涙の痕

朝、岩本が目を覚ますと渡辺はベッドにいなかった。ソファで、岩本の上着を着て、携帯で何か観ている。

岩本ー翔太？

渡辺ーおはよ。

岩本ーおはよう、昨日はごめんな。

渡辺ーひかる、毛布持って来て？

岩本ー寒いか？素足じゃないか？

渡辺ーだから、毛布。

渡辺は、ソファの上に足を置いていたから、そこへ毛布をかける。

足を触ると冷たい。さすってやる。

渡辺ーひかる、くすぐったい。

岩本ーこんな冷たい足して！風呂入るか？

渡辺ーいい、お腹空いた。

岩本ーおせちはないけど、色々あるから、冷蔵庫見て？

渡辺ーん。

岩本ーあぁ〜裸足で歩くな。

渡辺を抱き上げる。

岩本の首に腕を回してしがみつく。

母親が作ったのだろう「ぶり大根」それと、ちらし寿司。テーブルに置く。岩本は渡辺を膝に乗せて離さない。裸足の足を床につけないよう座らせている。

渡辺ー熱いお茶。

岩本ーん。

渡辺ー大根。

岩本ーん。

渡辺ー甘やかすな。

岩本ーじゃあ、言うな。

2人は笑いながら、食べた。

時々、キスしながら。

渡辺は、岩本の上着を脱ぎ、スウェットで抱きついている。美味しく食べて、お茶を飲み、2人はソファで、毛布に包まっている。

渡辺ー楽しかったか？

岩本ーうん。

渡辺ー・・。

岩本ーごめんな、寂しかっただろ？

渡辺ー今、こうしてくれるからいい。ひゃっ！

岩本ー足まだ冷たいな。

渡辺ー足湯でも、するか？

岩本ー用意する。

渡辺ーうそうそ、構わない。これくらい。

岩本ーダメだって。

そう言って渡辺の足先を口にする。

渡辺ーばか、汚い！

岩本ー翔太は、どこも綺麗だ。

渡辺ーダメだって。昼間から、変な気分になる。

岩本ーいい、昨日の分。

渡辺ーひかる！んっ・・。

岩本ー変な気分になって？

渡辺ーゾクゾクする。

足を舐められて、変な声が出る。

やめてほしいような、してほしいような？

渡辺ーんっ・・はぁ・・ばか・・ひかる・・。

片足は、ソファの背に乗せている。

岩本は、交互に足を舐め、渡辺は息が荒くなる。