(注意点)
100%妄想です
酷い怪我や流血の表現があります
敵キャラが喋ります
言葉遣いなど解釈違いでしたらすみません
途中不穏ですがハッピーエンドです
長文で申し訳ないです
大丈夫な方はこのままお進みください
今回の敵は随分とやりにくかった。
いつもより妙に知能が高く、数も多い。
複数体が連携をとって攻撃してくる。
なかなか厄介だ。
おそらく、ボス的なやつがどこかにいて、
指示をしているのだろう。
そいつを倒せば今日の任務は終了だ。
先頭でハンマーを振り回す伊波。
その背後に敵が迫る。
小柳「しゃがめライ!」
すぐにしゃがみ、敵の攻撃をギリギリ避け、小柳がその敵を斬った。
しかし、伊波を助けるのに頭がいっぱいで、
自分にも迫っていた敵に気付けなかった。
ガン!!
敵の攻撃が小柳の頭に当たった。
あまりの勢いに吹っ飛び、体は木に叩きつけられた。
小柳を攻撃した敵は伊波が早急に倒した。
伊波「大丈夫?!」
先に駆け付けた叢雲が動かない小柳の様子を見ていた。
叢雲「アカン、気絶しとる。頭強く打っとるし、あんま動かさん方がええかも。」
伊波「一旦引く?てか、星導どこいったあいつ。」
叢雲「タコならさっき、5体くらいの敵に追われてたけど、どうなったやろ。探すか?
、、、痛っ!!」
伊波「カゲツ?!」
小柳の頭の止血をしている最中に、叢雲の右足に3本の矢が刺さっていた。
矢の向きから敵の方向へ伊波が走り、見つけた2体を薙ぎ倒す。
叢雲は小柳を守りながら周囲を確認し、他に敵がいないか警戒しながら、自分に刺さった矢を抜いた。
見た感じ毒はなさそうだ。
しかしこれでは満足に戦えない。
伊波「まだこの辺にいそうな気配する!
カゲツ、一旦引こう!その足じゃ戦えないでしょ!」
叢雲「矢は抜いた。まだいける、、いっ、、、」
立ち上がってみたものの、右足が痛み、体がぐらついた。
星導「肩貸しましょうか?」
いつのまにか合流していた星導が叢雲を支えた。
叢雲「おまえどこいっとったん。」
伊波「えっ、星導それ、深いでしょ。無理せずここは一旦引くよ。」
星導の脇腹には刃物でザックリと切り付けられたような傷があった。
星導「いや〜、ちょっとドジしちゃいまして。でも追いかけてきた6体はちゃんと倒しましたから。」
ゆるゆると話しているが顔色は良くない。
伊波「止血するからあっちの木下に行こう!」
伊波は小柳を抱えながら歩き出すと、木の近くで何かを踏んだ。
カチリ、という音。
嫌な予感がしたが遅かった。
バン!!
咄嗟に小柳を突き放せたが、自分は爆風と共に吹き飛んだ。
星導「ライ!!」
叢雲「地雷や!近づくなタコ!!」
ライはむくりと起き上がり、慎重に3人の所へ戻る。
伊波「う〜、、痛ぁ、、、」
星導「ライ、その腕、、」
顔を顰めながらフラフラと戻ってきた伊波の右腕は完全に折れていた。
叢雲「おいコレ帰れんくない?敵と罠の数が多すぎるて。」
伊波「この状況やばすぎ。」
痛みに耐えながら骨折した右腕を応急処置している。
そんな時に、さらに5体の敵がこちらに近付いてきた。
不意打ちもせずまっすぐ来るということは、もう数で押せば勝てると確信しているのかもしれない。
星導が3人の前に立ち、触手を大きく広げた。
容赦なく攻撃してくる敵を、なんとか8本の触手で防御して凌ぐ。
後ろから叢雲がクナイを投げて応戦している。
小柳「ゔ、、頭いてぇ、どこだここ、、」
伊波「あ!目が覚めたんだね!でも今めっちゃピンチ!」
まだしんどそうな小柳が上半身を起こした。
小柳「は?ピンチ?」
周りを見ると、みんな負傷しており、目の前では星導と叢雲が戦闘中だった。
小柳「俺も戦、、う、、」
立ちあがろうとするが、まだ脳震盪で頭がグラグラし、その場に座り込む。
伊波「まだ無理だよ、動かないで!」
叢雲「おいタコ、あんま無理すんな!俺の煙玉の煙幕で一旦引けるかやってみん?」
星導「なんなら持ってる分、全部使ってここ一帯真っ白にしてよ。」
叢雲「おっしゃオラ!」
ボン!
4つの玉を投げ、一気に白い煙に包まれた。
今がチャンスと思いきや、天気が敵に味方し、強風が吹いた。
煙が流される前に、星導が走り、敵を次々と倒していく。
ラスト1体の頃にはすっかり煙は消えていたが、勢いでそのまま敵に突っ込んだ。
ちょうど振り返った敵と目が合い、お互い同時に、相打ち覚悟で攻撃をしかける。
その瞬間、横から飛んできた伊波のハンマーが敵にクリーンヒットした。
伊波「よっしゃー!当たった!」
叢雲「ナイスゥ!」
左手で投げてよく命中させたなぁと関心し、一通り敵を倒せた事で安堵した。
星導はフゥとひと息つくと、木にもたれかかった。
涼しい顔をしているが、激しく動き続けたせいで横腹の出血が夥しく、立っているだけでも辛い。
小柳「おまえ結構やべぇんじゃねえの?歩けるか?」
星導「小柳くんよりマシですよ。血だるまのその頭、大丈夫ですか?」
小柳「チッ、頭痛ぇけどもう平気だよ。」
その時だった。
皆が油断している時、ガシャンという金属音が聞こえた。
叢雲「なんやこれ!動けへん!」
伊波「きついし取れないんだけど!」
2人は胴と腕が金属製のリングに拘束されていた。
その様子を見ているうちに、小柳と星導の背後からもリングが飛んできた。
ガシャン!
星導「うわぁなにこれ」
小柳「はぁ?!俺もかよ!」
小柳も同じようにリングに捕まり、どうにかならないかともがく。
星導に飛んできたリングは、胴ではなく触手のうちの1本をガッチリと掴んでいた。
胴を掴み損ねたのだろう。
星導「えいっ」
リングの付いた触手のみを切り離した。
小柳のリングを引っ張って、一緒に外そうとする。
小柳「そこに落ちてる俺の刀でこれ切れるか?」
星導「えー俺、刀使った事ないから身までいっちゃうかも。」
小柳「おっけー、刀に触るな。自力でなんとかするわ。」
敵「どうにもできませんよ。」
いつのまにか、近くに人型の敵が立っていた。
叢雲「誰やお前」
敵「あなた達が全滅させた者達のリーダー的存在です。」
伊波「ラスボス来たじゃん!」
小柳「しかも喋るのかよ」
敵「私はパワーもスピードもありません。代わりに、知能・洗脳・念力が使えます。」
星導「今日のやつらが妙に連携取れてたのはあなたが操っていたからですね。」
敵「その通り。そして今ここに出てきたのは、取り引きをするためです。」
小柳「どうせ罠だろ。乗らねえよ。」
敵「そのリングは爆弾でして、私にしか解除できないんです。」
ゴソゴソもがいていた3人がぴたりと止まった。
敵「このまま部下全滅で帰るのはつまらないですし、かと言ってあなたと一対一では勝てませんし、この3人を使って取り引きをしましょうか。」
にこりと笑って星導を見つめる。
星導「え、なに?」
敵「私が用意したその円盤の上に乗ったまま10秒立っていられたらあなたの勝ち。3人を解放します。立っていられなければ、3人は爆破です。」
そういうと、地面に置かれたマンホールのような円盤を差し示した。
星導「はぁ〜、、 そんなのやるしかないじゃん」
伊波「やめろ星導!乗るな!」
小柳「オイ馬鹿野郎!行くんじゃねえ!」
叢雲「ラスボスてめぇ、何考えとんねん!」
皆が止める声を無視して歩き、敵の指示した円盤に乗った。
敵「躊躇いが無いのは素敵ですね。私も負けたくないので、あなたがそこに立っていられないよう邪魔します。自分で10秒カウントしながら耐えてください。」
嫌な予感しかしなかった。
今すぐにでも立ち去りたい。
仕方なく立ったものの、敵の前で無抵抗で10秒棒立ち。耐えろという事は攻撃してくるのだろう。
きっとひどく長く感じる10秒だ。
星導「いーち。にーい。」
カウントを開始する。
敵はニヤリと笑う。
目を細め、指をパチンと鳴らした。
伊波「星導逃げろ!!」
星導「さーん、ぐっ、、!!!」
小柳「星導!!!」
3とカウントした直後、どこからか3本の矢が飛んできて、星導の身体を貫いた。
敵「カウントは続けてくださいね。」
叢雲「てめぇ!ズルいやろ!」
星導「、、よーん。、ごーお。、、」
矢が刺さったまま、なんとか倒れないよう耐えつつ、カウントを再開する。
敵「どんどんいきますよ。」
敵は右手をスッと斜めに振り下ろした。
すると星導の右上から左下へ、斧のような物が飛んできて、胴をザクリと切り裂いた。
星導「ゔっ、、、」
伊波「もういい!星導!そこから逃げろ!!」
伊波の悲痛な叫びが響く。
星導「、、ろーく、、なーな、、」
満身創痍なその体は、もう立っていることも限界だった。俯いていて表情は分からないが、息も絶え絶えに小さく震えている。
小柳「早く逃げろ!死ぬぞ!」
小柳は走り出し、体当たりで星導をその場から逃がそうとした。
しかし敵は小柳の足を蹴り、あっさりと転ばされる。
転んだ小柳の背中を敵が踏みつけ、身動きも取れなくなる。
叢雲はこの悲惨な状況に愕然とし、口をパクパクさせているが声も出ない。
目の前で仲間が殺されかけているのに、自分は何もできない。
呼吸と鼓動が早くなり、身体は震える。
敵「しぶといですね、そろそろ終わらせましょう。」
人差し指を星導に向けた。
その瞬間、大きめのナイフが星導の腹部に突き刺さった。
星導「ぐっ、、!!」
伊波「星導!!!」
涙を溢しながら伊波が走った、しかし足がもつれて何度も転ぶ。
叢雲は目を大きく開き、絶望の表情で地面に膝をついた。
3人の頭には「死」という文字が浮かんだ。
体に3本の矢、深い切り傷、大きめのナイフ。苦しそうな呼吸だけが聞こえてくる。
星導「ゴホッ、、ぐ、、ゲホっ、、!」
堪えていたが、口から大量の血が溢れ出た。地面をバシャリと赤く染める。
ついに変身も解けてしまった。
敵「ここまでのようですね。よく頑張りましたよ。もう倒れて結構です。」
伊波「星導、!!星導!!」
駆け寄ってくる伊波に、星導は手のひらで「止まって」のサインをした。
ゆっくりと顔を上げ、優しい表情で伊波を見た。
一瞬伊波は戸惑い、足を止めた。
伊波「もういい、、もういいから!!」
星導「、、はーち、、ゴホッ、ゴホッ、、」
カウントを続けたいが、体は限界を超えており、ぐらりと倒れそうになる。
小柳は悔しさで握りしめた拳に血が滲む。
敵「残念でした。私の勝ちです。」
小柳「くそっ!てめぇ許さねえからな!」
星導「きゅう、じゅう。、、俺の勝ちですよ。、、はい終わり。」
敵「、、、タフですね。耐えましたか。」
星導「さぁ、、みんなのリングを、、外してください、、。」
すでに気力だけで立っている状態だった。
今ここで倒れたら4人全滅させられる。
約束は守らせないといけない。
3人が解放されれば、あとは任せられる。
敵「負けましたよ。分かりました。」
何故か敵は星導に近付いていく。
小柳「てめぇどこいく?!話が違えだろ!」
そして敵は、星導の腹部に刺さっているナイフを握ると、ぐるりと思いっきり回した。
星導「うぐっ!!、、ぁ、、」
ついに意識を失い、地面に倒れ込んだ。
叢雲「やめろー!!!なにしとんねん!!」
叢雲は弾けたように叫び、敵に向かって走った。
敵は星導を抱き上げ、円盤の上に立つ。
叢雲が辿り着くよりも早く円盤はフワリと浮き、木よりも高く上昇した。
そして3人のリングはガシャンと外れた。
敵「約束は守りました。この人は私がもらいます。ヒーローであれど瀕死状態なら、私が操る事もできるでしょう。新しい部下をありがとうございます。」
敵はにっこりと笑い、3人を見下す。
敵「それでは皆さん、さようなら。」
小柳「いかせるかよ!」
敵は宙をフワフワと進み、小柳が追う。
伊波は叢雲に肩をかしながら追いかける。
小柳「散々舐めやがって!」
壁や木々を足場に、どんどん敵に高さを合わせ、ついに敵に届く距離に近付いた。
その瞬間、刀を抜いた。
小柳「抜刀!」
スパッと足場の円盤を切り壊し、敵は地面に落下した。
星導は小柳が受け止めた。
血だらけの身体を見て、
「無茶しやがって、、」と呟いた。
敵「いたた、酷いことしますね。」
小柳「うるせぇ!てめぇは今から斬り刻む。」
おいついた叢雲と伊波が星導を受け取る。
少し距離を置き、手当てを始める。
叢雲「ほんまに、、このタコ、、!」
伊波「もうこんな無茶しないでよぉ、、」
本人には声が届いてないだろうが、話しかけ続ける。
もしかしたら目を開けるかもしれない気がして。
すると本当に、星導の目がうっすら開いた。
伊波「星導!」
しかしその瞳は虚ろで、目が合ってるはずなのにどこを見ているのか分からない。
叢雲「星導?」
小柳「おい、どうした?」
小柳は敵をじりじりと壁に追い詰めて、今にも斬りかかろうとしている。
なにかおかしい。
追い詰めているのに、相手は怪しげな笑みを浮かべている。
3人の様子が気になるが、敵から目が離せない。
敵「言ったでしょう、私がもらうと。」
星導に向かって敵が手招きをした。
すると、地面に寝かされていた星導がゆっくりと起き上がった。
叢雲「おい!まだ止血できてへん!動くな!」
伊波「どこいくの?!」
ゆらゆらとした足取りで、敵の元へまっすぐ歩いて行く。
叢雲と伊波が左右の手を掴んで止めようとするが、全く止まらない。
その体でどうやってこんな力を出せるのか不思議なほどに。
叢雲「止まれ!どこいくねん!」
伊波「無理に動いたらダメだってば!」
星導は虚な目のまま、2人を引きずって無理矢理進む。
小柳は敵の首筋に刀を当てた。
小柳「てめぇ、あいつに何した?!」
敵「いいんですか?私を斬って。あの人がどうなってしまっても知りませんよ?」
小柳「チッ!!」
首に当ててる刀に力が入るが、そう言われると斬ることができない。
歯をギリリと鳴らした。
もう3人はすぐ側に来ていた。
明らかに様子がおかしい星導が、敵の目の前に立った。
手を引っ張っていた2人は少し距離を取る。
敵「あなた、ほしるべと言うんですね。ではほしるべ、このナイフで3人の首を切りなさい。」
星導にナイフを手渡した。
3人は星導から離れる。
伊波「そんなやつの言うこと聞かないよね?嘘だよね?、、」
敵「もう私のお人形さんです。フラフラですし、少し手伝ってあげましょうか。」
敵は素早く動き、小柳の背後に回ると、羽交締めにした。
小柳「離せ!なにしやがる!」
敵「さあ、どうぞ。」
叢雲「やめろ!!目ぇ覚せ!!」
伊波「やめて星導!!!」
ゆらゆらと小柳に近付く星導との間に、叢雲と伊波が割って入る。
星導は強い力で2人を横に突き飛ばした。
ついに小柳の目の前に立つ。
小柳「星導、、お前、、!、」
目を合わせると、そこには先ほどの虚な目ではなく、いつもの星導がそこにいた。
星導「もう大丈夫ですよ。小柳くん。」
敵「何っ?!」
その瞬間、星導はナイフを、小柳の後ろにいる敵の喉に突き刺した。
敵「カッ、、!、、ァ!!なぜ、、!!」
小柳「かかったフリかよ、驚かせやがって、、。」
叢雲「まじでオマエ、、タコがよぉ、、」
星導「ちょっとかかってましたよ。わりとすぐに解けました。俺人間じゃないし。」
敵は首を抑えながらグラグラと後退し、膝をついた。
首に刺さったナイフを抜くと、伊波に向かって投げようと振りかぶる。
叢雲「させるか!」
すばやく気付き、クナイを投げてナイフを弾き飛ばした。
小柳「抜刀!」
斬られた敵は声もなく、サラサラと砂のように崩れて消えた。
伊波「やっと、、終わったぁ」
今度こそ完全に終わった安心感で、伊波はぺしゃりと座り込んだ。
隣に座ろうとした叢雲に、星導が倒れ掛かった。
叢雲「なになになに?!」
星導「はは、、すみません、、限界かも、、ゴホッ、、、」
口から血が溢れ出し、ズルズルと地面へ沈んでいく。
叢雲がその上半身を支える。
叢雲「おまえだいぶヤバイやんけ!」
伊波「今、救急呼んだから!すぐ来るから頑張って!!」
2人は辛そうな星導の顔を見てサッと青くなった。
ホッとしてる場合じゃなかったと慌て出す。
伊波が足を伸ばして座り、腿を枕代わりにして星導を寝かせた。
小柳が応急処置で止血を始める。
改めて傷を見るとかなり酷かった。
小柳「おまえ、2度とあんなマネするなよ。こんな傷負わなくても別のやり方があるだろうが。」
星導「いやまぁ、、思いつかなかったし、、1番、、早いかな、、って思って、、」
伊波「死んじゃうかもって思ったよ。怖かったからもうしないで!」
叢雲「ほんまアホや、次やったら許さんから。」
伊波「うちらの約束ね!返事は?」
しんとした静寂。
すでに星導は気を失っていた。
都合が悪い時の狸寝入りかと思ったが、あまりに血の気の引いた顔をしていたので、誰もそんなツッコミなどできなかった。
小柳「こいつ、どんなタイミングだよ。」
と言いながら、星導の顔に付いている血を拭きとる。
叢雲「話は最後まで聞けや。」
伊波「でも、俺たちの為に頑張ってくれてありがとな。」
この言葉が本人に届いていないのも、案外良かったのかもしれないと思った。
(後日談)
ベッドの上で動けない星導の病室に、松葉杖の叢雲と、右腕骨折の伊波と、頭に包帯を巻いた小柳が集まった。
小柳「全然起きねえから死んだと思ったわ。」
星導「え、俺何日寝てた?」
叢雲「5日や!」
星導「えーやば。」
他人事そうに笑った。
伊波がビニール袋を掲げた。
伊波「お菓子買ってきたからみんなで食べよー!」
袋の中身をベッドの上に広げる。
小柳「なにこれ、知育菓子じゃん。誰の?」
叢雲「え、狼の。」
伊波「まじか!」
叢雲「頭のMRI撮る時に、機械入るの怖がっとったって、看護師さんから聞いた。」
小柳「誰が子どもだ!!あれマジで狭めぇんだよ!」
伊波「あ!カゲツそれ俺のチョコ!」
病室でワチャワチャし始めた4人は、通りすがりの看護師さんに叱られた。
星導「あーあ、怒られちゃった。」
あの時の話、あの約束、最後まで聞こえてたから、これからはもう少し、気を付けてあげますね。
コメント
4件
えっ、!?なにこれ凄すぎる!!ストーリーから展開まで何もかも好きです!!神作見つけちゃった!!!
ぐわーっ、、!!!!!すっごく楽しく読ませていただきました、、!!!!すごい没入感を得られたりでめちゃくちゃ感動させられました!!ありがとうございます、、(?)