コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
片側の頬にざらざらとした土の感触を感じて、わたしは、はっと意識を取り戻した。
弾かれたように飛び起きると、目の前に広がったのは、頭上に昇るふくらみかけた月のあかりによって青白く照らしだされた夜の校庭の風景だった。
ひと気のない校庭は寒々しいほどに閑散としていて、車道を走る自動車の走行音だけが遠くに聞こえている。
わたしは一瞬、自分になにが起こったのかわからなくて混乱したまま、ぽかんとその場に座り込んで、必死に状況を思い起こそうとしていた。
この景色は見覚えがある。
間違いなく、自分が通っている高校の校庭だ。
自分は、なんでこんな夜に学校の校庭にいるんだっけ……。
たしか、少し前まで、夢みたいな綺麗な場所にいて、そこで――。
頭の中にあざやかに王宮の景色がよみがえって、それと同時に、紺色の髪の……レインが自分に向けてくれた少年のような笑顔を思いだして――その途端、わたしは彼の***************
*****
************
*****************************
*******************
**********************
************************
***********