テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
少ししたらチャットノベルにリメイクしたいと思ってます
いいねの数とかコメントとか参考にしたいのでぜひよろしくお願いします
変わった夢
翌朝。
「……変な夢だった」
おんりーは起き上がると、昨日の夢を思い出そうとした。
暗い森。
白い光。
誰かの声。
そして――
「君は、まだ知らなくていい」
「……誰だったんだろ」
顔は思い出せない。
声も、もうほとんど覚えていない。
ただ、不思議と怖くはなかった。
「おんりー!」
外から声が聞こえる。
「起きてる?」
「起きてる」
「じゃあ早く来てー!」
「今行く」
おんりーは支度をして部屋を出た。
宿の外では、昨日と同じ四人が待っていた。
「おはよう」
「おはよう」
ドズルが笑う。
「今日は村の近くを調べてみようと思う」
「昨日の森の奥じゃなくて?」
おんりーが聞く。
「うん。いきなり奥まで行くより、周りから調べた方がいいからね」
「分かった」
五人で村の周辺を歩く。
畑、川、森の入り口。
昨日とは違って、今日は村人の姿も多かった。
「最近、何か変わったことありませんでしたか?」
ドズルが村人に聞いていく。
「そうだなぁ……」
一人の老人が考え込む。
「森の近くで、夜になると変な光を見ることがある」
「光?」
おんりーが反応する。
「白っぽい光でな。昔からたまに見えるんだ」
「昔から?」
ぼんさんが聞く。
「ああ。でも最近は少し増えた気がする」
おんりーは黙って話を聞いていた。
「それって、どんなところに出るの?」
「決まって森の奥だな」
「……」
昨日の湖を思い出す。
「何か知ってる?」
ドズルが聞く。
「いや」
老人は首を振った。
「ただの森の光だと思ってたよ」
「そうですか」
話を終えると、一行はその場を離れた。
「……昔からあるんだ」
おんりーが呟く。
「うん」
ぼんさんが頷く。
「ってことは、最近起きたこととは別なのかな?」
「でも」
おんりーが言う。
「魔物が増えたのも最近なんだよね」
「そうだね」
「じゃあ、昔からある光と魔物が増えたことは、別かもしれない」
「なるほど」
ドズルが頷く。
「じゃあ、もう少し調べてみよう」
そのとき。
おんりーの足元に、小さな白い花びらが落ちてきた。
「……」
拾い上げる。
昨日、湖の近くで見た花と同じ色だった。
けれど。
花びらには、見覚えのない小さな模様があった。
五つの点が、円を描くように並んでいる。
「これ……」
おんりーが呟く。
「どうした?」
「何でもない」
おんりーは花びらをそっとポケットに入れた。
まだ。
みんなに話すほどのことではないと思った。
-–
五つの国
その日の昼。
村の小さな図書室。
「こんな本まであるんだ」
MENが本棚を眺めている。
「昔の魔法について書かれた本、探してみよう」
ぼんさんが本を何冊か机に運んだ。
ドズルも隣に座る。
おらふくんは分厚い本を開いて、すぐに顔をしかめた。
「文字多い……」
「頑張って」
「ぼんさん、読んで」
「自分で読もうね」
「えぇ……」
そんなやり取りを横目に、おんりーは一冊の古い本を手に取った。
表紙には、五つの紋章が描かれている。
火。
水。
風。
土。
そして――
何も描かれていない、白い円。
「……これ」
おんりーはページをめくる。
そこには五つの国について書かれていた。
火の国。
水の国。
風の国。
土の国。
そして。
「無属性の国……」
おんりーが読み上げる。
「それ、今もある国なの?」
MENが聞く。
「分からない」
ページを読み進める。
無属性。
他の四属性とは違い、特定の属性を持たない人々が暮らしていた国。
しかし。
数百年前。
その国は地図から消えた。
「……国が消えた?」
おらふくんが身を乗り出す。
「戦争?」
ぼんさんが聞く。
おんりーは続きを読む。
けれど。
その先のページだけが破れていた。
「ここからない」
「なんで一番気になるところが!」
MENが机に突っ伏す。
「古い本だから仕方ないよ」
ぼんさんが苦笑する。
おんりーは破れたページをじっと見つめた。
すると。
ページの端に、小さな文字が残っているのに気づいた。
「……光」
「え?」
ドズルが覗き込む。
そこには、かすかにこう書かれていた。
――白き光は、森の奥で眠る。
その下は破れている。
「森……」
おんりーが呟いた。
昨日の光。
湖。
白い花。
全部がつながっている気がする。
でも。
どうつながっているのかは分からない。
「おんりー?」
ドズルが声をかける。
「何か気づいた?」
「……まだ分からない」
おんりーは本を閉じた。
「でも、森をもう少し調べたい」
「じゃあ、明日も行く?」
「うん」
即答だった。
その夜。
おんりーはポケットから、昨日拾った白い花びらを取り出した。
机の上に置く。
すると。
「……?」
花びらの模様が、ほんの少しだけ光った。
五つの点。
そのうちの一つだけが、淡く白く輝いている。
おんりーはじっと見つめた。
「……これ、何なんだろ」
触れた瞬間。
光は消えた。
「……」
何も起きない。
「やっぱり普通の花びらかな」
そう言って、おんりーは机の引き出しにしまった。
その頃。
村から遠く離れた森の奥。
同じ模様を持つ石が、一つだけ光っていた。
-–
森の声
翌日。
五人は再び森へ向かった。
今回は昨日より少し奥へ進む。
「この辺りだね」
ドズルが地図を広げる。
「昨日の湖はもう少し先だった」
「じゃあ、今日はそこまで行こう」
おんりーが頷く。
森の中を進んでいく。
しばらくすると。
「……止まって」
おんりーが言った。
全員が足を止める。
「どうした?」
「音がする」
「何の?」
「……水」
「川?」
「違う」
おんりーは目を閉じる。
「もっと近い」
五人で音のする方向へ進む。
木々を抜けると。
そこには、小さな石造りの遺跡があった。
「こんなの、地図に載ってないよ」
ぼんさんが驚く。
壁には古い文字。
そして。
五つの紋章。
火。
水。
風。
土。
白い円。
「これ……」
ドズルが壁に手を近づける。
「無属性の紋章だ」
おんりーは何も言わず、白い円を見つめていた。
「おんりー?」
「……これ」
「うん?」
「昨日の花と同じ」
ポケットから花びらを取り出す。
五つの点。
遺跡の紋章と同じ形だった。
「……偶然かな」
ぼんさんが呟く。
「分からない」
おんりーは壁を見る。
「でも、たぶん違う」
その瞬間。
遺跡の奥から。
コツン。
小さな音がした。
「誰かいる?」
MENが剣を構える。
返事はない。
もう一度。
コツン。
「……石が落ちた音?」
おらふくんが言う。
「違う」
おんりーが答えた。
「三回鳴った」
「三回?」
「うん」
「だから?」
「……」
おんりーは遺跡の奥を見つめた。
「呼んでる」
全員が黙った。
「誰が?」
ドズルが聞く。
「分からない」
おんりーはゆっくり歩き出す。
「でも、行けば分かると思う」
「ちょっと待って!」
ドズルたちも後を追う。
遺跡の奥。
そこには、地下へ続く階段があった。
一段。
また一段。
降りるたびに、白い光が強くなっていく。
そして。
最後の階段を降りたところで。
巨大な石碑が現れた。
石碑には、たった一つの文章が刻まれている。
――五つ目の光は、消えたのではない。
「……」
おんりーが読み上げる。
その下には続きがある。
――ただ、誰にも見えなくなっただけ。
「どういう意味……?」
おらふくんが呟く。
誰も答えられない。
すると。
石碑の奥から、白い光が一つ浮かび上がった。
光はゆっくりと移動して。
おんりーの目の前で止まる。
「……」
おんりーは動かなかった。
怖くない。
むしろ。
初めて会った気がしなかった。
光が、ほんの少し揺れる。
その瞬間。
おんりーの胸の奥が、温かくなった。
「……知ってる」
「え?」
ドズルが聞き返す。
おんりー自身も驚いていた。
「この光……」
言葉が続かない。
何を知っているのか。
なぜ知っているのか。
分からない。
ただ。
光が自分に向かってきたことだけは、はっきり分かった。
そして。
光が消える直前。
どこからともなく、かすかな声が響いた。
――まだ、早い。
おんりーが顔を上げる。
「……誰?」
返事はない。
ただ。
石碑に刻まれた文字の一部が、淡く光った。
「……」
ドズルが息を呑む。
「今、文字が……」
白い光は消えていた。
けれど。
石碑の一番下。
今まで何もなかった場所に、新しい文字が浮かび上がっていた。
――その子を、連れて帰れ。
五人の間に、静寂が落ちる。
おんりーはその文字を見つめた。
「……その子って、誰?」
誰も答えられなかった。
そして森のどこかで。
また一度だけ。
白い光が瞬いた。
コメント
1件
うわ、すごく雰囲気のあるお話……読んでて自然に引き込まれました。 特に遺跡の石碑が出てくる場面、あの「五つ目の光は消えたのではない」って言葉がすごく印象に残ってます。白い光とおんりーが「知ってる」って感じたところ、胸がギュッとなった。何か大きな記憶とか運命が隠れてそうで気になる……。 あと花びらの模様が光る演出、好きです。まだ謎だらけだけど、少しずつ繋がっていく感じがたまらない。続きすごく気になります。素敵な世界観をありがとうございます🌙
𝐋𝐢𝐜𝐡𝐭
680
ぴのん
7,366
69
#🐷🍌
ばななそーだ🍌🍹メンヘラ中
3,212