テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
地区予選から三ヶ月本選に出場したクリムゾンは関東圏のチームとして表に名が並んでいた
修一朗たちは相変わらず練習に熱をはっていた
ただマネージャーの場に四葉の姿だけがなかった
四葉はクリムゾンが連携している関連会社の社員になっていた
入れ替わりに入ったのは八田だった
今のキャプテンは廉人だ
大会の初戦は西日本のチームとの試合だった
多少の壁がありつつもなんとか点差をつけての試合ができて、 コーチも満足していた
チームがピンチになったのは次の試合だ
相手はスピードタイプの関西のチーム
Lightning(ライトニング)
チームメイトはメインの5人だけだが大会には十分の素質を持ったチームだ
いつもの連携プレーを見せていたクリムゾン
しかし、そこにいた修一朗に衝撃が走る
「遅い」
相手選手が修一朗の椅子の片タイヤに当たる
「んはっ!」
回避が間に合わずバランスを崩し倒れる修一朗
「ぐわっ!」
「「シュウ!」」
健吾と八田が駆け寄るが修一朗は体制を替えて起き上がる
「ぜってぇ・・・負けねぇ」
息を切らしながら静かに言葉を放つと相手から即ボールを奪って自分たちのプレーを続けた
結果、勝利することは叶ったが修一朗はその場に項垂れた
倒れた衝撃と試合の厚い壁にぐっと体が重くなった
修一朗は意識を失いそのまま病院に運ばれた
ーーー
修一朗の病室に急ぎ向かう影があった
十馬だ
報告があり修一朗の病室に向かっていた
病室を見つけ、ノックしようとするとドアが開く
開いたドアの後ろに健吾が立っていた
うおっ!と驚く十馬に、静かにするよう促す健吾
健吾に誘導され部屋に入ると傷ついた顔でくぅくぅといびきをかいてベッドに眠っている修一朗とベッドに伏せて眠る流衣、反対側で車椅子にもたれて眠る廉人と輝生の姿が見える
(なんだ、この緊張感のない病室は・・・)
「呆れるだろ?でも、これが俺たちなんだ」
呆然とする十馬の思いを察するように言葉をかける健吾
「すげぇな笑」
あまりの雰囲気に笑う十馬
「ん・・・?」
「んぇん・・・せんぱい?」
十馬の声に反応するように流衣と廉人が目覚める
それに連携するようにあくびして目覚める修一朗
「ふぁあ・・・ん?とうま?」
「よう」
夢うつつ状態で体を起こす修一朗
「うっ゛いってぇ・・・」
試合後の肩の痛みに思わず身が縮む
「まだ、起きるなよ笑」
笑う健吾
「なんのようだよぉ・・・」
痛がりながらも眠気の残った声で十馬にきく
おっと、そうだったと流衣の隣に行く十馬
「お前らにお願いがあってきた」
「お願い・・・?」
次の十馬の発言に三人の眠気は一気に吹き飛んだ
「俺、昨日チームを辞めてきたんだ。俺をクリムゾンにいれてほしい」
頭を下げ懇願する十馬
「はぁ?」
「「えっ・・・」」
驚いて目を見開く三人
十馬は続けて理由を説明する
「俺、廉人とお前と試合して思ったんだ。あんなに楽しく思い切りなプレーをもう一度したいって、お前や廉人と並んでプレーがしたいって、お前らにとって俺が邪魔なのはわかってる。でもお前らと見たいんだ。全国大会のてっぺんを」
十馬の言葉に、修一朗たちの覚悟は決まっていた
「だめだね。お前みたいなエースプレイヤーが入ったらチームが食われちまう、何より俺が食われる」
「それは・・・」
直すからといいかけるが食いぎみに続ける修一朗
「それに・・・。俺たちといたら・・・お前もバカになる。今までのプレーなんてできなくなるぞ」
できなくなるという言葉に、一瞬顔を歪める十馬
「・・・。それでもいい。俺は今お前たちとやりたいんだ!」
決意の入った言葉に修一朗は笑う
「ははっ、いいのか笑お前なら迷うと思ってた」
じゃあよろしくと片手を差し出す修一朗
おう!とタッチする十馬
「いてて・・・」
痛がる修一朗に病室が賑やかになった十馬が入った準決勝はしっかり勝利できた
さぁ、次はいよいよ決勝だと意気込むクリムゾンだった
コメント
1件
読み終えた直後、胸が熱くなりました。修一朗が倒れた衝撃と、それでも「負けねぇ」と立ち上がる強さ——そこに十馬が「俺を入れてほしい」と懇願する展開がすごく良かった。病室の無防備な寝顔と、十馬の真剣な眼差しの対比が印象的です。「お前もバカになる」という修一朗の警告に「それでもいい」と応える十馬の決意、そして最後のタッチ。チームの絆が一気に深まった瞬間でした。このチーム、本当に強くなりそうで続きが楽しみです。
#友達
雪音(ゆきね)
32
Forth。
191