テラーノベル
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遥かなる宇宙、星が生まれまた消えていく。
今ここに、まさしくこの無の世界に一つの宇宙とそこにしか存在しない新たな恒星が誕生しようとしていた。
銀河系宇宙にあったカス雲がブラックホールに吸い込まれたかと思うと、銀河系を離れ、その時空は消え去り、ガスそのものにブラックマターエネルギーが衝突、白色爆発が起こり、超新星が生まれ出たその宇宙は、暗闇ではなく、白色宇宙へと進化したのだった。
「|北斗(ほくと)、何してん。そろそろ行くで。どんくさいやっちゃなぁ。そんなもんに時間かける暇ないで。」
「じゃかぁしぃわ!この馬鹿たれは、許せへんねん!後は4年のクソガキだけや、哲(てつ)、お前一人でええやろぅ。」
「何ゆうてケツかんねんな!もとはといやぁ、おめぇの喧嘩やで、なんで俺が10人倒して、おめぇが1人やねん。」
「アホ、てめぇが倒したのは雑魚バッカやろ、俺が今やってんのは親分やで、どっちが幹部になれんねん。」
「かぁー、胸糞わりぃやっちゃなぁ。四の五の言わんとちゃっちゃっとやってや。」
大阪住吉物理工科大学校、1年生の芝浦(しばうら) 北斗(ほくと)、酒見(さかみ) 哲(てつや)の二人はこの地、住吉に根付く三(さん)魁(かい)鬼(き)連合の総元締め、矢来(やらい) 夢遊(むう)と戦い大阪一の喧嘩師になるため、様々な強者(つわもの)と戦い続けている。
北斗が、頭突きで気絶状態にしている相手は、この大学のナンバー2、彦(ひこ)鍬(すき) 渉(あゆむ)。
彼はすでに、顔面血だらけで、すべての歯は折れ、口から泡を吹き、さらには蒼白状態だった。
「もうやめとかんと、死ぬるでよ。」
「あっ・・・あかん、舌、出てきたわ」
アーステクノロジー開発研究所。
「P-URM1001、解析終了。核融合正常に機能しました。ブラックマターエネルギー解析装置に転送します、」
「・・・」
「データ遅帯中、データ停滞中、停滞中・・・・・・・・・・・・・・メルトダウンします。」
「くそっ!」
「くそっ!」
「またか!」
「ブラックマターは、なぜ解析できないんだ!現物があるというのに!」
「条(じょう)ノ(の)一(いち)、もう一度だ。今度は、核融合の度合いを上げろ。100トンクラスのエネルギーでやるんだ。」
「所長、そんなことをしたら、研究所どころか、この美しい星、地球そのものが消滅ないし白色爆発してしまいます。」
「うるさい!やれと言ったらやれ!お前を雇ってるのはこのわしだ!」
「は、はい…。」
「核癒合エネルギー、マックス値、チャージ。」
「融合開始、融合開始、データ解析スタート。」
「遅滞中、停滞中、停滞中・・・・・・・・・・・放射能値、危険数域突入、デンジャー、デンジャー、AIシステム停止、手動切り替え、危険、危険、危険・・・・」
「ボン!……………………ド――――――――――ン!」
暗黒の宇宙に、赤色爆発が起こった。
その瞬間だった。
銀河系の宇宙の領域が一瞬消え、マルチバースの壁が解き放たれた。
いくつもの異宇宙から数個の星がブラックホールを抜け銀河系の中に入り込んできた。
そして、この地球も、赤色爆発の衝撃とブラックホールの時空のずれにより新たな時間と空間を作り出すことになった。
そして、他宇宙から吹き飛ばされた一体の生命がこの生まれ変わった地球に舞い落ちてきたのだった。
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