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かり 、 かり 。
がさがさ 。
かちかち 。
そんな音だけが聞こえる 、 静かな空間 。
「 あ " 〜 っ 、 つっかれたぁ" … 」
そんな空間をぶち壊したのは紛れもない俺である 。
「 もう疲れたの ? 全く早いんだから … ( 苦笑 」
「 だって 、1mmもわかんねぇんだもん 」
今日は夏休み中盤真っ只中 。
高校からは課題がごっそりと出たもんだから 、
今日こうして幼なじみ2人と宿題終わらせよう会を開いたという訳だ 。
「 どこがわかんないの ? 教えたげよっか ? 」
と曇りなき眼で俺を見つめてくるのは幼なじみ1号 、 聖澄千である 。
容姿端麗 、 頭脳明晰 、 人柄もよく 、 家事もできる 。
俺の友人にはもったいないほどのスペックを兼ね揃えたおとこである 。
「 どこが分かんないのかって ? 」
「 うん 」
「 全部 」
「 ぇ 、 」
そんなことってあるの ? なんて顔をするすちに俺は頭を抱える 。
どうせ頭いいやつに俺の気持ちなんて分からないんだ 。 ( 血涙
「 … ぷっ 、 」
そんなすちとのやり取りを横目で見ていた幼なじみ2号 、
桃入藍が肩を揺らして笑い始めた 。
「 はあ 、 ぁ 〜 、 おっかし 〜 ( 爆笑 」
「 確かに1問もわかんないなつはやばいけど 」
「 すちの顔ったら 、 そんな顔したらなつに失礼だよ ( 笑 」
お前も充分失礼だろ 。そう思ったが口にはしない 。
だってこいつも勉強出来ねえし 。
「 ほお 、 そんなに言うならもちろんお前は英語全問正解なんだよな ? 」
「 そーだそーだ ! 」
俺の言葉にすちも便乗する。
「 … まあまあ ( 冷汗」
「 見せてみ ? 」
「 むりぃぃぃぃぃ ! 」
さっきまで静かだった空間が途端騒がしくなる 。
「 … っふ 、 はは っ ( 笑 」
この時間がすごく好きだ 。
「 … はぁ 〜 っ 、 笑い疲れた … 」
「 いや勉強でつかれろよ 」
「 くくっ … 、 あはは ( 爆笑 」
「 すちはいつまで笑ってんの 」
ふうっと一段落着く 。
ちょっとした気分転換にもなった事だし 、 勉強を再会しよう 。
そう思った時だった 。
「 … にい 、 」
誰かにきゅっと服の裾を掴まれる 。
「 うぉ 、 っ !? 」
驚いて 、 反射的に振り向く 。
そこには 、 紛れもない俺の弟 。
暇雨恋雨が立っていた 。
実はこの勉強会 、 俺の家に俺 、 すち 、 らんの3人だけがいる訳じゃないのだ 。
俺ら幼なじみにはそれぞれ1人づつ年の離れた弟がいる 。
その上みんな 、 親が家にいることが少ないためこうやってよく集まって
ちびどもの面倒を見ながら過ごしている 。
言うならば幼なじみ兼子育て仲間みたいな感じだ 。
とりま何となくこさめと目線を合わせるべくしゃがみつつ
時計で時刻を確認する 。
今の時刻は2時30分 。
さっきまでお昼寝させていたのに 、 起きちゃったのか … 。
「 おはよ 、 こさめ 。 よく寝たね 」
「 … ん 〜 、 なつに 、 きいて 」
「 … ん 〜 ? ちょおっと待ってな 」
まだ眠いのかどこかぼんやりしてるこさめの頭を撫でつつ 、
らんすちに向き直す 。
「 わりぃ 、 こさめ起きちゃったし今日の勉強会は一旦ここまでな 」
「 りょーかい 、 今日結構進んだかも 」
「 もう2時かぁ 、 夜寝れなくなっちゃうし俺も起こしに行かないとかな 」
そう優しく返事をしてくれた2人に感謝し 、 もう一度こさめに向き直る 。
「 で 、 何言おうとしてたん ? 」
「 んとね 〜 … 」
こさめが人差し指をぴんと立てて言う 。
「 みこちゃんがえんえんだった 」
「 あ ー 」
すちが小さく声をあげる 。
「 でもまにきはぐーぐーだよ 」
まだ拙い言葉で話すこさめ 。
そんな場合じゃないがめちゃくちゃかわいい 。
きっと 、
「 みこちゃんが泣いちゃったけど 、 いるまくんが爆睡で起きてくれないからこさめが言いに来た」
って言いたいのだろう 。
因みに 、 みことというのは 聖 尊というすちの弟 。
いるまってのは 桃入 要真というらんの弟のことだ 。
「 こさめちゃん 、 教えてくれてありがとうね 」
「 んへへ 」
すちはそうこさめの頭を優しく撫でてくれる 。
「 みこちゃん寝起き悪いからなぁ 」
すちはそう苦笑しながらみことが寝ていた部屋へ向かう 。
「 いるまも起こさないと 」
らんもすちの後に続いてリビングを出ていった 。
「 こさめもみんなのとこ行くか ? 」
「 ん ! 」
これが俺らの日常である 。
しかし本番はこっからなのだが 。