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ある世界で、我ら人類の生活は賑やかとなった宙に浮き走行している車や電車高いビルが立ち並び、有名人をモデルとした化粧品や新たなゲーム発売などのCMがズラリと流れる
街中を歩いてみれば犯罪も事故も一切なく人々の賑やかな声だけが聞こえる
泣いている声なんぞ聞いたことがない
これが我らの住む世界怒っている所なんて見つかれば即牢獄行きだろう
そんなことを思いながら私は街中を歩く
夜の街中でも賑わっているそんな中、隣で一緒に歩いていた彼女が私に声をかけた
「ねぇねぇ深琴(みこと)。この後飲みに行かない?1度もあんたと飲んだことないしたまには行こー?」
彼女は滌羽 紗矢(あらば さや)
仕事では同僚で私の友達として接している人物
「ごめんだけど今日も難しいかなぁ…私の事情知ってるでしょ?」
「分かってるよー。またあの依頼頼まれたの?」
彼女の言っている依頼というのは”暗殺”のことである
私たちがやっている仕事表ではオフィスで働く会社員だと言っているが裏は暗殺者
それ故、高額な収入が入る今日もまた朝から晩まで仕事をするのだ
「そうそう。今日も夜だから難しいんだよねぇ…」
「朝昼晩ずっと任されるなんてよっぽど会社から信頼されてるんだねぇー深琴は」
そう私に関心しながら話す紗矢
「じゃあ私はこの辺でー!一人で飲んでくるわ」
「程々にしなさいよー?」
私がそう小さく注意すると彼女はハイハーイと棒読みで帰ってきた
どうせまた多く飲むつもりなのだろう
そう思いながら私は自宅まで向かう
「……人間というのは不思議だな」
そうボソッと呟きながら歩く
『通達、No.1250の活動記録を求む』
突然脳内での通達が届いた私は口には出さず心で返事をする
《現在帰宅中の為、少々時間かかります。遅れてしまい申し訳ありません》
『構わない。直ちに帰還せよ』
《承知しました》私の名前はNo.1250深琴などはただの偽名だ人間のふりをして過ごしているアンドロイド
いや正確に言えば本来の仕事をしているだけ
人類はアンドロイドなど居ないと思って過ごしているだろう
世間では全てのアンドロイドを破棄し、揉み消しているのだと知られているが私たちアンドロイドはいくらでもいる
それも人類の身近なところにねより人類は私たちのことを人間だと思い込んでいるらしい
可哀想なことだ
アンドロイドは国から機密生産されており、人類の安全を任されている
人類で言う警察に当たるようなもの
1部のアンドロイドには暗殺などに使う物もあるのだとか
まぁ私にはそんなこと関係ないが家に着く部屋に入ればそこは落ち着いた女性らしい部屋玄関の鍵を閉める
荷物を置き電気をつける為ボタンを押した
すると部屋はみるみる変わり、壁は裏返されるとサイバーと化し、また床もサイバーと化そして様々なモニターやパネル、あらゆる武器がずらりと並ぶ物などが出てきた
これがアンドロイド達の一般な部屋である人類にバレないように出来たもの「……隠蔽解除を要請」
私がそういえば人間の姿をしていた私の体が変化し、元のアンドロイド姿へと戻った
もちろん服は収納していつも着ている黒カラーのサイバードレスに着替える「今回の任務もそう変わらなかったか。とりあえず報告をしなければ…」
アンドロイドはいつものように報告をする
今日も安全だったか
不備はなかったのか
トラブルはあったかなど
私は薄い電気キーボードを使い報告を行なっていた
──私の仕事は暗殺者でもあり国民を監視する者でもある
暗殺は悪人どもをちゃんと排除しているのだろうかという確認の為でもあるのだ
正直人間のことなんぞ興味は無いがなそんな時、本部から珍しく司令が来る
『全アンドロイドに通達する。君たちに……』
“アンデットと化した人類を滅ぼせ”