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「さぁ、私に何を言いたいのかね。」
ダグラスは広がる景色に目を奪われていた。
「その…彼は……COMAの支援が、荒廃したフギシーカに必要だって…先ほどおっしゃっておりまして…」
ダグラスの代わりに、リクハルドが話した。
「ほら、アズウィンドさん…!きちんとリュハネン様の方を……!」
「あ、そうだった。」
ダグラスは急いで視線を変えた。しかし、リュハネンは決していい表情を浮かべていなかった。
「…ほぉ、ついに坊やは……自分の主張をより強めようと…そこには感心したよ。」
「え…その、リュハネン様…!!僕はそんな事思ってないんです…!」
「おや、私の勘違いかな?」
「えっと…その……」
「最近は耳が遠くなってきたのでね…ゴニョニョ話されると何話してるか分からないんだよ。」
「ちが…違います!!!」
「急に怒って…どうしたのかな?」
ダグラスは2人の会話にうんざりし始めてきた。そして、2人がいない方向に顔を向け、小さくあくびをした。部屋の中の夕暮れは、沈んでしまった。
「ほら…アズウィンドさん!あれ、あれ!あれ話してください!!」
「…あぁ、あれか。」
ダグラスはひらめいたかのように、
「リュハネン…様。」
「きちんと様をつけてる…偉いです、アズウィンドさん…!」
リクハルドは小さな声でつぶやいた。
「俺から依頼がある。現在COMAでは…No.211の追跡、そして調査を行っている最中だ。」
「ほぉ、はるか東ではこのような事をしているのだね。」
「はい、そして…もしNo.211の被害が確認されたら…こちらが復興の支援を行っていく方針で…」
ダグラスは違和感を覚えた。確か、エディ指揮官は「被害に遭った地域の復興の支援を行う」までとは言っていない。口を固く閉じ、リクハルドに視線を合わせる。しかし、リクハルドは表情を一切変えなかった。
「え、僕が…こんなこと、考えているわけないじゃないですか。これ、アズウィンドさんが思っていること…きちんと言ってるだけですよ?」
「なるほど…フギシーカ地方はNo.211による被害が甚大だったサ。そして、ダグラスは一体何を言っているんだが…」
シアラーはエディの独り言を聞き、
「エディ、一体どういうことか?」
と尋ねた。すぐに、
「あぁ…それサ。どうにかCOMAでフギシーカ復興の支援を行ってもらいたい、って言っててサ。こりゃあ、参ったモンサ。」
すると、長髪の指揮官は2人に向かって、
「私は…復興支援に賛成する。」
とつぶやいた。
「そう思っているのサ。なるほど、たしかに…支援を送ることを検討してみるサ。そしたら…ケルヒェンシュタイナー大総統に、ちょっくら話をしに行かなきゃいけないサ。」
シアラーはエディに向かって、
「なら、俺も同行しよう。お前1人じゃ失敗しそうな感じがするからな。」
「何言ってるのサ…!!!」
「…リクハルド。俺に何をした。」
もう一度、ダグラスは冷たい口調で話した。リクハルドはしばらく黙りこんでいた。しかし、この状況は長くは続かなかった。すると、小さな声で、
「…僕は……僕は……アズウィンドさんに何とかしてもらいたくて…強制会話呪文をかけていたんです。僕の思うように……」
「…あぁ、そうか。」
リュハネンは残念そうな表情を浮かべて、
「…なるほど、坊やの思っていたことだったか。まぁ、私はずいぶん前から把握していた、けどね。」
目を伏せて、ため息をつく。
「…私は優しい性分でね。COMAのお方、本当にそう思っているなら、自らの言葉で、もう一度話してくれないかね。」
ダグラスは小さくうなずいた。すると、情報通信機から、
『ダグラス!俺は今から大総統に支援の要請を交渉してくるサ。だから、少しだけ、時間を稼いでくれないか?頼んだサ!』
と指揮官から通信が入った。
「さぁ、もう一度…聞かせてもらおう。」
コメント
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リオンです。第31話「望み、叶えてください!・2」、読みました。 強制会話呪文で操られていたダグラスが、リクハルドの真意を知りながらも「自らの言葉で話す」という選択をする流れが鮮烈でしたね。リュハネンが「ずいぶん前から把握していた」と静かに突いた瞬間、この交渉の緊張感が一気に引き締まったと感じます。エディ指揮官が大総統への交渉を決断し「時間を稼いでくれ」と通信してくるラストも、次話への期待が高まります。伏線の貼り方と会話劇の駆け引きが巧みで、とても惹き込まれました。