コメント
2件
クッ…… 過激キヨリスナー絶対〇す タヒね タヒねタヒねタヒねタヒね
第17話【しんぱい】
キヨとの水族館デートは終わり、手を繋いで帰っていると、突然背後から
「キヨ」
という、可愛らしい声が聞こえてきた。
突然名前を呼ばれたキヨはビクッと驚いた反応をみせ、思わずクスッとなった。
ーここからキヨ視点ですー
突然名前を呼ばれビックリしたけど、すぐに体勢を元通りにして名前を呼ばれた方角をみるとそこには小さな女の子が立っていた。
「キヨのファンかな?」
ゆいがそう声をかけると、ゆいの方を見て女の子は睨みつけた。ゆいはポカンとして女の子をみたが、すぐ女の子は眼差しを俺の方に向け、目を輝かせた。
「キヨ、なんで浮気したの?私、ここまで追ってきちゃった。本当に会えたのはビックリしたけど…。遠距離恋愛やっぱり嫌だった?ごめんね、これからは同棲しよ?家も買ったよ。ほら、そんな女は捨てて帰ろうよ 」
『は?』
俺は唖然とし、ゆいも同じように、口を開けて女の子を見ていた。
何を言ってるんだ?こいつ。
「き、君、リスナーだよね…?キヨとはそういう関係、ない、よね、?」
『俺こんな女知らん。…だれ』
「酷いよキヨ…東キヨドームも行ってグッズも沢山買ってここまで尽くしたのに!!!私のこと忘れたの?しかも、私18歳だよ。そんな子供扱いしてくる女、キヨとは合ってない 」
「っ、…」
『ヒロイのこと悪く言わないでくれる?俺のリスナーだよね?だったら俺の言うこと聞いて。今すぐ俺たちの前から消えてくれ。俺、過激女は無理だ。』
ヒロイは下を向いて拳を握り、目尻に涙をためていた。
この女、たしかにドームで見た気がする…。この女の周り、誰もいなかったから分かりやすかったな。相当、ヤバいやつなのか…。
厳しく言わないと、去らなさそうだと考えた俺は、キツめな言葉で注意していたが、それでもそこから動かず、周りの道行く人は修羅場かと思って離れていっていた。
「キヨ、そんな事言わないで。私、キヨの彼女、だよ…?悪いのはそっちなのに私がなんでこんなに言われなきゃいけないの?」
「キヨ、…帰ろ、?」
『うん、帰ろうか』
帰ろうとした時、女はバッグから凶器(小型ナイフ)を取りだした。
「ヒロイっ、…私のキヨに触んないで!!!」
女は、ヒロイに向かって凶器を振り被せた。
なにかが、プツンと切れた気がした。
「っ…!…、ぇ…?」
『おい、っ…。』
「あ、え、キヨ、腕、!」
『俺の女になにしてんの、お前…』
「あ…。ちが、…!私、女に痛い目見てもらおうとっ…、!」
「あの人、腕怪我してるよ」
「通報した方がいいよね…?」
「っ、!?…、」
女は、バッグを拾い上げて全速力で俺たちから逃げた。道行く人は安心したように俺たちに声をかける。
「大丈夫ですか…?」
「まってキヨじゃん本物…?」
「絆創膏あるよ。」
『いや、大丈夫です…ぁざす…はい 』
「え?なんて?」
「大丈夫ですよ。私がいるので。みなさんありがとうございます。キヨ、帰ろ」
ゆいは、最後まで俺を離さなかった。
『ごめん』
「私のセリフだよ…。腕大丈夫?」
『大丈夫だよ。すぐ治る』
「…ほんとにごめんね。…ほんまに…っふ…うっ…、…」
『そんな泣くほど?ゆいを守れたんだから俺は全然大丈夫だよ。でも今日はゆいがご飯作って欲しいなーっとか思ってたり』
「絶対つくる。」
『ふは、ありがと。』
腕の痛みは、ゆいの涙と笑顔で一瞬で和らいだ。
『いたたたたたっ!!!お湯!お湯痛い!』
「我慢して!一緒に入ってあげてることに感謝しなさい!!!」
無事家に着き、ご飯を作ってもらって食べたあと、お風呂に入ろうとするとゆいに止められた。俺がひとりで風呂に入るのが心配らしい。
夕方に起きた事件から、ゆいは俺に過保護になり、めちゃくちゃ尽くしてくれる。
『ゆいさーーーん。胸当たってますヨ』
「揉まないで。腕痛いんじゃないの?」
『んー、なんか治った』
「はや。」
『ゆいみてたら治る。』
「んふ、なにそれ。」
ゆいとお湯に浸かり、しばらく経った。
体がふやけてきたのを感じ、上がろうとするとゆいに止められた。
『なんだよ』
「ちょっと…タオル巻いてよ」
『別に見えていいでしょ。間近で見たんだから』
「ばっ……!もー!私先上がるから!!! 」
ゆいは早足で風呂をあがり、俺を置いてけぼりにした。
酷い。
『ねー、今日しないの?』
「昨日初めてしたばっかなのに…やっぱりヤリ〇ン、?」
『失敬な。ゆいが可愛すぎたからもっかいみたいの。』
「やだよ!てか腕怪我してるじゃん!」
『こんなの気にしないよ。ねー、しよーよ』
『………ちょっとだけだよ』
心は歓喜に満ち溢れ、ヒロイと共に布団の上に乗り、ゆいの服を脱がそうとした。
「電気消してよ」
『えー、昨日消したし今日は付けたいよ』
「裸見られるのは…」
『ゆいは初心だなーーー。大丈夫だよ。』
そう言って、俺はゆいの体を優しく抱きしめた。
「もう………今日だけだから、…ね。」
『やった。じゃ、脱がすよ?』
「………ん。」
ゆいに優しくキスをして、再びゆいを抱きしめた。