テラーノベル
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レイブ一派が七人体制になって二年と少しが過ぎた。
レイブは十九歳、ラマスは誕生日を迎えて十五歳になっていた。
因みに家ほども大きくなったペトラも無事十歳である。
この間、彼らは日々の雑用をこなしつつ、独自の訓練により技を極めると言う、代わり映えしない時間を過ごし続けて来ていた。
同じ事の繰り返しであっても、時間経過と共に、当たり前だが技や技術の錬度は上がり、それぞれが二年前とは隔絶した強さを手に入れるに至っていた。
変化は彼らの事だけには留まらない。
ラマスを迎えて半年後、新たな『役立たず』候補をレイブに弟子入りさせると同時期に、学院側も新たな動きをし始めたのである。
他でもない、南西の村サリトでたった一人、結界を張り続けていると言うシパイに対する救援、若(も)しくは協力、助力へと動き出したのであった。
学院の実力者を集めた調査隊が編成され慌しく南西へと旅立って行った。
数ヵ月後、戻ってきた調査隊の報告は苛烈(かれつ)を極めた物であった。
村を囲んだモンスター達は幾重にも重なり、揃って飢えから来る涎(よだれ)と狂気の吼え声を間断無く漏らし続けていたそうだ。
調査隊の面々は、殆(ほとん)どは闘竜の背に乗り大空から村内に入り、巨体によってそれが適わぬ獣奴達は、調査隊の隊長であるカゲトが掘り進めた地下トンネルを使って村に辿り着いたという。
当然の事だが、カゲトは兄であるクロト同様デスマンである、穴掘りはお手の物であった。
当座の支援に持ち込んだ食料と薪、粉薬と強壮剤を目にしたシパイは、痩せこけて真っ黒く落ち窪んだ瞳に薄い笑みを浮かべると、そのまま倒れ込み三日間眠り続けてしまったらしい。
その間も彼が目覚めた後も、派遣された調査隊の殆どは集落に残り、シパイの負担を減らすべく、数え切れない程のモンスターとの戦闘を余儀なくされたのだ。
選抜された闘竜と魔術師達が戻って伝えた窮状を聞いた学院長、ズィナミ・ヴァーズはすぐさま次の手を打った。
第一には動かせる闘竜の全てを使っての支援物資の搬送である。
備蓄を空にする勢いで運び出される食料や燃料、それにアミュレットやタリスマン、建材や衣類に医療品の数々、レイブ一派は眠る暇も無いほど働き続ける事になった。
朝は暗い内から学院の外に出かけてモンスターを狩り捲り、日が出る頃には森の中や草原でキノコや山菜集めに精を出す毎日。
それぞれの加工をする班と芝刈り組みに別れてその日のノルマを終える頃には既に昼である。
立ったままモンスター汁やそこらに転がっている干し肉を齧ると、足早に学院への搬送作業へと移り、何往復もしながら時には荷造り作業、所謂(いわゆる)梱包も手伝う始末。
夕方までそんな事を続けた後、クタクタになって小屋へと帰る弟子たちを見送った後、レイブは一人学院の倉庫に残り明日の出庫品の確認と今後の補充計画を立てる、そんな激務に追われていたのである。
オーディエンスの皆さんに判りやすく言えば、盆暮れの繁忙期中の物流業界、若しくはブラックなフライデーやプライムな南米ジャングルのセール中のデリバリースタッフ、そんな感じだったのだ、しかもエターナル、でだ……
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