テラーノベル
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#オリジナルストーリー
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飴がコロン、とポッケの中に入る。
「…ありがと」
少し冷たくなってしまった言い方だけど、いいか。
きっと、笑顔なはず。
…
『シュレディンガーの猫実験』。
観測するまで「生きている状態」と「死んでいる状態」。
相反する2つの状態が重なり合っているという、量子力学の不可解なルール。
それを証明するための実験のことだ。
…それを人間でやったらどうなる?
それを、こいつはやりやがった。
海に自ら落ちていったのだ。
あの日、
雨の中を二人で走った。
私は無理やり手を引っ張られて。
あいつは笑顔で。
で、今は亡霊…
そうして私を見ている。
でもいつもにこにこしてる…らしい。
声は聞こえる。
けれど、私から姿は見えない。
こうして、いつも飴をポケットに入れるのがあいつの特徴。
あいつもめんどいやつだな。
…ごめんね。
私が弱いせいで。
君にこれを任せてしまった。
…この罪は、
一生償うから見てて。
コメント
7件
これ…すごく重くて綺麗だった🥀 飴をポッケに入れるのが亡霊の“痕跡”ってのがもう…目の奥がじんとした。 「観測されるまで生きても死んでもいる」っていうのを、人間関係に落としたの、本当にしんどい。 「笑顔なはず」「ごめんね」で全部が切なくて、私、読み終わってからしばらく動けなかった。 たった1話なのに、この空気感を描けるの、ほんとずるいよ…🤍