね。
「ん!もう高校生だね。和也も。ブレザー可愛い~!
「ふふ、うん。智兄さんもかっこいいよ。
「和也は本当に誉め上手だな。
そう言われて頭を撫でられる。
「そういえばここ、翔さんも居るんだよ?知ってた?
「当たり前じゃん。これでも先生だし。
胸を張って言う智兄さんは面白かった。
「先生かぁ、なら智兄さんなんて呼べないね。
なんか、いやぁな気持ちが押し寄せてくる。
いつもみたいには無理なんだなーなんて落ち込んでいるとほっぺをつねられた。
「ん、んぬ、なに?智兄さん
「そんな落ち込まないでよ~家では甘えていいし…
そういう智兄さんの方がかわいそうな顔をしてて、思わず吹き出してしまう。
「っぷ、なにその顔!面白い~!
智兄さんと笑い合っていると智兄さんに入場が始まったことが知らされる。
智兄さんと別れると俺も受付に向かう。
「お名前は?
「二宮和也です。
その名前を口にすると一部の教師から視線を向けられる。
あれ…不味いこと言った?俺。
「46番席になります。
「あ、ありがとうございます。
秘密話をする教師たちを横目に会場に入る。
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〖続いて、生徒会長から、新入生への言葉です。〗
そのスピーチがかかるとステージに丁寧に制服を着ている翔さんが登った。
翔さんだ…!
翔さんは一度こちらを見て微笑むと、スピーチを始める。
っ、…なんか…お腹の辺りがきゅんきゅんする…
なに?この感覚…
変なカンジ…
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入学式終わり、各自帰っていく。
ここは入学式だけだから終わったら各自帰ってもいいっていう…自由な感じ。
本当にこの私立校は自由すぎて疑うレベル。
会場の出入り口で翔さんたちを待ちながら人混みに紛れている相葉さんを見つめる。
前とは違った背中に、どこか寂しい感じがした。
相葉さんのことを見すぎたのか、相葉さんと目が合う。
「あっ…
俺は目を逸らしてしまう。
あー…心臓の鼓動がうるさい…
俺は、耐えきれなくて、その場から去ってしまった。
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