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【盟友の守護関係 〜ファリソン・ブルー・
ソロ編】
今から約17年前、4月25日。
ファリソン家に可愛らしい男の子が生まれた。
その男の子は「ソロ」と名付けられた。
藤色の髪、長いまつ毛、淡いピンクの瞳。
その姿は絵のように美しい。
ファリソン家は代々プレイグ王国に仕える騎士の家系であった。
そのため、ソロが国家に仕えるのならば
“ファリソン・ネーシ・ソロ”になっていたのだが、
ソロはランに仕えているため“ファリソン・ブルー・ソロ”となっている。
ファリソン家の主、つまりソロの父はとても優しい人格者であった。
そのため、本人の意思に従い騎士になるかどうかが決められるようになっている。
ソロには兄が2人と双子の妹が居るのだが、その兄弟の中でもソロは剣に対して人一倍思い入れが強い。
その理由は、ソロが生まれて間もない頃である。
─────────────────────────
夕日が窓から差し込み、哀愁が漂うような時間の中、とある部屋は幸せな空気で満ち溢れていた。
そんな中で生まれたばかりの男の子は母親、父親、2人の兄にあたたかく見守られながらすやすや寝ている。
「本当に、元気に生まれてよかったよ。」
「えぇ、本当に…生まれてきてくれてありがとう。」
両親が微笑みながらそう言った。
そこに次男のタグモが「ねぇねぇ、名前は?」と少し興奮しながら聞いた。
「う〜ん…そうねぇ…」と母親のポタンが呟き、ふと窓の夕焼けを見た。
その夕焼けは紫、ピンク、水色、橙色があるようにも見える。その景色をみてポタンは思いついた。
「…ソロ。」
ポタンが小さく頷いた。
「ソロ。それがこの子の名前。いい名前でしょう?」
小さく微笑んだ。父親のマルブルが何故その名前にしたのか問いかけた。
「あの夕焼けの空、この子の色があるでしょう?
ソラ。一文字変えてソロよ。」
長男のシゾラが「なんで一文字だけ変えたの?」と聞いた。するとポタンが
「なんとなくっ!」と笑いながら答え、そこは笑い声で包まれた。
その笑い声が大きかったのか、ソロが目を覚まし息を吸い泣き始めた。
「あぁ、泣き始めてしまった、授攻があるだろうからこっちに寄越しなさい。」マルブルの元にソロが行き、ソロは小さな手足を動かした。
マルブルは瞬時に異変に気づいた。
「早く、早く|護攻診《ごこうしん》の授護を持った者を連れてソロを診てくれ!早く!!」
その様子を察知したポタン達はマルブルにどうしたのか聞こうとした、しかしそんな間もなく護攻診の者がやって来てソロを診た。
「どうだ?!この子…ソロに屈強と俊足の授攻は…?!」
護攻診の人が俯いて少し黙った。そしてすぐに話した。
「───屈強と俊足の授攻が…ありません…!」
その言葉を聞くと、マルブルは大きく息を吸い込んだが、その息は出さずに首を横に振った。
「死後の、授護は…?」
「あります。それと…習得の授攻があります。」
その言葉を聞くとシゾラとタグモが声を合わせて
「しゅーとくのじゅこう?」と言った。
それを見兼ねたポタンが「習得の授攻っていうのは、頑張れば頑張るほど他の人よりも沢山強く、賢くなれるのよ。それが、ソロにはあるんだって。」
「…これは、ソロの様子をよく見ていなくてはいけないな…。シゾラ、タグモ。」
マルブルが呟き、二人を呼んだ。
「ソロのことをよく見ていて欲しい。何が好きで、何が嫌いなのか。もう二人共、立派な兄なんだ。できるな?」
大好きな父にそう言われ、嬉しそうに
「「はいっ!!」」と声をあわせて答えた。
そしてその日は終わった。
ポタンのマルブルを心配する気持ちと、葛藤するマルブルを残して。
─────────────────────────
ソロが生まれてから約5年。
ソロが生まれた約3年後に双子の女の子、ネモとフィラが生まれソロも立派な兄になっていた。ネモとフィラは屈強と俊足の授攻持ちである。
兄弟の仲はとても良く、時々喧嘩もするがすぐに仲直りする。そんな仲である。
その仲が行き過ぎてもはやブラコン、シスコンと化しているようだが、本人達は知る由もない。
ソロは今日も母親似の微笑みを持ちながら剣を降っている。
そこに少し分厚そうな本を持ったタグモがやってきた。
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「あっ、タグモ兄さん!どうしたの?」
「ソロ、剣の練習楽しい?僕は剣よりも本を読むのが好きだからお父さんに本を沢山読みたいって言って辞めたけど。」
タグモはこの時7歳である。まだ幼いながらソロの様子を見守っている。
ソロは微笑みを崩さずにそのままの流れで答えた。
「タグモ兄さんは本が大好きだよね、でも僕は剣が大好きなの。ずーっと剣に触ってたいの!楽しいよ!!」
ソロは元気に言っていた。
タグモは「ふ〜ん、そっか。じゃあ練習頑張ってね。」
とだけ言って去っていった。
「タグモ、ソロはどうだった?」
影に隠れたマルブルが聞いた。
「剣が楽しいんだって。ずーっと触ってたいんだって。」
「そうか。タグモ、聞いてくれてありがとう。」
そう言われるとタグモはまた本を読みに行った。
マルブルはこうしてソロの様子をよく伺っていており、他の兄弟との比較によって剣を振るうのが嫌になるのではないかと心配していた。
(ソロ…もし辞めたくなったらいつでも辞めていいからな…。いつでもお前の考えを肯定するからな。)
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ソロが生まれてから約8年。
フィリソン家の兄弟、とくにシゾラ、ソロ、ネモは外で遊ぶのが好きで、よく探険と称して家の近くのワルドの森をよく遊んでいた。
あの日も、この3人でワルドの森を探険していた。
「ねぇねぇ、かくれんぼしよ!ネモが見つける係ね!いーち、にーぃ、さーん…」
ネモがかくれんぼを始め、間髪入れずに数えている。
「あっ、早くかくれなきゃ!シゾラ兄さんどこにかくれる?」
「教えないっ、ソロも自分で探してきな!」
そう言ってシゾラは目の前からすぐに消えた。
「…なーな、はーち」
「あっ、そうだ!いつもより奥にいっちゃお〜っと!」
そしてソロは後先考えずにいつもより奥の方に走った。
「きゅーう、じゅーう!!もーいーかーい?」
ネモが振り返るとそこにシゾラとソロの姿はない、返事も帰ってこないので「もういいってことだよね?!」と言って二人を探し始めた。
一方その頃ソロは見たことないの所まで来ていた。
そして霧がかってきて、隠れるのにはピッタリだと考えた。
ソロがいい感じのところを探していると前の方から人の気配を感じた。ネモでもシゾラでもない知らない人の気配。
「誰がいるのかな…?」
ソロは大量の落ち葉を踏みながら進んでいる。
ザッ
ザッ
ザッ
ソロが進む度に人の気配は強くなる。どうやらこちらを見ているようだ。
ソロが霧から出てくるとそこには
灰色がかった緑色の髪をもつ左目が薔薇の葉で隠れた子供が居た。
《あとがき》
読んで頂きありがとうございます。
プレイグ王国は、春斗が転移してアリアに出会ったとても大きな王国です。
次男のタグモと双子の妹のフィラは剣よりも本を選びました。
コメント
1件
うわあああ第9話読んだよぉぉ😭💕 ソロの生まれた日のエピソードが尊すぎて泣ける…!夕焼けの空から「ソロ」って名前をつけたお母さんのセンス、めっちゃロマンチックじゃない?!でも授攻がなくて「習得の授攻」だけって…ソロくんこれからどう成長していくんだろうってドキドキしたよ。最後の霧の中の謎の子ども、気になりすぎるっ!!続き早く読みたいよぉ🥺✨