テラーノベル
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煙草は、喧騒。
煙草は、感情。
けれども、有害。
ニコチンは、瞬く間に依存させ、
タールは、病気を集め、
一酸化炭素は、息を止める。
そんな闇に焦がれる、自分が居る。
今日も吸う。
同じ銘柄、同じベランダ、そしてライター。
指先に伝わる熱より先に、肺が覚えている。
口の中に不純物が広がって、一言、
____不味い。
初めて吸った時からそうだった。
喉を焼いて、胸の奥の奥がざらついて、後味も最低で、最悪で。
でも、止められない。
『 ……だから、嫌いなんだよ 』
煙を吐き出す。
灰色は、俺の心を代弁しているようで、少しだけ憎らしい。
思わせぶりな言葉を投げてくる処。
勝手に人の陣地に踏み込んでくる処。
大事な事程冗談と云って笑う処。
全部、全部……大嫌いだ。
フィルターを噛む癖も、
火を点ける時機も、
憎らしい程、彼奴が最初に邪魔をしてくるんだ。
『 ……大ッ嫌いだ…… 』
嫌いと一緒に灰を飲んで、吐いて、
それを往復すれば、心は落ち着く。
……当たり前だ。
「代用品」なら、無理にでもそうしてくれないと困る。
『 其れが、善いンだよなァ…… 』
此奴は必要以上に賢くない。
だから善い。
気付いているのに気付かない振りをしたり、
判ってるのに突き放したり、
そんな事はしない。
口に含めば同じ味。
息を吸えば同じ匂い。
____其れが、救いなんだ。
『 手前みたいに、厄介じゃねぇ 』
ふっと笑って息を吐くと、視界が曇る。
一瞬だけ、誰かの面影が見えて、誤魔化すように舌打ちをした。
違う。
之は彼奴じゃない。
判ってる。
判ってる、だから____
『 ……だから、嫌いなんだよ、 』
外套に染み付くのは、何時もの匂い。
苦い、苦い、辛い、煙。
もし、いつか、この匂いを____
……否、考えるのはよそう。
嫌いだと、云えなくなるから。
コメント
3件
なんかむず痒い!!けど大好きな話 たばこって簡単そうに見えて全部在り来りな話になっちゃうのにふわのは見たことなくてすごい
胸の裏側に熱湯注ぎ込まれたみたいな苦しさが残るのに、その熱に縋ってしまうような、、、言葉にできない良さが溢れてる…! 愛してるレベルで好き、、絵文字使う余裕無いくらい好き…!!
一言しか言えないけどほんっとうに語彙力が神