朝早くチャイムが鳴った。
湊の祖父が採れたての野菜を持って尋ねてきたのだ。
祖父を朝食に誘ったのはシンだった。
「いや〜慎太郎くんは料理が上手なんだね〜」
シンは祖父が持ってきたキュウリを手早く浅漬けにして食卓に並べた。
「そーなんだよっ」
自慢気に湊が言う。
褒められたのは俺なのに、なんでそんなに嬉しそうな顔をするんだよ……
シンは思わず笑ってしまう。
湊は並べられた目玉焼きに箸をつけると
「もう少し固いのが好きなんだよ。前にも言ったよな?」
目玉焼きの固さにケチをつける。
「俺はこの位の固さが好きなんです。文句があるなら自分で焼けばいいでしょ」
「朝ご飯は、お前の担当だろっ」
そんなやりとりを見て
「まるで夫婦の会話だな」
笑いながら祖父が言った。
「ふ…夫婦って………」
「良い嫁をもらったな〜晃」
「じぃちゃん……」
返事に困る湊をよそに
「夜は夫婦逆転するんです」
すかさず横からシンが答える。
「は……?ばっ…おまっなに言って…!!」
焦る湊に
「ですよね?湊さん」
シンは意味ありげににっこり微笑む。
「おいっ!!」
「そうか、夜は晃がご飯の担当なんだな」
湊が焦っている事に祖父はまったく気が付かない。
「そうなんです」
湊を見ながらシンが答えた。
祖父が純真な人で良かった。と、湊は心底思った…
祖父が帰ると
「シンっ!さっきの発言はなんだ?」
シンに詰め寄る。
「さっきのって?」
とぼけるシンに
「……わざと言っただろ?」
「さぁ…」
「じぃちゃんは俺達の事を…」
「ベッドの中では…そう言えば良かったですか?」
「シン……物事には順序ってもんがあんだよ…」
「……」
「……」
「いつか……話してくださいね…」
シンは少し寂しそうな顔をする。
「…わかってる」
戸惑いの表情で湊が答えた…。
【あとがき】
妄想が爆走しています…笑
「夜は夫婦逆転するんです」
この台詞をシンに言わせたいだけで書きました。笑
もう少しでストーリーが100になります。
尽きない しんみな劇場。よろしければ引き続きお付き合いください。
それでは、また次回作でお会いできますように…
月乃水萌
コメント
12件
今回のストーリーも最高すぎます🥰 シンの発言で焦ってる湊さんも良きですね♡♡また楽しみにしてますね😊
主さんの物語毎日見るっていう習慣化したい笑この物語も最高デスゥ🫶🏻