兵庫との戦いは続いていた。
「はぁ……っ、はぁ……っ……!」
鳥取の息は荒く、全身は汗と砂にまみれていた。
それでも、彼の目はまだ輝きを失っていない。
「ふん、しぶといな。」
兵庫が薄く笑う。
「けどな、それだけじゃ勝てへんぞ。」
大阪が腕を組み、余裕の表情で言う。
鳥取は拳を握る。
(このままじゃダメだ。普通に攻めても、兵庫さんには通じない……!)
大阪との修行で得た「砂丘での動き」は、確かに有効だった。
だが、兵庫はそれを上回る対応力を見せつけてくる。
(……なら、もう一つの”武器”を使うしかない!)
鳥取は一歩、前に踏み出した。
「……?」
兵庫が目を細める。
その瞬間——鳥取の体が砂に沈むように傾いた。
「ほう?」
兵庫がわずかに驚いた表情を見せる。
鳥取の足は完全に砂丘と同化し、”滑る”ように兵庫へ接近する。
大阪との修行で学んだのは「砂丘を制すること」。
なら、ここを戦場にする限り、俺の動きはさらに進化できるはず——!
「……おもろいやん。」
大阪がニヤリと笑った。
「けど、甘いで。」
兵庫の拳が鋭く振り抜かれる。
——その一撃を、鳥取はぎりぎりでかわした!
「っ……!!」
鳥取の拳が、兵庫の腹部を狙う。
「……!」
そして——
ドガッ!!
鳥取の拳が兵庫の腹部に当たる——寸前で止まった。
「……そこまでやな。」
兵庫の手が、鳥取の肩をがっちりと掴んでいた。
「ぐっ……!」
「惜しかったな。あと一歩……いや、半歩ってとこや。」
鳥取は歯を食いしばりながら、それでも笑った。
「……当たりそうでしたよね?」
「せやな。」
兵庫が満足げに頷く。
「ようやく”戦い”になってきたわ。」
その言葉に、大阪もニヤリと笑う。
「ほな、ここからが本番やで、鳥取!」
鳥取の修行は、まだ終わらない。
だが——確実に、成長の手応えを感じていた。
〈続く〉
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