桜愛され / WB / 大怪我
特定の𝖢𝖯はないです。
🌸さんが大怪我するお話です。
いきなり始まります (‘▽’)
口調迷子 / 解像度低め / 文才皆無
⚠流血、暴力、過呼吸表現あり⚠
過去捏造も少々 …
モブが出しゃばります。
なんでも許せる人向け🙆🏻♀️
🌸「」
その他『』
最初のメンツは柊、梶、蘇枋、楡井と少しの1-1 メンバーだと思ってください … !
追記
やばいくらいぐちゃぐちゃになってしまいました … 💦
━━━━━━━━━━━━━━━━━ー
『死ねやぁあー!!』
そんな汚い言葉と共にバキッというなんとも重たい音が鳴った。
確実に無事で済まないであろうその音は短く響き、騒がしかった周りを一瞬にして静まらせた。
その音が発された方を見てみれば、 特徴的な白黒の髪が宙を舞い、程なくしてドサッという音と共に地に落ちる姿があった。
その姿の奥には、金属製のバットを振り終わった格好のままで固まっている男がいた。
『桜くん!!』
蘇枋の声がその場に響く。 その声はいつも冷静沈着で、何事にも動じない蘇枋からは考えられない程に、焦りや怒りが含まれた声だった。
急いで桜の元に駆け寄ろうとするが、それを男の言葉が拒んだ。
『こいつに近づくな!! 近づいたらこいつを殺す!!』
意識が朦朧としているのか、目が虚ろな桜の髪を強引に引っ張り、首元にナイフを構える男。
桜の頭からは血がドロドロと流れ出しており、見るからに危ない状況だ。
そんな卑怯で下劣な輩は即刻始末したいところ だが、人質を取られてはこちらとしても何も出来ない。
咄嗟に出そうになる足を奥歯をかみ締めて何とか留まらせる。
蘇枋やその背後からは膨大な殺意が溢れ出ている。
そんな様子に男の表情は歪んでいるが、しっかり掴んでいるナイフと桜の髪は離しそうにない。
『全員そこに手を挙げて止まれ!!さもなくばこの男の首を掻っ切る!』
そう言って桜の首筋にナイフをあてる。
先端が鋭いため、桜の首筋からは細く薄く血が流れる。
本気のようだ。 今は一旦男の要望に従うしかない。
蘇枋を最初に、次々と大人しく手が挙げられる。
幸いほとんどのやつを血に沈めているため、反撃してくる輩はいない。
「 ぉれに … かま、うな … 」
酷く小さく、弱々しい声だったが、周りが静寂に包まれていることもあり、みなの耳にはっきり届いたことだろう。
なぜ桜はここまで自身を犠牲にしようとするのか。なんてのは愚問だろう。
桜自身からはっきり聞いた訳では無いが、桜の周りの環境は劣悪なものだったのだろう。
人間は常軌を逸したものを避ける節がある。
桜の容姿は、明らかにみなのそれとは違う。だからみな忌み嫌い、酷い扱いをしてきたのだろう。
そんな中で染み付いたくせはなかなか払拭できるものでは無い。
だからこそ、腹立たしい。 憎らしい。 桜を見た目だけで拒んだもの全てが。 中身を見ようとしない人間が。
そんな怒りを抱いている中、さらに追い打ちをかける男。
こいつは本当にどうかしているのだろう。
『うるさい!お前は黙ってろ!!』
「ぐっ、!!」
男はあろうことかその流血している部分に向かってナイフの柄の部分を思いっきり振り下ろした。
短い悲鳴と、小さく飛び散る血。
それに対して風鈴生はみな殺意が上限に到達したのだろう。
それまでは憤怒の表情だったり、哀れみの目だったり、泣きそうであったりした面々が、みな一斉にして表情がごっそり抜け落ちたようになっていた。
怒り。 なんて軽いものでは無い。本当の意味で無表情であり、そこには怒りが含まれているようで含まれていない。 よく分からない表情であった。
男はみなの表情に怯えはしたものの、人質を取っている安心からか、不器用で不気味な笑みを浮かべていた。
『は、ははっ、デカイのが揃いも揃って情けねぇな!』
『こんなバケモンのために! こんなやつ見捨てればいいものを! 』
耳を塞ぎたくなる程の罵詈雑言。
今すぐにでも口を縫い付けてやりたい。 でも出来ない。
そんなもどかしさと、人質を取られてしまった自分たちの不甲斐なさでどうにかなりそうだ。
「さっ、 … ら … 黙っ 、 てれば … 」
『はぁ?』
「あいつらを、悪く言ってんじゃねぇ!!」
さっきまでの弱々しさはどこに行ったと問いたくなるほど、力強く、はっきりした口調で叫んだ。
『ちっ! このクソ野郎が!! 』
桜の言葉に腹が立ったのかナイフを振り下ろそうとする男の姿。
『『『桜 / くん / ちゃん / さん !!!』』』
桜にナイフが刺さる寸前。 まさに危機的状況。
普段なら避けれるだろうが、最悪なことに今は大怪我を負っていて身体に力が入らないようだ。
仕方がないとでも言うように目を瞑る桜。
もうどうしようもない。 そう思った瞬間。
『はい ストップ ~ 』
どこか腑抜けたような声と共に、男の後ろからぬっと伸びてきた手が男の腕を締め上げた。
『いだだだ!!!』
余程力が入っていたのだろうか、痛みからか男の手から力が抜け、ドサッという重い音とカランッという軽い音が同時になった。
『っ! 十亀!! 』
『お、 柊じゃぁん やっほ ~ 』
『やっほー、じゃねぇ!!なんでお前がここにっ!!?』
『いやぁ … さぼてんでパン買おうと思ったら道に迷っちゃってぇ … 』
なんとも間抜けな理由である。 思わず顔がぽかんとなりそうだったが、十亀のおかげで助かったことには変わりない。
『そうだったか、悪い、助かった』
『 いえいえ ~ 桜はオレの大切な人だからねぇ 』
『それよりぃ、 こいつどうするぅ ?? 』
十亀の手にはいつの間にか気を失っていた男の腕が握られている。
よく見たら先程まで出していなかった鼻血を垂らしていたため、十亀が拳でも入れたのだろう。 十亀の怒りが垣間見えた気がした。
『ああ、 もちろん風鈴が預かる』
『桜を罵ったこと、桜を傷つけたこと、ナイフを向けたこと、全てを後悔してもらう』
『そっかぁ その時はオレも呼んでねぇ 』
十亀は気絶している男を柊に手渡し、桜の元へ向かった。
桜の元には蘇枋を始めとした数人が既に駆け寄っていた。
『桜ぁ … 大丈夫 … ?? 』
『気を … 失っているみたいです … 』
『だいぶ … 無理をしていましたから …』
そう説明してくれた楡井の目には涙が溜まっていた。
『 十亀さん … 本当にありがとうございました … 』
『十亀さんが居なかったら今頃桜さんは …』
『それ以上は、言わなくていいことだよぉ 結果助かってるんだから 』
『そう … ですね … 本当にありがとうございました 』
そう深々と頭を下げる。 それにつられるようにみなが頭を下げ始める。
『 どういたしましてぇ まぁ … 桜と約束しちゃったからねぇ かっこいいやつになるって 』
そう語った十亀の顔は嬉しそうであった。
ーーー ーーー
目が覚めると、見覚えのない天井が目に入った。
鼻につく消毒液の匂い、ふわふわとした感じ。 現実なのか夢なのか微妙な線だ。
身体を起こそうにも身体が上手く動かない。 もどかしそうに身体をもぞもぞ動かすと、周りからガタッという音が聞こえた。
『桜くん…?起きたのかい…?』
そんな声と共に視界に映るのは見覚えのある蘇芳色の瞳とタッセルピアス。
「、す、ぉ … ?」
『うん、オレだよ。 今ナースコール押すから、無理して起き上がろうとしたらダメだよ?』
なんで、と思ったが到底逆らえる雰囲気では無いため、蘇枋の言うことを大人しく聞くことにした。
ナースコールを押したあと、看護師がきて体調などを事細かに説明させられた。
一通り聞いて満足したのか、看護師は病室を出ていった。
そしてタイミングを計っていたのかと言いたくなるほどにちょうどよく先程のメンツ(蘇枋、楡井以外の1-1メンバーは除く)と梅宮、十亀が入ってきた。
『桜ぁああぁあ!! 助かってよかった!!』
『うるっせぇぞ!梅宮!ここ病院だぞ!!静かにしろ!!』
『そういう柊さんもなかなかな声量してますよ』
そんな漫才もどきを披露してくれたもので、病室は少し穏やかな空気になった。
みなが少し緩んだ表情をしている中、桜のみが険しい顔をしていた。
「… 俺のせいで … 俺が弱いせいで … お前らに迷惑かけた … 悪い … 」
そう言って頭を下げる。
みなが微妙な顔をする中、今まで後ろで静かにしていた梶が飴をガリッと噛み砕き、前に出てきて桜の胸ぐらを掴んだ。
怪我人にそれはどうか…と思う者もいたが、空気を読んで何も言わない。
『お前は … またひとりで抱え込みやがって …!』
『あの時言っただろ! あいつらを信じろって!』
『お前はその時、信じるって決めたんじゃねぇのかよ!!それなのに、また自分の殻に閉じこもってどうする!!』
ヘッドフォンを外しているはずなのに、付けている時と同じくらいなのではないかと思うぐらい馬鹿でかい声で桜を怒鳴りつける。
いきなり怒鳴られてびっくりした顔をしていた桜だが、次第にバツが悪いような顔をし始めた。
「わ、悪い … 」
『ちっ!』
大袈裟な程に大きな舌打ちをして、飴の袋を開け、口に放り込みながら再度後ろに下がっていく。
病室はまた微妙な空気が流れ始め、なんともいたたまれない気持ちになった。
この空気をどうにかしたい。 そう焦れば焦るほど何も言葉が出なくて、ただ魚のように口をハクハクとするしかできなかった。
そんな様子を察したのかおもむろに蘇枋が口を開く。
『桜くんってさ、自己肯定感低いよね』
『さっきのこともそうだけど、ナイフ向けられた時も俺に構うなとか言ってたよね?』
『あれ、どういうつもり?』
「そ、れは … 」
桜の頭には困惑の渦に包まれている。
今、何を発してもいけない気がした。 何を発しても全てが裏目に出る気がした。
でも、何か喋らないと、人は待たされるのが1番嫌いなのだ。
柄にもなく、怖くて手が震える気がした。
それを察したのか、蘇枋が手を上に乗せてくる。
それが異様に安心出来るような気がして、腹を括ることにした。
「む、かしから … オレは … っ 」
『大丈夫、ゆっくりで大丈夫だよ』
どうしても言葉に詰まってしまう中、焦らせないように、落ち着かせるように、蘇枋が桜の背中を撫でる。
「っ、 昔から … オレは心配されること無かったから … でも、周りは心配する奴がいるから … 」
「傷つくなら … 誰も心配するやつがいない 、 オレの方が 都合がいいから … 」
「それに、 周り傷つけたら … オレが 、 怒られる … から 、 」
下手くそだけど、それだけを精一杯伝えると、周りはみな苦虫を噛み潰したような顔をした。
何か言葉を間違えただろうか、何か言い方が悪かっただろうか。
目の前にどんどんドロドロしたものが出てきた。
そのどろどろは、なにかに似ていて、何にも似ていないもので、すごく不気味であることだけが分かる。
『せんせー!桜くんがいきなり殴ってきました!』
『おい桜!クラスメイトに手を上げるなんて何事だ!』
「あいつが先に石投げて…」
『人のせいにするな!さっさと謝れ!!』
「… ちっ!」
『おい!逃げるな!!』
『あら、またあの子ボロボロよ』
『いやね、またどこかで喧嘩でもしてきたんでしょう』
『怖いわ〜、見た目からしてまともじゃないけど、中身も終わってるなんて最悪ね』
『ね〜 、親も可哀想なものだわ あんな子の世話をやらされるなんて』
『お前はまた喧嘩してきたのか!!』
『言っただろ!お相手に迷惑をかけるなって!』
『全部はそんな気持ち悪い見た目をして産まれてきたお前だろ!!』
『そんな汚い姿で帰ってこないでくれる?うちが汚れるじゃない』
『今日はもう家に入らないで、汚いから』
黒いドロドロから発されるものは昔、どこかで聞いたことのあるようなことばかり。
そうか、これは今まで蓋してきた記憶の集まりなんだな。
今まで蓋をして、見ないふりをしていたのに、忘れられていたと思っていたのに、やっぱり身体には染み付いていて、切り離せりゃしない。
怖い。 今まではきっと怖いから見て見ぬふりしていただけなんだ。辛い。苦しい。
「は、っ ひゅ、、 かひゅっ、、は、」
苦しい、苦しい、あれ? 息ってどうするんだっけ。あれ?
ー
「っ、 昔から … オレは心配されること無かったから … でも、周りは心配する奴がいるから … 」
「傷つくなら … 誰も心配するやつがいない 、 オレの方が 都合がいいから … 」
「それに、 周り傷つけたら … オレが 、 怒られる … から 、 」
その言葉を聞いた瞬間、思わず顔を顰めてしまった。
何故ここまで桜を追い詰めるのか、 理解ができなかった。
再度ぐるぐると頭の中に怒りが渦巻く。
この行き場のない怒りをどうしようかと悩んでいると、どこか掠れた息のようなものが聞こえてきた。
「は、っ ひゅ、、 かひゅっ、、は、」
『桜 / くん / さん !?!?』
『まずい!過呼吸だ!!』
誰が叫んでいるかなんて気にする余裕はなかった。
目を虚ろにして、ただただ苦しそうな顔をして、必死に息をしようとしている姿に思わず心がぎゅっと掴まれるような感覚がした。
『桜くん、大丈夫、大丈夫だから、少し息を吸いすぎてるみたい。オレの息に合わせてね』
聞こえているかどうかなんて気にしている暇は無い。 ゆっくり、驚かさないように桜の背中に手を回し優しく撫でる。
『すー、はぁー、 ほら、一緒に』
「す、っ … はっ … はぁ …」
『うん、上手だよ。 ほらもう1回』
そうしてゆっくり、でも確実に息を整えていく。
桜の息はゆっくり安定していき、瞳にも意思が戻ってきた。
「悪い、 まためいわ 」
『ストップ、桜くん、 言う言葉が違うよ?』
『そうだぞ桜! こういう時はなんて言うのが正解だったかな?』
「っ、… あ、 ありがと … すおー …」
『ん、いいよ』
いつも通りの笑みを浮かべると、少し安心したような表情になった。
そのまま桜の手を握り直して、ゆっくり口を開く。
『桜くんが昔どんなことがあったかなんて、オレには分からないし、無理やり聞く気もない』
『だけど、これだけは覚えていて、少なくともオレたちは桜くんのことを大切に思っている』
『傷つけば心配するし、傷つけた相手に対して怒る』
『だから、桜くんも自分のことを少しは大切にして欲しい』
「っ! 、」
その言葉はどこか温かみがあって、心に染み込んでくるような、不思議な感じだった。
『す、蘇枋さんだけじゃないです! 俺だって!桜さんのことが大切です!』
『だから、たとえ桜さんであろうと桜さんを傷つけたり、蔑ろにしたりすることは許しません!』
『そうだぞー桜、桜が傷つくのはお兄ちゃんも悲しい』
『だから、いざって時はお兄ちゃんを頼れ、いつだって助けてやる!』
『みんなの言う通りだよぉ 桜はオレにとっても大切な人なんだから』
『大切な人を傷つけるようなダサいまね、しないでねぇ?』
口々と思うことを吐き出していく。 その姿がどうにも眩しくて、 綺麗で、 いつの間にか黒くドロドロとしたものは無くなっていた。
その代わり、どこか目の周りが水っぽいような気がする。
どこか鼻がツンとする感覚もある。
一体これが何かは分からないが、きっと悪いものでは無いのだろう。
だってみんながいい笑顔をしているから。(楡井は大号泣しているが)
この数日後、桜は退院して学校に行ったら、クラスメイトにもみくちゃにされ、色んな人から愛を伝えられて赤面しっぱなしだったとか。
──────────────────
以上です…
思った以上にぐっちゃぐちゃなものが出来上がりました …
蘇枋、梶、梅あたりの口調が本当に苦手…
思うように書ける文才が欲しいです…
それではここまで見て下さりありがとうございました 🙇🏻♀️՞
(2024/09/23 23:04:07)
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コメント
11件
はいはーい!最高すぎてやばいっすねはい、神っす、!
すごいとしか言いようがない…最終的にハッピーエンドになって良かった( ;꒳; )✨🌸が自己肯定感低い理由しっかり伝わってきたよ、、でも皆が🌸の事を愛してくれてたお陰で気持ちが救われたんだね。最高すぎます、、
凄い最初のあの胸糞展開から一気にハッピーエンドになって幸せ空間出来てもう最後らへん発光してる気がする( ? ) これからね皆にね愛を死ぬ程貰って幸せになりやがれ!!!!!!( 情緒 わかる 。すおさんとかのキャラとか口調掴むのガチでムズすぎる あのたまに言う厨二病っぽい発言とかすおさんのミステリアスさを表現しようとするとガチ無理 。作者天才