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かなち
313
これはストグラの夢小説です
今回はリクエストです
kmnさんが続いてます。ストグラは見ていますがミリしらです。
ここのペアいいよ等のおすすめがあれば教えてください‼
短いほうです。
無馬と小峯
その日の街は、妙に静かだった。騒がしい日なら、どこかしらから声が聞こえてくる。
車のエンジン音
無線の声
誰かの笑い声
それらが当たり前のように存在している街なのに、その日は不思議なくらい静かだった。
小峯は車を止め、ゆっくりと外へ出た
「……終わったな」
独り言のように呟く。
今日の件は、少しだけ厄介だった。
ある計画について、小峯は一つの問題に気付いていた
そのまま進めれば、誰かが巻き込まれる可能性がある。 かといって、周囲に相談すれば計画そのものを止められるかもしれない。
この街はうわさや情報の周りが早い。
小峯は少し考えて、誰にも相談しないことにした。 自分が裏で動けばどうにかなる。
そうすれば白市民が勝手に巻き込まれることはない
実際、それでことが上手に収束した。
問題も片付いた。
計画にも大きな影響は出ていない
だから、これでいい
そう結論付けていた
「……さて」
戻ろうとしたとこで、人影が見えた。
「かなくん?」
無馬がそこに立っていた
「小峯さん、おつかれ~」
「お疲れ様よ~」
「終わったの?」
「…はい」
「うまくいった?」
「…まあ」
いつものような会話である
無馬は特に変わった様子を見せない
小峯も、特に警戒する必要はなかった。
「じゃ、俺はここで」
小峯が歩き出すと
「小峯さん」
「は~い?」
「今日のこと、誰かに相談した?」
心臓がドキッとした。
足が止まった。ほんの一瞬
小峯は振り返った
「……何の話ですか?」
「ん、今日の話」
「ああ」
小峯が少し笑う。
「してないですよ」
「そう」
無馬はそれ以上何も言わなかった
小峯は少し拍子抜けする
「じゃあ、そういうことなので俺は行くね」
再び歩きだす
「なんでなの」
背後から声が飛んできた
「……え?」
「なんで相談しなかったの?」
小峯はゆっくり振り返った
「必要なかったからですよ」
「本当に?」
「ほんとに」
「そっか」
無馬はそれ以上に言わなかった
小峯はその場に立ったまま、少しだけ眉を寄せた
「……何ですか?」
「別に」
「いや、絶対何かあるでしょ」
「気になっただけ」
「何が?」
「小峯さんが一人で行ったこと」
「いつものことでしょ」
「うん」
「じゃあ」
「いつもだから気になる」
小峯は黙った
無馬の声は穏やかだった
責めているわけではない
怒っているようにも見えない
それなのに、どうにも落ち着けない
「……別に、俺一人で十分だったんで」
「うん」
「だったら相談する意味ないじゃないですか」
「そうだね」
「……」
あっさり肯定される
逆に、小峯の方が困っている
「じゃあ、何が問題なんです?」
「問題だとは言ってないよ」
「じゃあなんで聞くんですか」
「理由が知りたいから」
「今言ったよ」
「うん」
「俺一人で十分だったから」
「それだけ?」
小峯は黙ってしまう
無馬は待っている
答えを急かすこともない
「…それだけですよ」
「止められると思った?」
小峯の指が、わずかに動いた
「……何を?」
「小峯さんがやろうとしてたこと」
「別に」
「誰かに言ったら、止められると思ったの?」
「……」
「だから言わなかった?」
小峯は笑った
けれど、その笑顔は自分でも分かるほどぎこちなかった
「まあ…それもあるけど」
「うん」
「でも、それだけではない」
「何?」
「巻き込みたくなかったんですよ」
言葉が自然に出ていた
「俺がやれば済む話だったから」
「誰を?」
「みんなを」
小峯の視線が少し落ちる
「相談したら、当然みんな動くでしょ」
「そうだね」
「それが嫌だった?」
「なんで?」
「……」
また質問
小峯は少しむかついた
「なんでって」
答えが出てこない
自分でも、そこまで考えていなかった
ただ、そうしたほうがいいと思った
自分がやればいい
自分ならできる
誰かを巻き込む必要はない
それで終わる話だった
なのに
「……心配されるのが、面倒だったのかも」
ぽつりとつぶやいた
無馬は何も言わない
「俺が行くって言ったら、絶対止める人がいるじゃないですか」
「いるね」
「『危ない』とか『やめとけ』とか」
「うん」
「そういうの効いてる時間が面倒で」
小峯は笑う
「だから、一人でやった」
「なるほど」
「……納得した?」
「半分」
「半分?」
「もう半分は?」
無馬少しだけ考える
「自分で決めた方が楽だったんじゃない?」
小峯は顔を上げる
「……何が?」
「結果がどうなっても、自分の判断だから」
小峯は何も言えなくなっていた
「誰かに相談して、誰かに止められて、それでも何か起きたら?」
「……」
「逆に、誰かに相談して、みんなで決めて、それで失敗したら?」
「……」
「一人なら、自分だけの責任にできる」
静かな声だった
それなのに、その言葉は妙に重かった
小峯は笑えなくなっていた
「……それ」
「うん」
「俺、そんなこと考えてたんですかね」
「知らない」
即答だった
「え?」
「俺は小峯さんじゃないから」
「……」
「だから、決めるのは小峯さん自身でいいんじゃない?」
無馬はそう言った
「ただ」
「一人で決めることと、一人で抱えることは違うから」
小峯は黙った
夜風が吹く
街灯の明かりが、地面に長い影を作っている
「……じゃあ」
小峯が口を開く
「俺が、どうすればよかったんですか?」
「それは知らない」
「またそれ?」
「だって俺が決めたら意味ないでしょ」
「……」
「次に同じことがあったとき、小峯がどうするかじゃない?」
小峯がしばらく考えた
そして、小さく息を吐く
「…相談します」
「誰に?」
「誰でもいいんでしょ」
「うん」
「じゃあ、誰かに」
「それでいいんじゃない?」
小峯は少し笑った
「なんか、うまく丸め込まれた気がする」
「そう?」
「絶対そうだよ」
「なら、次は丸め込まれないようにすればいい」
「……難しいな」
「がんばって」
小峯は呆れたように笑った
「かなくんって、こういうときだけずるいよね」
「何が?」
「怒らないところ」
「怒ってほしかった?」
「いや、それは嫌だけど」
「じゃあ、いいじゃん」
「そういうところですよ」
2人の間に、少しだけ笑いが落ちる
先ほどまでの重い空気が、ほんの少しだけ和らいだ
小峯は車へ向かって歩き始める
数歩進んだところで、立ち止まった
「…かなくん?」
「ん?」
「今日の事」
「うん」
「誰にも言わないでよね」
「何を?」
「…俺が相談するって言ったこと」
無馬は笑った
「分かった」
「絶対ですよ」
「はいはい」
「……」
小峯は少しだけ笑う
「じゃあ、お疲れ様だよ」
「おつかれ」
車に乗り込む
エンジンをかける
ミラー越しに、まだその場に立っている無馬の姿が見えた
小峯はしばらく黙っていた
今日、自分がしたことは間違いだったのだろうか
きっと、全部が街がだったわけではない
一人で動いたからこそ、早く片付いた部分もある
誰かを巻き込まなかったことで、守れたものもあった
だからこそ
次も同じことをするかもしれない
それでも___
今度は、一言位相談してみよう
そのくらいなら
できるかもしれない
「……まあ、次があればだけど」
誰に聞かせるでもなく呟く
車を走らせる
バックミラーの中で、無馬の姿が少しずつ小さくなっていった
小峯は前を向く
そして、ほんの少しだけ笑った
一人で全部抱える必要は、ないのかもしれない
そんな考えが、いつまでも頭の片隅に残っていた
コメント
3件

あの本当に出来ればでいいんですけど次小説を書く機会があれば小峯さんのHシーン書いてもらったりできますか?シチュはお任せします。 あといつも小説書いいただいてありがとうございます!とってもいい小説で幸せです

無馬さんの「一人で決めることと、一人で抱えることは違うから」っていう台詞がすごく刺さりました。怒らず待っててくれるからこそ、小峯さんがぽつりぽつり本音をこぼしていく流れが丁寧で…最後の「次があればだけど」の呟きに、少しずつ変われそうな予感がしてほっとしました。2人の距離感がいいですね🥀