落ちた花が気になるのはだめですか?
※整地組(左右無)
※微曲パロ
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sm, side
sm, 「…はッ?」
たった一つ。
たたが一枚の写真だった。
そこに映っていたのは女と見たこともないほど楽しそうに笑う彼氏だった。
sm, 「…なぁ、これ誰?」
kr, 「ん?あー、これ?」
kr, 「元カノだけど…」
彼の口からすらっと出てきたその言葉は貴方からすれば酷く心を締付けるものだった。
sm, 「楽しそうだな…」
kr, 「え?なに?怒ってんの?」
あからさまに不貞腐れたような声色で言うといつも鈍感な彼でもさすがに気づいたようだ。
sm, 「…別に」
kr, 「はぁ、いや昔のこと言ったってしょうがなくね?」
kr, 「戻る訳でもないんだし」
sm, 「は?」
別に言い訳をして欲しかった訳じゃない。
昔の女を蔑ろにして欲しかった訳でもない。
ただ慰めて欲しかった。
今はお前が1番だよ。
ただそれだけを言って欲しかったのに。
彼の性格上、貴方は望んだ回答は得られなさそうだった。
sm, 「別にそんなんじゃないから。」
kr, 「じゃあなんなんだよ」
kr, 「なんでそんな怒ってんの?」
sm, 「…」
kr, 「…そうやって過去の事一々言うのめんどくさいよ。」
kr, 「今はそいつの事好きじゃないんだしさぁ」
だめ。
感情的になったらだめ。
そう言い聞かせても体は言うことを聞いてくれない。
sm, 「ッなにその言い方」
sm, 「俺は別に過去の事無かったことにしろとか、こんな写真捨てろとか、そんなの言ってないだろ…」
kr, 「言ってんじゃん」
彼の冷たい視線が。
動作が。
写真の彼とは真反対で…
今より昔の方が良かったんだろうな。
って、そんな事考えてたら不意に目が揺らんでいた。
sm, 「言ってねぇよッ!」
sm, 「俺はただ慰めて欲しかっただけッ…」
kr, 「は、?」
kr, 「泣くことじゃないだろ…」
sm, 「…部屋もどる」
kr, 「えちょッ…スマイル!?」
知ってた。
分かってたんだ。
彼はモテるから、彼女も居たこと。
それと、
男より女の方がいいことも。
だけどそんな事考えたくなくて、ずっと無視して盲目的に彼を見ていた。
でもそんな現実逃避も今日で終わりだ。
sm, 「…こんな感情亡くなったらいいのに」
コンコンッ
木製のドアから陽気な音が2回ほど…
音の正体はもうわかっていて、
kr, 「…スマイル?」
sm, 「なに、?」
kr, 「…ごめん、な」
kr, 「俺は、スマイルが1番好きだから…」
kr, 「お前の塩対応とか、意外と嫉妬深いとことか、全部好きだよ。」
kr, 「分かってやれなくてごめんな。」
あぁ、彼は狡い人だ。
本当は…彼に恋したことをずっと後悔してたから。
ずっと友達なら良かったのにって、ずっと思ってたから。
なのに彼はあんな一言でそんな感情を忘れさせた。
許したくない…だけど、許したらきっとまた一つ大人になれる気がした。
この選択が正しいかなんて分からない。
だけど、俺はずっと彼の見せる光に包まれていたかった。
コメント
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はねちゃん生きてた良かった‼︎ 整地最高過ぎる、、、!元カノ系の話書いて見たかったんだけど、難しくて断念してたからめちゃ上手くて尊くて尊敬でしかない、まじでこれからもずっと推します🥰