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「この村では30年に一度神様に生贄を差し出さないといけない_」
まだ私が9歳の時に言われたその言葉。
覚えているのは母の声が少し震えていたこと
その時の私は不思議だっただろう。
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だって自分がまさかその30年に一度という確率で当たったのだから。
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『……ねぇ。翔早くしてよ。』
s「佳蓮が早すぎ、ちょっとまって」
『あんたさぁ、。わかんない?』
_今日、私達の生死が決められる日なんだよ
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この村は30年に一度
神様の感謝として生贄を捧げる儀式がある
生贄は必ず15歳の男女1人ずつ
生贄に選ばれた者は帰ってくる事が出来ない
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つまり死___
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生贄の候補は少ない訳では無い
そしてそこで男女で組み、神様が選んだ1組を生贄として捧げるのがこの村での方法
選ばれるかは簡単。__
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各組は必ず赤い花を1本持ち1組ずつ神社へ向かう。そしてその赤い花を神社奥にある神様のお墓へお供えする
その時神様に選ばれたものはその時持っている花が枯れるらしい。
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そして私達はその生贄の候補として村から出されてしまった。
s「佳蓮と一緒は絶対無理やろ」
『そんな事言わないでよ失礼な』
s「佳蓮見た目美味そうやから俺らが生贄確定や、、」
『失礼な人間。』
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私、蘭 佳蓮(araragi)と
隣の彼、瀬乃 翔はつまり生贄候補の1組になったのだ
瀬乃翔はクラスでも慕われて周りから「ショッピ」というあだ名で呼ばれている程信頼も高い
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だからこそ選ばれたのかもしれない。
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そして何より、
村の為なら何でも頑張る人間だったから。
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1度だけ噂を聞いたことがある
30年、選ばれた男女二人が生贄として神の所へ行くのではなく心¦中したという噂もある
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なんでも、選ばれたふたりは神の元へ向かわず近くあった2本の釘でお互いの胸を刺したとか、、。
想像するだけでなかなかの度胸、。
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だからこそ村のために頑張る彼は選ばれた
私はそう思っていた。
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『もし私達が本当に選ばれたらどうする?』
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s「なんとも思わなんな。」
『最後くらい感情持ちなさいよ。』
s「俺らも心¦中する?」
『あんたが相手とか無理』
そんな他愛のない話をしながら私達は神社の方へ向かった_____
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そして迷いもなくこの村の村長さんは
儀式を始めた。
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向かう順番は予め決めていたらしい。
私達は1番最後。
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でも最後の2組になっても生贄は出なかった
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そして私達の前の組も____
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帰ってきた___
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『……うそ。』
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s「……。」
信じられなかった
こんなに沢山の候補がある、
ならば私達は生きられるだろう。
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そう思っていた。
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その場には翔と私の親もいた
2人の死を知った瞬間どちらの親も泣き崩れていたのが見えた
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行こう。翔_____
私の大好きな人_。
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鳥居までの階段が短く感じた。
ここを登りきれば私達はもう。_
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ふと、隣にいる翔を見た。
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でも彼は私とは真逆のように
ただお参りしに行くかのような
涼しい顔だった。
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そっか。
彼は嬉しいのかも。
長年過ごしたこの村の為なら
命も捧げられるんだ。__
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そんな事を思えば階段は登りきってしまった
1番上まで。____
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私も_
涼しい顔をしていた翔も足を止め___
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s「行こう。佳蓮」
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『うん』
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私達は1歩ずつゆっくり向かった__
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神様のお墓には赤い花が何本か供えてある
前の人達だろうか。
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そして私達の花は、呆気なく枯れた
これでハッキリ分かった。
死¦ぬんだ。私達_
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「なんだ。今年もハズレか。」
唐突に私でも翔でもない声が聞こえた
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目の前にいる。
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これが神?
いや。これは_
獣だ。_____
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これが神なの?
神って、人間じゃないの?
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「まぁいい、お前らは飛んだ村の嫌われ者だからな」
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嫌われ者、?何を言ってるの__
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s「神様。俺らを喰う前に教えてください」
翔が言った
「嫌われ者とは何ですか」
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と、
__いずれか分かる、お前らはもう時期死¦ぬ
そして勘違いをしているが__
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俺はお前らを喰わない__
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神という名の獣はそう言うと
そのまま私は意識が消えた___
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__ねぇ、貴方は誰なの
薄く広がる世界に1組の男女とさっきの獣がいる
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__貴方は神なんかじゃない。私と” ”はその秘密を知っている。
女性が何かを言っている
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__私達はこの村のためには死¦ねない。
そう言うと男女は近くにあった釘を持った
そして_____
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_あなたの為に死¦ぬなら
私は” “のために死¦ぬ
私達は何があっても来世で出会う。
きっと_____
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その発言と同時に男女はお互いの胸を
刺した____
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そして獣は言った
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__お前らは。
またどこかで出会う運命なんだな。___
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30年前、心中をした2人は順番の
1番最後だった___
私はその薄く広がる世界にいる
倒れて動かない2人の顔を見て分かった
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獣の言ったことは本当だった。
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あの人は。本当に神だったんだ____。
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数年後、村に仲のいい小さな男女2人がいた
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「ねぇ!____は神って信じる?!」
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「なんや、急に、」
「私は信じてると思う!」
「俺は信じとらんな~、」
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「なんで!?」
「だってこの村で噂があるんだよ!」
「どんな噂なん?」
__この村は30年に一度、生贄として神の元へ行く儀式が行われる。
60年前、生贄として選ばれた男女二人は2人で心中をした
そして30年前の生贄として選ばれた男女は
その心中をした生まれ変わり__
「凄くない!?!」
「普通にありえない話やな」
「えー!!」
そんな会話をしている2人。
女の子の方はいつも元気で明るい。
学校でも優等生な子
そして男の子は
村のために頑張る、クラスの人気者______
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どんなにこの村がおかしくても
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どんなに村のために命を捧げても
きっと彼女たちは
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何度でも生まれ変わり
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何度でも出会うのかもしれない
コメント
15件
嫌われものだから何度生まれ変わっても生贄になってしまうのですね、、、 心中して神への生贄と村のためになれなかったから嫌われている_____。 この二人はずっと一緒、ですね、、
ふむ、...ちょっと考えなきゃダメな話だなぁ、私読者が考えたり考察する話書けないから尊敬する。 獣は神様だってこと?で、薄く広がる世界は過去の幻想?何年も生まれ変わって、生贄に絶対生まれ変わったあの2人が出てくるから、獣(神様)は喰べなかった?実はどっちかが恋をしてた、とか。だから心中した?考えがゆっくり身体を蝕んでく感じがあって、「少/女A」聞いてるからさらにくらい、哀しい気持ちになりました。