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そこからの1ヶ月は早かった。




毎日毎日何気ない会話をして、




毎日ふたりで笑った。







そんな楽しい日々も束の間で、





お別れの日がやってきた。



学校は休みをとって、



ゆあんくんとゆあんくんの家族と、

俺と俺の家族。一緒に空港まで行った。






「ねぇ、ほんとに行っちゃうの?」



「…うん。」



「もうずっと会えないの?ずっと遊べないの?」




この質問だけは、



何回聞いても何も答えてくれなかった。



親たちも心配そうに俺たちを見ていた。




「そろそろ飛行機の時間だよ」



と、気まずそうにゆあんくんのお母さんか声をかけた。




「お願い…ッ、行かないで  泣」


「まだ一緒に居ようよ…ッッ   泣」






人の家庭に口は出せない。

出しちゃいけない。



そんなこと、当時の俺でもわかっていた。



でも寂しかった。



離れたくなかった。



ずっと一緒が良かった。




君は、少し困ったような顔をして俺を見た。



「ゆあんくん……ッ  泣」







「また、会おうね」



そのとき、君は


俺の前で初めて泣いた。


先月見た、


優しくて、いつの間にか包み込まれてしまうような笑顔で、泣いた。



「“お願いッ 行かないで…ッ  泣”」



そう言おうとしたけど、



その言葉は心の中にしまっておいた。



これ以上何を言っても、


これ以上何を訴えかけても、


ゆあんくんにも、ゆあんくんの家族にも迷惑をかけてしまうだけだ。


そう察した。




「絶対、会おうね ッ 」




俺がそう言うと、



君は微笑んで頷き、俺の前から姿を消した。



俺は飛行機が飛んで行って見えなくなるまで


ずっとずっと見ていた。

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