この作品はいかがでしたか?
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a t t e n t i o n
青黒
b o y s l o v e
f i c t i o n
青side.
月が辺りを照らす。
水無月特有の雨の匂い。じめじめとした空気はなんだか気持ち悪くて。
それでも、俺は輝く月の下を走る。
大切な人に会うために。
『 はぁはぁっ..、 』
普段、走らないので体力が落ちたが疲れたと言って休憩している暇など無い。
そんな事をしている間に彼が居なくなってしまうかもしれない。
それだけは絶対に避けたい。
無心になって走り続ける。
息が切れていることなんてお構いなしに俺はある場所まで走った。
『 はぁはぁ…っ、やっと着いたぁ… 』
安堵の声を上げる俺。
ふと、ひとつの影を見つけた。
『 あ、… 』
風になびく長髪は大好きな彼のトレードマークで。
髪の隙間から見える横顔は何処か儚かった。
しばらく見蕩れていると
「 あ、まろ。久しぶり。 」
そう言って微笑む彼は美しくて。
でも何処か弱々しい声だった。
『 っ、.. 』
俺はぎゅっと抱きついた。
彼を離したくなくて、そんな理由は子供っぽいだろうか。
だけど、子供っぽくていい彼が居なくならないなら
俺は自分を捨ててでも彼と一緒に居たい。
だけど、そんなことを言ったら彼は...、
「 …駄目やよ。離れたくなくなるやん。 」
困ったように笑う彼。
目には涙が溜まっていて。
俺はその涙を拭うことしか出来なくて。
『 居なくならないでや….っ、 』
身勝手な願いだってわかってる。でも、それでもっ、、
「 ..ごめんなぁ…、 」
そう言いシトリンの瞳を静かに揺らした。
月が照らす場所には一輪の月下美人が風に揺られていた。
『 また来年。月の下で。 』
Thank you for watching.
コメント
6件
どうやったらこんな神ってるストーリー思いつくんや、、? マジで好きです
えもすぎ...すき
やっぱ瑠奈ちゃの表現の仕方めっちゃ好き…()