「ねぇ、はやくっ!!」
「急ぎすぎや、まてって」
「だって、急がないとバレちゃうじゃん!」
『おい、そこに誰かいるのか〜!』
「やばいっ、はやくにげ… 」
「…まろ?」
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
『おめでとうございます。ないこ王子。』
『いや、ないこ陛下。』
桃「ああ、ありがとう。仕事に集中をしたいから少し席を開けてくれるかい?」
『ええ、勿論です。』
『いやはや。ないこ陛下はなんとも優秀なお方だ。これからの国の未来が明るいですぞ。』
桃「…そうか。それならよかった。」
仏頂面で返事を返し、堂々とした姿で椅子に座る陛下は、昔とは比べられないほど変わり果てていた。
引き締まった体つきをした逞しそうな男は部屋を出たあと、小さな声で 『…3年前とはまるで別人のようだ。』と呟いていた。
…それを、ないこ陛下は聞き逃さなかった。
桃「(昔のことなんて今となっては気にしてなんかいない。…俺がこの国を正していかないと。)」
少女『ねぇ、おぅさま!』
桃「…!…どうしたの?笑」
少女『おうさまはいま、しあわせ…?』
桃「…幸せだよ。笑」
桃「ほら、お母さんのところに戻ってあげて!笑」
少女「ぅんっ!!おうさまっ!ばいばぁ〜い笑!!」
そう言って少女は嬉しそうに笑い、母親の方へと戻った。
幸せ…
俺は今、幸せなのだろうか。
まろがいなくなってから俺はどこか心にぽっかり穴が空いてしまったようだよ。
空いた穴はね。誰かが埋めてくれないと塞がらないんだよ。
せっかく誰かから貰った暖かい言葉も空いた穴によって抜けてしまう。
あの日。あなたはこう言ったね。
「俺は ないこと一緒に生きれない」と。
3年前。君と初めて城を抜け出した日。2人でどこか遠いところに行って一緒に過ごそう。
そう決めたはずをなのに、
君は自ら城の人達に捕まりに行った。
どうして?そんなの分からないよ。
ただ、ただ君の最後の一言が「愛してる」だったことが俺にとって1番許せなかった。
なぜ最後にそんなこと言うんだ。
だったら最初から、俺の事を愛しているんだったら。一緒に逃げたら良かったじゃん。
なんで。
今でも頭の中に残っているのは、血だらけになり横たわっていた君の姿。
一緒に逃げれていたら、君が殺されずにすんだのに、
俺を外に連れ出すように仕向けたんだとか。捕まったあとのまろへの罵倒は物凄く棘のあるものだった。
それでも彼は決して泣くことはなかった。
なんでそんなことをしたのか。
たぶん彼は多分知っていたからだろう。
俺が何よりもこの国が好きだということを。
だけど、俺が外に出てまろと暮らしたいというのも本当だった。
国のことは好きだけど、俺は王子としてではなく、普通の市民として幸せになりたかったんだ。
それだけは 本当だったんだよ。
もう何もかも取り返しがつかない。
ただ、君がいないこの世界で、俺はこの国の王子として役目を遂げ、また君に会いに行くよ。
それまでは、さようならだね。
城方面へと歩き、見るからに重い門を通った。
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
もうちょっと感動する話になるはずでしたんですけどね。
なんでだろ
青は国での桃の幸せを望んだんだね
あ
たでーま✌️
コメント
2件
青桃ッ きゃわわ すぎる 青さん 居なくなって 桃さん 落ち込んでる? の 可愛すg((失礼しました