ソナチ(NL)です!
初めてだからお手柔らかに…!!
星が溢れて落っこちてきそうな夜だ。月はクリーム色に大きく、まるで宇宙のネックレスのよう。東京にもこんな場所があったのかと感動した。辺りには無作為に伸び放題の草木が生えているだけ、人の気配もない。耳がキーンと鳴るほどの静寂の狭間に、時折遠くから鈴虫の声が聞こえてくる。ここには照明も、街灯も、何も無い。ただ開けた小高い丘の上で、草木に囲まれ夜の高い空を堪能する。背を地面に付ければ、草と雨のような濡れた匂いに、首筋を伝う地面の冷たさ。それから眼前に怖くなるくらいの広い広い夜空。世界はこんなにも広く、宇宙は無限に広がっているのに、どうしてこんなことで悩んで飛び出してしまったのだろうか。夜空に伸ばした手は星を掴むことはなく、冷える空気の真下で空振った。
ナチス視点
きっかけはソ連の執念深さ、とでも言おうか。もつれ込むように恋人関係に発展してから、こちらが疲れていようが葬儀帰りだろうがなんだろうが、決まって体を求められた。ソ連も私と忙しく、毎日は会えないことや、タイトなスケジュールを汲んで、ソ連が用意した別荘で半同棲の形をとってくれたことも重々承知しているし、私もその行為自体が嫌いなわけじゃない。互いを愛し合っていることを確認して求め合うことは幸福だと知っている。しかし、だ。こちらとてムードというものは大切にしたい。くたびれた汗だくの帰りはシャワーを浴び、可愛らしい下着を身につけてからベットイン、というのが理想だ。誰だって汗臭く、もう何年も着ているヨレヨレの下着を見られるのは嫌だろう。少なくとも、私はその辺の線引きはしておきたかった。でもソ連は違った。私より先に帰った日は、玄関でおかえりの次にキスが飛んでくる。私が会議帰りで酒臭かろうが、上書きだと言わんばかりに濃厚なそれを落とす。私が何度待ったをかけても、獣に豹変したソ連の耳には届かず、結局玄関で…なんてことも多かった。そんな事が続けば、まあ不満も溜まる。一度それをソ連に漏らしたことがあったのだが、
「なぜだ?ナチも気持ちよさそうに鳴いてただろう」
と一蹴されて終わり。半分図星なところもあったりして、もう話すだけ無駄だなと呆れ返っていた。
でも今回は私も引けなかった。贔屓にしていた後輩が殉職し、その葬儀の帰りだった。重い足と腫れたまぶたを隠すように、暗い気持ちで家に帰った。仲間が死ぬことなんて、葬儀を執り行うことなんて日常茶飯事のはずなのに、それを日常茶飯事にしてしまう私自身の弱さにも腹が立って仕方なく、返ってくることのない命と最後に会った時の笑顔を何度も反芻し完全に気分は地の底に落ちていた。思い足取りで家に帰ると案の定玄関先でソ連に抱きつかれ、鎖骨にキスを落とされる。本当に今日だけは無理、と告げても、「喪服のナチってなんかエロい」なんてことを抜かし、私の意思も考えず事を及ぼうとした。目の前で呑気に揺れる赤髪に怒りがフツフツと湧き上がり、流石に堪忍袋の緒がブチ切れて、私はソ連を突き飛ばした。
ナチス「ソ連のバカ!どうせならイギリスみたいな紳士な人が良かった!」
私もだいぶ卑屈になった。ソ連が嫌いな、他の男の名前を出すことを躊躇せず、突き飛ばされ目を丸くする五条を置いて私は街を駆け出した。ソ連の静止の声を振り払い、背中に確かな殺気を感じなから
ありがとうございました!
今日は此処までです!
コメント
1件
初コメ頂き!続き待ってるよ〜(^^)ナチ逃げられないきg(((