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世の中には、色んな理由で死にたくなった人々が存在している。 その自殺願望が強い人々に貴方は含まれるのだろうか。
この話は自殺願望がある学生の話。
第一話 汚濁の空の下で
水越「これで全員だね」
水越「じゃあ自己紹介から始めようか」
私は水越 遥香。ここにいる人達はみんな大きな悩みを抱えている人だ。そして私も悩みを抱えている。前に、こうやって集まってみんなで最期を迎える場所に行くつもりだったが、私の自分勝手な都合で行けなくなってしまったんだ。きっと、もうとっくにその集まりの人達は実行しているだろう。それが悔しく、自分で開催してみた。
松平「自己紹介って必要かな?」
水越「まあ、一応ね。」
松平「そう…」
彼は冷淡な声で答えた。
水越「私は水越。16歳」
松平「俺は松平。歳は17」
成海「僕は成海です…17歳です…」
春風「えーっと、春風です。15歳です。」
水越「敬語って使った方がいい…?」
松平「別に使わなくていいよ。1年の差なんて対して変わらないし」
水越「わかった…」
松平さんは冷淡な人なのだろうか。そう思ってしまうほど、凍ったアイスのような声で話す。 成海さんは静かな人だ。冷静とも言えるだろう。まるでこの集まりが初めてではないみたいと思ってしまう。春風さんは綺麗な人だ。年下なのに、どこか大人びている。
私はこの人達が何故死にたいのかは聞いていない。何故かと言うと、前の主催者の言葉を借りて言おう。一緒に最後を迎える人達だ。少しぐらい友情を感じてもいいかなって思ってしまったんだ。
春風「なんか、勿体ないね」
春風「こんなに空が綺麗なのに」
成海「最後は汚濁の空より、綺麗な空の方が気持ちが楽でしょう。」
松平「ま、俺達のせいで空は濁るかもな」
成海「松平くん…」
成海さんはどこか寂しそうに松平さんの名前を呼んだ。
水越「じゃあ、話そう」
私がここを開催した理由。ありきたりすぎて少し恥ずかしい気持ちもあるが、それほど今の世の中が進化していないのだろう。そんな事を思いながら、私は重い自分の口を開いた。