テラーノベル
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⚠️インターン×シークレットエージェント、ぴゅあぴゅあ…?インターン、巻き込まれるバーニー、若干不憫な経理のロン、キャラクターの本名など個人情報の捏造。
「こんばんは、友よ。コーヒーを…えっと、何をしているんだい?」
バーニーは受付に書類を広げて一枚一枚とにらめっこしているインターンを見下ろして訊いた。その声を聞いてインターンは顔を上げる。
「あ、バーニーさん!こんばんは!」
バーニーがぶちまけられている資料を見ると、それらはすべてシークレットエージェントの履歴書だった。どれも異なる言語、内容で書かれている。
「あのね、シクちゃんについて調べてるの。」
「シクちゃん…ああ、あの黒猫の。どうしてだい?」
「僕シクちゃんの事大好きだから、もっとシクちゃんのこと知りたいなって思って。」
「なるほど…」
まっすぐだ。まっすぐな理由だ。しかしまっすぐすぎるがゆえに本人は方向がそれていることに気付いていないようだ。
バーニーは書類に再び視線を落とす。明らかに一インターンが手に入れて受付に広げていいものではない。嫌な予感がした。
「ところで、これらはどうやって手に入れたんだい?」
「えっとね、今ロンさんが部屋8にいて、麻酔で眠ってるんだけどね。」
その時点でバーニーの嫌な予感は確信に変わったも同然だった。
「トップシークレットって書かれた鞄の中探したらシクちゃんの履歴書あったから今見てるの。」
「…それ、大丈夫なのかい?怒られたりとか…」
「大丈夫大丈夫!まだロンさんが起きるまで時間あるし!さて、シクちゃんの本物の履歴書はどれかな…」
インターンは作業に戻った。一つ一つ確認していく。
英語、違う。文法が完璧すぎる。
フランス語、違う。字が写したように綺麗すぎる。
ドイツ語、違う。出身地欄に書かれているのは存在しない地名だ。
イタリア語、違う。シクちゃんは僕より年上だ。
インターンが異常なまでの集中力で用紙一枚一枚と向き合っている様には言葉では表現できない微妙なおぞましさがあった。人殺しを難なくこなすバーニーでさえそう感じた。
ロシア語、違う。筆記体に見せかけた適当な曲線だ。
ポルトガル語、違う。文章が途中で途切れている。
韓国語、違う。存在しない苗字だ。
中国語、違う。でも近い。漢字の使い方がそれっぽくない。
日本語…
インターンの目が細まる。愉悦で満ちている。
「これだ」
「見つけたのかい。」
「うん!」
他の履歴書を雑に払いのけて、本物らしき一枚をじっくり見る。
「…」
「…」
沈黙が落ちた。静かだった。
「…バーニーさん、日本語読める?」
「いいや、さっぱりだ。」
「うーん…」
インターンがスマホを取り出し翻訳アプリを開こうとしたその時だった。
「インターン!!!」
いむと
7,519
4,913
49
ぬぶナノダ
37
廊下の奥から怒鳴り声が聞こえる。鬼のような形相で手術直後のくせに走ってきたのは経理のロンだった。
「やっべ」
「ほら言わんこっちゃない…」
「僕のアタッシュケースから何を盗んだ!!!」
「シクちゃんの履歴書…」
インターンが渋々白状すると、ロンはぴたりと固まり、安堵したように胸をなでおろした。
「…それ以外は何も見てないな…?」
「見てないよ。」
「そうか…じゃああいつの履歴書返せ。言っておくがそれはすべてフェイクだぞ。」
「え…」
「ほら返せ。」
「えー」
「返せ。さもなくばハーロウさんにばらすぞ。」
「はぁい…」
ハーロウ医師を引き合いに出されるとインターンは弱い。彼は観念してロンに書類を返却した。
「まったく…今回は見逃すが、二度とこんなことするなよ…次はないからな。」
警戒はまだ解けないようで、ロンはインターンを睨みながら病院を出て行った。目の前で繰り広げられた怒涛の展開をただ見ているだけだったバーニーがちらりとインターンに視線を向ける。そして見た。彼のスマホに、日本語で書かれたあの履歴書の写真が写っていることに。
「…友よ、それは」
「フェイクだったら、あんなに頑なに返せとは言わないんじゃないかな。」
「インターン…」
「写真撮っておいてよかった…ほんとの名前で呼んだら、シクちゃんびっくりするかな…」
その言葉を皮切りにインターンは黙った。すべての関心はスマホが翻訳した文面に向いている。
好奇心か?友情か?愛か?どちらにせよ、歪んでいる。まっすぐな想いであるはずなのに、明らかにおぞましく、しかし澄んだ湖のように、歪んでいる。
バーニーは何も言わなかった。言えなかった。自分も殺人という大きな秘密を隠している身。そんな自分を棚に上げてインターンの異常性に指を差すのは虫がよすぎる。何も言わないことにした。友として。
「おい、さっき騒がしかったが…」
一般病棟のほうから件のシークレットエージェントがやってきた。患者の治療を終えたようで、疲労がわずかではあるがにじみ出ている。
「やあ、友よ。」
「…こんばんは。何があったんですか。」
シークレットエージェントの声を聞くと、インターンの耳がピンと立つ。ワクワクしている証拠。彼は満面の笑みで振り返る。
「お疲れ様!シズク!」
不格好な発音。シークレットエージェントは最初こそ何が起こったのかわからないと茫然としていた。しかし、気づいたその瞬間、毛が逆立ち、瞳孔が狭まる。
バーニーは呆れたように溜息をついた。
コメント
5件
あっ直球に言うね!それ、えっっすぎ!!!()動物病院いいですよねぇぇ…。仮説の中でインターンアノマリー説がだいすこです……🫶🫶🫶
「歪んだ愛」じゃなくて「歪んだ純粋さ」……えぇッ!?初めて見た!!✨これは最高デス👍
みぅです🤍🥀 第4話読ませていただきました〜! インターンくん、執着が凄くてちょっと怖いけど、その歪な純粋さが逆に愛おしい…📘🤍 「フェイクだったらあんなに頑なに返せとは言わない」って冷静な推理も光ってたし、バーニーが何も言わずに見守る“友として”の距離感、すごく好きです。 そして最後の「シズク」呼びで固まるシクちゃん…続きが気になりすぎる🕯️