(このお話は物書きさんにお題という診断メーカーのお題からもらいました。ちなみに『花香る庭にて』or「唯一のお前の長所が今失われたぞ」だったので、両方採用します。そして爆速でかいたんで文はいつも通りおかしめ)
花が満開になる頃、彼は白くてピンクなお花を抱えていた。その後ろには、もう一人のガタイの良い男性、いわゆる不良がたっていて、その男は、彼を見つめながら、短い言葉を放った。
「ようは…すんだか?」
彼は男を見ようとせず、ただただ墓石を見つめて、「嗚呼」とかすかな声でいった。恐らく昨日は泣き叫んだんだろう。
「お前は…いいのか?」
彼はまだ男を見ずにお花を墓石の前に丁寧に置いた。
「嗚呼…平気さ」
男も彼に背を向けると、男は目を閉じただ彼との無言な時間を過ごした。
「なぁ」
風の音が鳴り止むと男は彼に話しかけた。
「…」
「帰ろうぜ」
男は彼の方へ向き、手を取ろうとした。しかし、彼は手を振り払った。
「いいよ…おれは…後でひとりでかえる…迷惑かけてごめんな…」
彼はしたを向き涙がぐっとこ上げ声を詰まらせた。男はため息をつき、彼の胸元を掴んだ。
「なぁ…お前は、こいつをどう思っていたんだよ、こいつのために頑張ろうと思わないのか?」
男は墓石を見つめて、彼に問いかけた。
「…姉であり、命の恩人だよ…亡くなってしまったのに…元気は出せないよ…」
彼も同じように墓石を見つめると、男はもう一度ため息をつき、彼の胸元から手を離した。
「へっ!お前の唯一の長所はたったいま消えたぜ」
男は彼を置いて、すぐに帰っていった。
いい匂いが漂った花の庭は、今となってはただの花の園地でしかなかった。
コメント
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今回もめちゃくちゃ良かったよ!!!! あー!!!?面白いね!! まぁ…大切な人が亡くなった時に どうなるかは人それぞれだもんね… でも、大切な人である本人からしたら 元気は出して欲しいと思うなー… 次回も楽しみに待ってるね!!!!