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「木葉さん、」
『ん?赤葦?』
「あ、はい。赤葦です。」
『どうかしたか? 』
「…あの、」
「怪我はどう?って聞いて!(小声) 」
「え~っと…怪我…は、大丈夫ですか、?」
木葉さんとの電話。
俺が話しているが、本当は木兎さんが木葉さんに聞きたいことがあったので、俺の横で、サポート(木兎さんはサポートと言い張っているが殆ど命令しているだけ)をしている。
『え、怪我、?』
「あの~、3年の人に、暴行されたと、聞いたので……」
『あー、そうそう、高田健二ってやつになー、ってか、誰に聞いたんだよ!?』
「スーッッ(息吸)え~っと…え~~~………」
「村人Cです?……!!!!!」
『は?』
まさに、は?だ。まさか、木兎さんに聞いた何て言って、そこから更に質問されて面倒くさい方向にいかせるわけにはいかないので、仮名を探したが、相当焦っていたのか、自分でもよく分からないことを言っていた。
『…はぁ、あ、今日木兎に会ったりした?』
「え”ッ……」
「あ……って、ません…。。 」
『マジか~…実はだな、俺を殴ってきた奴らさ、「木兎と同じにしてやるよ」って言っててさ、まさか、木兎も何かあったんじゃねぇのかって、思ったんだけどさ』
そのまさかだ。そのまさかの上にその3年はもう既にこの世に居ないだなんて言えるわけない。
「だ……大丈夫そうなら、いいです。では、また明日…。」
『…おー、また明日~』
プチッと言って電話が切れる。
木葉さんの勘が無駄によくて焦ったのと、電話中ずっと緊張していたから、謎に疲れた。
はぁ、と一息つくと、木兎さんが心配そうな顔をして、こちらを見てくる。
「…俺のせいで、ごめんね……赤葦に、迷惑かけた……」
「…別に、木兎さんのせいじゃありませんよ。元を辿れば木兎さんを苛めたあの3年が悪いんですし。それに、これくらいのこと、迷惑とは思いませんよ。木兎さんのためですから。」
俺が木兎さんの言葉にそう返すと、木兎さんは涙ぐんだ目で言ってきた。
「赤葦…ありがと。」
「…学校はどうするんですか?」
「明日…か。」
そう言うと暫く木兎さんは黙ってしまった。恐らく、どうしようか考えているのだろう。
「最後の部活に……行き、たい、。」
最後の方に声が小さくなっていって、答えたけれどまだ迷っているのだろう。
「じゃあ、もし辛くなったりしたら、言って下さい。」
「その時は?」
「その時は、一緒に帰りましょう。」
俺がそう言うと木兎さんは安心したように笑っていて、不覚にも俺はそんな木兎さんが可愛いと思ってしまった。