-凛side-
今日は疲れた。
普段は行かない駅ビルのあるところで降りる。
まだ学校に必要なもの、足りてない。
それを購入しに行かなければならない。
めんどくさい、と重い足取りでホームの階段を登る。
人も多いし、酔いそう。
必要なものを買って、早く帰ろう。
改札を出て少し行ったところで、なんだか聞いたことのある声が耳に飛び込んできた。
「…待ち合わせしてるんで」
ナンパか?くだらない。
でも…
あの制服とあの顔、声、
クラスメイトの…
いや、やめておこう。待ち合わせしてるって言ってたし。俺、関係ないし..。
余計なことには首つっこみたくない。
それに…女は嫌いだ。
でも…
雪「はるちゃん、凛のために怒ってくれたんだよ!」
雪斗の声がこだまする。
…。
それにクラスメイト見捨てるやつって…
うん、雪と蒼が聞いたら怒る。
それに何かあってからじゃ後味悪いのも事実。
凛「…お待たせ」
これでいいんだっけ…。
待ち合わせしてるって言ってたけど、まあ助ける口実だし。今だけ。
は「!!?」
クラスメイトの島村は驚いた顔をしている。
俺って気づいてない?あぁ、眼鏡…
ナンパしてたやつが何か言って去っていった。
不安に満ちていた島村の瞳は、安堵したようにこちらを見つめる。
は「あ、あの…」
なんで。
凛「…なに」
俺に関わるな。
は「…!すず、かぜ…くん」
気づかれた。
は「女嫌いなのに、どうして」
凛「女は嫌いだ。」
今も、嫌い。
凛「でも」
でも
凛「クラスメイトを見捨てるようなやつにもなりたくない」
なるつもりも、ない。
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