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ザー·····、ザアアー·····
?「どうしよう·····」
『The sea is you… I am you…』
訳:海は君を·····。俺は君を·····。
桃黄 stxxx
すっかり冷え込んできたこの時期。
夏は家族と共に海の家を開き、盛り上がっていたお店は閉店になっている。
まだまだ学生な俺は、反抗期というものがきて、家から飛び出し、海の家に来ていた。
鍵があれば入れるし、二階建てで上に上がれば寝室もある。
食材は·····まぁ、バッグの中に多少あるし、数日明けても大丈夫だろう。
ぶるるっと冷える身体を抱きしめながら、かちゃっとドアを開ける。
「·····〜·····」
びくり。
微かになにか聞こえ、身構えるがなにもない。
·····気のせいか。
でも、なんとなく怖くて、急いで布団に入った。
「〜·····ん〜、♪」
綺麗な歌声と海が打ち上がる音。
ああ、なんだかいい目覚めだな。と外を眺めていると、違和感に気づいた。
俺の家は人集りがあるところだから人の声が聞こえるのは当たり前なのだが、ここは海の家。
第一、隣に家がある訳でもない。
ということは誰か来たのか?
ひょこっと窓から歌声の主を探していると、岩の方に·····
桃「に、人魚!?」
「( びくぅっ」
ばっと顔を上げた途端、見えた整った顔と綺麗な尾びれ。
ぼぅっと見つめそうになり、慌てて2階からおりる。
·····あ、でも、人魚だからもう帰っちゃったかな。
まぁいいや、と思いつつ外に出る。
と、予想外にまだ岩の方に人魚がいた。
桃「·····あ、あの?」
「ひぇっ」
恐る恐る声をかけると、可愛らしい声が聞こえてきた。
「·····ご、ごめんなさいっ。ぼく、泳げなくて·····って、言っても困りますよね。いいです、ほっといてて。あ、あと、うるさくてすみません·····」
超美青年な上、スタイルもめちゃくちゃいい。
なのに、焦っているのか早口でペラペラと話し始めた。
·····めちゃくちゃどタイプなんですけど。
なんて下心丸出しな感情を初対面の相手に言いそうになり、咳払いをする。
桃「別にいいよ。·····てか、泳げねぇなら、教えてやる。俺はさとみ。君は?」
「ぼ、僕ですか?」
黄「·····るぅと、ですっ」
るぅと。
なんだか、可愛いな。
桃「よろしくな、るぅと」
黄「ひょぇっ、はいっ!」
未だにキョドるるぅとの頭をひと撫でして、その場に座り込む。
桃「じゃあ、まず__」
ぐぅ。
桃「·····あ」
寝起きだった俺は空腹だということに気付き、るぅとは微笑む。
黄「先にご飯食べてきてください」
桃「·····ご、ごめんっ、行ってくる、/」
俺は半ば照れながら、海の家に入っていった。
これが、俺たちの出会い。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ ♡100
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