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教室リーグ~底辺モブ生徒が分析スカウターで超名門校の序列をぶっつぶす~
第100話 - 第100話 【女王の敗北宣言】完璧な脚本に平伏した絶対女王!観測者を「軍師」として迎える夜
28
1,589文字
2026年06月13日
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#主人公最強
ウサギ様
431
麗太
513
5,470
全国大会優勝。そのあまりにも甘美な響き。
祇園の夜景を見下ろす、クラブ『Club Lotus』のVIPルームは、女王の凱旋を祝う、仲間たちの熱狂に包まれていた。
「亜里沙、マジで、おめでとう!」
「本当に、すごかったわ!最高の勝利よ!」
柴田と斎藤、結城が、興奮気味に、久条を称える。斎藤も静かに、しかし満足げに頷いている。
その輪の外側では、美尾敦子と福寿由紀乃も、シャンパングラスを片手に興奮した様子で語り合っていた。
そしてその部屋の一番隅のテーブル。
そこには場違いな空気を醸し出す三人の男たちがいた。
三好央馬、富田茂輝、そして田原優作。
彼らもまた、文化祭での「功績」を認められ、この祝勝会への参加を特別に許されたのだ。
三好が、どこかぎこちない様子でグラスを掲げる。
「まあ、なんだ。久条さんのあのディベートはマジでやばかったな。俺らとは住む世界が違うって感じだ」
その言葉に、富田と田原も無言で頷いていた。
その全ての熱狂の中心で、久条亜里沙の微笑みだけが、まるで精巧に作られたガラス細工のように温度を持たなかった。
やがて彼女は、その喧騒を静かな一言で遮った。
「ごめんなさい。少し夜風に当たってくるわ。頭を冷やしたいの」
仲間たちが何かを言う前に、彼女は一人、部屋を出ていった。
熱狂だけが取り残されたVIPルーム。その重い扉が静かに閉まる。
その扉が閉まったのを見計らったように、一人の男がおずおずと、俺の隣の席へとやってきた。
山中駿平だ。
「おい、音無。なんか、久条さん、様子おかしくねえか?優勝したってのに、全然嬉しそうじゃなかったぞ」
「さあな。女王には、女王にしか見えない景色があるんだろ」
俺は適当にそう答えた。
だが俺の思考はすでに次の舞台へと向かっていた。
彼女が向かった先は、このビルの屋上だった。
祇園の光が、宝石のように眼下に広がる。冷たい夜風が彼女の火照った頬を撫でた。
彼女は、その手すりにもたれかかるとスマホを取り出す。
そして一人の男をこの孤独な玉座へと呼び出した。
俺が屋上に着くと、久条はただ静かにそこに立っていた。
その声は氷のように冷たかった。
「おめでとう、脚本家さん。あなたの完璧な勝利よ」
ミラー:「はっ。最高の皮肉だな」
奏:「ああ。こいつは、俺を称えにここへ呼んだわけじゃない。何が言いたいんだろう?」
俺は、ただ黙って彼女の次の言葉を待った。
「あの、最後の一手。天宮くんの存在を武器にする、あの悪魔のような脚本。あなたは一体、なぜあんな発想になれるの?何を知っていたの?」
「俺はあんたを勝たせるための、最善手を与えた。ただそれだけだ」
俺は冷徹に事実だけを告げる。
その俺の言葉が引き金になった。
彼女のその完璧な仮面が、初めて音を立ててひび割れた。
その瞳に浮かぶのは、怒りでも侮蔑でもない。
ただ純粋なそして絶対的な「敗北」だった。
「私は、生まれて初めて負けたわ。あなただけが知っている敗北よ」
その声は震えていた。
「あの美崎沙羅に、そして何よりあなたに」
彼女はゆっくりと、立ち上がった。
しかしその瞳に浮かぶのは、もはや俺への敵意や侮蔑ではない。
まるで未知のしかしあまりにも美しい兵器を、見つめるかのような、純粋な「畏怖」と「興味」だった。
「あなたのあの脚本。完璧だったわ。相手の全てを読み切り、最も効果的な一手を、私以上に理解していた」
彼女はそこで一度、言葉を切った。
そしてまるで、歴史的な宣言をするかのように、静かにそして力強く言った。
「音無奏。あなたに私の『軍師』になってもらうわ。いえ同格として認めるわ」
それは命令でも懇願でもない。
女王が自らの最も信頼する戦略家を、ただ一人、指名する時の揺るぎない響きがあった。
「私と共にこの学園の頂点に立ち続けましょう」
女王は自らの敗北を認め、そして俺を対等な「仲間」として認めた。
俺たちの共闘が今この屋上で、本当の意味で始まったのだ。
コメント
1件
寺島あおいです🤍 第100話、お疲れ様でした…! 久条さんの完璧な仮面が初めて音を立ててひび割れる瞬間、本当に息を呑みました。「あなただけが知っている敗北よ」という台詞、その重みと脆さが胸に沁みます。女王が自ら軍師を迎える決断をする屋上の静けさと、眼下の祇園の夜景のコントラストが美しくて、思わず何度も読み返しました。 100話という節目にふさわしい、感慨深い回でしたね🌷