生まれて初めて、本気の恋をした。
不安な気持ちで入った高校。
幼馴染がいるとはいえ、新しい場所、新しい勉強…
不安は尽きない。
ちょっとの期待と、たくさんの不安。
それらをいっぺんに抱えてくぐった学校の門。
そして、聴こえた、フルートの綺麗な音。
本当に大好きだった。
本当に心から愛してた。
でもそれは、好きになってはいけない人だった。
だってその人は、
俺の担任の先生だったから。
小さい頃からよくモテていた自覚はある。
幼馴染で心配性の友人が言っていたから。
でも俺はどんな人から告白されても
どんな人と付き合っても
「好きだ」と思うことはなかった。
その笑顔を見ると、一日頑張れる。
その声を聞くだけで、一日が明るくなる。
「せんせ〜!卵焼きうまくいった〜っ?」
「なんとねぇ、今日はなんと!うまくいきましたっ!」
男女問わず数人の人に囲まれて
お弁当箱の中の卵焼きを見せる藤澤先生。
元々長くてさらさらだった髪は最近薄い紫色に染まった。
「…若井くん!みてみて!卵焼き!うまくいったの!」
先生をぼーっとみていると
視線に気づいた先生がこっちに走ってきた。
そしてお弁当の中身を見せてまたにっこり笑う。
「…ほんとだ。すごいですね」
そう言うと、藤澤先生はふふ、と笑いながら
教卓に戻った。
先生に、「大好き」って言えたら、
どれだけ楽か。
今まで言おうとして言えなかった、その四文字。
いつか、言える日は来るのだろうか。
『桜吹雪の舞う丘で』
連載開始です。
言ってた800人記念。
読切とか言って連載になってすいません。
♡と💬よろしくお願いします。
コメント
7件
おめでとうございます!!甘酸っぱい恋の予感!!
800人おめでとう!
800人おめでとう!生徒と先生の禁断の恋なんて気になりすぎる!