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2024年09月09日

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ポリネシアン、というのをpixivで一次創作を見まして。

二次創作ポリネシアンってあんまり、というか見かけたことないのでかきたくて。

正式名称です。


詳しくは途中出てきますが五日間に渡る営みだと思っていただければ。


注意?  約9000文字あります。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


暇だな。暇だ。暇。

せんせー忙しそうだし、構って貰えない。

俺だって男なんですけど。溜まるよ?

女とヤってきてやろうか。

…なんて言ったらボコされるよな。


「あー!!!!!」

意味もなく叫んでみたけど、喉が痛くなるだけ。


SNSのDM。

適当におもろいのないかな、と漁る。

一つのメッセージが目に止まった。


『ポリネシアンセックス、したいです。』

まあ夜の誘いだな。

セックスついてるし。

けどポリネシアン…ってなに?

ポメラニアン…いや絶対違う。

それはやばい。虐待だよもはや。


興味が湧いて、軽く調べた。

バレたら思春期の中学生だって嘲笑われるだろうな。



五日間に渡る行為のこと。

四日は準備みたいなもので、ラスト一日が本番…みたいなやつだそう。

何それ。

DM送ってきた人の誘いは行かないけど。

やりたい人が他にいるから。

でも教えてくれてありがとう、と心の中で感謝しながら画面を閉じた。



「せんせー?」

「なんや…」

仕事敷き詰めで疲れているのか、気のない返事だった。


「あのさ、五日間…俺にくれない?」

「ん、ん?…五日間?お前に?」

「そう、五日間」

途端に日をよこせ、なんて言われて理解する人は居ないよな。

早稲田でも。…


「まあできなくはないけど…なんで?」

「やりたいことあって」

「五日間も?」

「五日間も」

ゲッシュタルト崩壊起きるって。

あのあれだ。

何度も名前聞くとおかしくなる…みたいな?

なんでもいいか。


「ふーん、内容は教えてくれんの?」

「逃げそうだから言わない」

「え、それ俺は嫌な気持ちなる?」

「わかんない…少なくとも俺は嬉しい」

「なんやろ、強姦とか?」

「最低…」

「嘘やんけ、わかった五日間な 」

「まじ?ありがと!」

多少疑ってはいるものの、予定を組んでくれた。流石。


引かれないといいけど…

まあ性欲の塊みたいなとこあるしいっか。



五日間の一日目。

初の試みだから、緊張が走る。


「んで、五日間なにすんの?」

朝食を食べ終え、食器を片している彼がそう俺に投げかけた。

まだ食べている最中だった俺は食べ物を詰まらせかけ、むせかえった。


「うおお、…大丈夫そ?」

顔だけこちらに向け、心配してくる。


「う、うん、大丈夫」

水を胃に流して、調子を整えた。



「落ち着きましたか、りぃちょさん」

「うん、」

俺の分まで食器やらなんやら片して貰った後、また向かい合わせで座り、頬杖をついて尋ねてきた。


「もっかい聞くわ、五日間なにすんの?」

やっぱり五日間よこせと聞けば内容は気になるか…

実際彼は本当に五日間あけてきてくれた。

内容くらい教えないとまずいか?


「いや…お家デート、的な…?」

あまり考えると頭がパンクしそうだった為、適当に濁した。


「それ毎日やん」

間髪入れず突っ込まれてしまう。

…確かに。


「えと、まあ一日中いたいから…、」

「ほー、なんかうっすい理由だな」

「いいじゃんいいじゃん!…だめ?」

「まあ…ええけど」

頬杖を辞め、腕を組み渋々納得しているようだった。

別に今伝えなくても。夜伝えればいい。



それから二人で死ぬほどゲームして、

死ぬほど笑って。

Uber頼んで、ジャンケンして。

負けたのは彼。

金払わせて、風呂入って、寝る寸前。


「せんせーやっぱ色々弱いね」

「色々てなんや色々て」

「ゲーム、ジャンケン…笑」

「笑うな」

ベッドに横並びになり、言葉を交わす。

俺は掛け布団を口元まで掛け、緊張からしっかり強く握っていた。


彼は何も知らないからだろうか、布団がかかっているのは胸下辺りまで。

仰向けで天井に向かって手を伸ばし、気だるげに伸ばされた手を眺めている。


疲れたのか勢いよく手を振り下ろし、生命を吸い取られたようにベッドの上で跳ねた後、静止した。


早くしないと彼が寝てしまう、と焦りがあったが夜行性だから大丈夫か!

という自分がいる。

でも早くしないと日をまたいでしまう。


「…せ、せんせ?」

「ん?」

目線をこちらに向けた後、体の向きを俺の方にやった。

表情で、何?と訴えてくる。


「あ、あの、…その、」

目が合わせられず、天井を見て、目を伏せてを繰り返す。

掛け布団を握る力がどんどん強くなる。

顔が赤く、熱くなっていくのがわかる。


「なんや、冷やかしか?」

彼の目はジト目で怪しげに俺を見つめてくる。


「あの…、やりたいことがあって、」

「なんや」

「ポリネ…ア…セッ…スって知ってますか」

「あ?なんて?ポリス?」

「違う!!ポリネシアン!!」

「なんそれ神話?」

「違う…」

ムードもクソもない会話。

警察と神話って。


「なんや神話をしたいって頭打ったか?」

「違う!!ポリネシアン…せ、…」

「せ?…せ、せ?」

「 せ に取り憑かれないでよ」

「ポリネシアン…何?」

「セッ…クス…」

ああ…ほんとに無理。

好奇心には勝てないけど、恥ずかしい。


「なんそれ。神話セックスってこと?」

そしてまじでこいつは何を言ってる?

そしてそんな言葉を堂々と言うな。

恥はどこに捨てた何処に。



「へえ、五日間ね…」

呆れて言葉を失っていると検索を掛けたのか、納得したような声が零れていた。

目線はスマホの画面と俺の目を行き来している。

そして薄ら笑って。


「変態」

「はあ!?何が!!!」

途端の侮辱…いや、…

こいつならご褒美…なんだけど…。


「五日間の内、四日愛撫なんやろ?」

「まあ…そう、です」

「溜めてからイきたいんや…へえ」

「違う!!誤解!!!ねえ!!」

「しかも時間やなくて四日…」

「うるせえ!!」

彼はスマホを首に当て、楽しそうな顔で俺の顔を覗き込んだ。

こっちは恥ずいのに。



「その一日目を今したかったって訳な」

「…はい…、」


「わかった、こっち来い」



半ば期待の中、身体を起こされる。

顎を掴んで引き寄せられ、そっとキスをされた。


「ん…、ふ、…」

いつもみたいに舌は入れれないものの、久々もあって嬉しかった。


「…そんな嬉しそうな顔しなくても」

顔に出ていたのか。

少し顔を赤くした彼が困ったようにそう呟いた。


「せんせーとこーゆーの久々だから」

素直な感想。


「可愛いこと言うやん」

「…べつに…、ほんとのことだし…」

ちょっとからかってやろうと思ったけれど、簡単に返されてしまった。


そっか、と頭を撫でられる。

そのまましばらく撫でてもらったり 、

ぽんぽん、と軽く叩いてもらったり。

そのまま一日目は終わり、抱きつきながら布団にくるまって二人眠りについた。

性欲は特に満たされなかったものの、沢山甘やかしてもらった。

承認欲求は大分満たされたし、懐かしい気持ちになった。



「やっと起きたか、おはよう」

「おはよ、せんせー」

夜が明け、階段を下りるとが彼は椅子に座り、水を飲んでいた。

外からはカーテンの隙間を縫い、光が漏れだして。

あまりの眩しさに目を瞑る。


「モンスター飲まねえの?」

「流石にこんな朝からは飲まないよ」

「そりゃ朝から炭酸は喉イかれるか」

彼の中で俺=モンスターなのか。

一日多くても二本くらいだし、多少気は遣ってる。


この五日間のデメリットと言えば、互いにそれなりに気まずくなること。

前日にやったのもそうだし、これから夜また始まると互いに理解しているから。


なんだか沈黙が流れるのは嫌で、買い物を提案した。

乗ってくれた様で、手を繋いで都会の中を歩き回った。



「あ”ー疲れた…」

結構長い距離歩いて足が痛い。

先に風呂に入り、ベッドへ飛び込んだ。

二日目ということを忘れて。


「りぃちょさーん、」

「なあに」

風呂から上がり、準備を終えた彼が戻ってきた。

気が完全に抜けていて、スマホの画面を見ながら返事を返す。


「服くらい着ましょうよ…」

「ん?着てるよ?」

「布団かぶっただけじゃ着てるとはいわねえだろ…」

「まあまあ、いーじゃん」

俺の自由っぷりに困り果てている様だった。

けど風呂上がりもあって暑いし。


「なら今日はそのままやっていいんだな」

「え、あ…っ、…」

言葉を理解した時にはもう手遅れだった。

手の自由は彼の力によって封じられ、強引に舌を入れられる。


「んん、う、…っ、♡」

身体の気が一気に切り替わり、脈が早くなる。


「ふ、…はあ、…っ、♡」

舌を離され、軽く糸を引く。

服を着なくてもさっきまでは良かったが、今となれば凄く恥ずかしい。

掛け布団はどっかにぶっ飛ばされて、隠すなんてことは出来ない。


「さっきまでの余裕はどこいったん」

「余裕だし!!べつ、別に…」

「そこは最後まで自信持てよ」

口では強がるが、実際は心臓がちぎれそうになる程、余裕は無くなっていた。


「…ひ、…っ!?、♡」

顔を逸らして沈黙の中に留まっていると、

腹付近をそっとなぞられる。


彼の細く白い指先で脇から横腹、腹の中心、太腿、胸。

自由になぞられ、たまに擽られ。


普段なら大笑いする筈が、口から零れるのは甘い声。


「相当溜まってんなこりゃ、笑」

と、低い声で笑いながらも手は動き続けている。


「 やめ、やめて…っ、♡…むり、…!♡」

必死に訴えるも、彼の耳には入っていないみたいだ。

いや、入ってはいるんだろうけど完全スルーされている。


そのまま数十分飽きるまで触られた。

肝心な所には触れられず、もどかしい気持ちになった。


「こんなんで勃ってたらもたないぞ」

「 うるせ、…っ、♡」

息は乱れ、腰は勝手に揺れて。


「あ、…っ、…う、♡…」

反発するように返すと、彼は憎ったらしい顔で笑い、

俺のをギリギリ触れるか触れないかくらいで指を動かしてきた。


「これはお預けな、笑」

またしばらく時間が流れ、手を止め、

早く寝ろよ、と残し眠りについた。


今すぐにでも果ててしまいたいけれど、まだ二日目。

ギリ耐えられる…


けど不安だからと、 彼の手を握り、眠りについた。




「んん、…」

強い光に目が覚める。

もう朝を通り越しているのか、かなり明るい。

回らない頭。いい天気だなと本能で感じ取った。


数分たって頭が回るようになると、手にいつもとは違う感覚があった。

寝る前に握った彼の手。

寝る前は握手のように握っていた。

今は指先が絡んでいて、彼の手が俺の手よりも強く握っている。


彼の無意識なのか、途中で起きて握り直したのか。

どちらにせよ、嬉しかった。

また布団を被り、同じくらいの強さで握り返し、二度寝した。




「…え、?」

緊急事態。


「え、寝てたんじゃなかったの、?」

「お前より早く起きたぞ」

かなり長引いた二度寝。

夕方をすぎかけている時間。

まだ暑くて汗をかいたから風呂に入ろうと風呂場のドアを開けた時。


湯船に前にもたれ掛かり、頬杖をついていた彼と目が合った。


要は風呂入ろうとしたら先に居た。



「減るもんじゃないし、入ってけ」

彼は沈黙を断ち切るようにそう言った。

その言葉に従い、そっと入る。


ベッドの上で互の身体なんて腐る程見てきたけれど、風呂場は珍しい。

いやベッドの上でもまだ慣れないけど。



身体を黙々と洗っていると、彼の様子が気になった。


普段どうやって入ってるんだろう。

俺が言えたことじゃないけど、

SNSとかスマホ依存ぽいから風呂に持って行ってそう…


どうやら持ってきてないみたいだった。

普段から持ってきてないのか、

それとも充電がないとか。

色々考えたけれど最後にはどうでもいいが勝った。


ふと顔を見る。

驚きに声が出そうになったが、慌てて飲み込んだ。


髪は当たり前だが濡れていて。

一番釘付けにされたのは、濡れて光を反射していた目元。

キラキラとしていて、今にも消えていきそうで。


何を考えているのかわからない。

けどなんとなくその表情が好きだった。



「浸からんの?」

身体を洗い終わり、ドアに手をかけた時。


「え、…う、うん…」

流石に湯船に二人はやばい。

普段行為中くっついてるとはいえ、濡れた彼にくっつくのはもっと心臓に悪い。

口から飛び出そうだ。


「ちょっとそこで止まって?」

「は、え?…あ、はい、…」

突然入る指示。


「そう、んで、こっち向いて?」

「え、う、…ん、」

その指示に従って行く。


壁にそって彼の方を向いて立つ。

そうすると彼は満足そうに笑みを浮かべ、湯船を出る。

そして俺の方まで詰め寄ってきて。


「え、…っ、!?…」

不意に響いた壁に何かが当たる音。

音が鳴る寸前、彼は両手で自分の手を握っていた俺の手をすかさず取り、壁へ押し付けた。


「んん、…っ、う、…、?…♡」

何が起きているのかがわからない。

風呂の熱もあって、くらくらとする。

酸素が届かない。


「あ、…ん、…♡、んん、…っ、?…♡」

「…なんも分からんのに気持ちいいことだけは理解してるんや、笑」

彼の言葉も飛び飛びだった。

必死に頭を回転させて、理解出来たのは彼と舌を絡ませてること。


「ひ…っ、♡、…あ”あ、 っ …!?♡」

上の方に刺激が走ったと思えば、直ぐ様下腹部にも刺激、…快感が走る。

上を弄られたことにより腰が抜けてしまった。

足の間に彼の足があることも知らずに。


下に刺激が走ったことにより一気にスイッチが入った。

もう快感を追いかけることしか出来ない。


…が、彼の足は咄嗟に引き抜かれ、勝手に果てれないようにされてしまった。


「今俺の足で一人でやろうとしたな?」

「ち、ちが…っ、♡、…ごめ、…♡」


「う”、…う、っ、!?…♡、は、…♡」

すっと目を細め、また薄ら笑う。

片方は手で弄られ、片方は舌で弄られる。


「やめ、…♡、あ、…は、っ、…♡、」

まだ開発されきってない俺の身体は上だけじゃ果てることは出来ない。

それを理解しているのか、彼の表情は凄く楽しそうだ。


足はがくがくと震え、やがて手も震えだしてきた。

何か込み上げてくる、その寸前で動きを止められてしまった。


「最終日まで我慢な、…笑、」

彼は動きを止めたあと、余裕そうな顔で笑い、耐えられるか?と俺を煽った。

それに何処と無く腹が立って、フラフラとしている身体で彼の首元に噛み付いた。


「っ…は、?…」

軽く吸い上げて、そっと離す。

彼は驚きで固まっていた。


「せんせーだってたえられんの?、笑」

舌が回ってないが、煽り返した。


そして聞こえるか聞こえないかの声で、彼が言葉を零した。


「最終日覚悟しとけよ」




四日目の夜。

昨日は風呂上がりにのぼせてフラフラとしていた俺に水を飲ませたりなんやりしてくれたらしい。


まだ彼は昼寝をしている。

…もう夜の七時なんだけど。


二日目、三日目は彼にすごく流された。

四日目位は俺から行きたい。

俺だって一応男だし…。


彼の頬に手を置き、そっと口を近づける。

昨日とはまた違う別の所に跡をつけた。


彼は若干一瞬顔を顰めたが、またすぐ眠りについた。

危ない。


次何しようかな、下はまだ早い?

いや四日目だし…別にいいか、?

なんて呑気なこと。


「うわ、…っ、!?…」

視界が回転し、背中に衝撃が走る。

恐る恐る目を開けると、彼に押し倒されていた。


「おはよう」

「え、お、おはよう…ございます…、」

眠いな、と彼は小さく欠伸をした。

押し倒されている状況に困惑している俺を置いて。


「なに、まだ七時だけど…したいの?」

時計を見た後、俺を見て優しく笑った。

けど何処か圧がある。


「べつに…いいだろなんでも」

「違うか?」

「うるせえ性欲モンスターが」

「否定しないんや、笑」

顔を見れず、どんな表情をしているのかは分からないけど、声からして楽しそうだ。


「今日は前も弄れるやん、よかったな」

「な、っ…!、…あ、」

前も。その言葉に反応してしまい、後から我に返った。


「期待してんの?」

「うるさい!!黙れ!!!!」

「はいはい、こっち向いて?」


「ん、…♡、ふ、…っ、…♡」

そう促され、抵抗なく唇を重ね、舌を絡ませた。

…本当は早くしてもらいたくて仕方なかった。



「せんせ、…まって、?」

「ん?なんや」

互いに服を脱ぎ終わった後。

彼を呼び止めた。



「…はあ”、!?…ちょ、…」

部屋中に鳴り響く彼の驚き声。


「 ん… うう、…♡、あ、…、♡」

「ちょ、ほんと、…とま、…!、」

驚いてもおかしくないし、焦るのも普通。

俺は今彼のものを咥えているんだから。

せっかくするなら、彼にも同じ気持ちくらい味わってもらいたいもんだ。

俺だけ満たされてもあれだし。


一緒にいるんだからさ。


「 はー、っ…♡、はあ、…♡ 」

流石に果てられるのはごめんだから、ここ辺りで切り上げた。

彼は息を整えた後、小さく笑った。


「今度はお前な」



「う”ぅ、…♡、…やあ”、ッ…、!、♡」

交代となり、相手が優位になる。

足は閉じれない。

果てようとする度、止められてしまう。


気づいた頃には、汚い声で喘ぐ事しかできなかった。




「ん”…、♡ う”う”、…っ、…♡」

終わった後も、余韻は消えない。

今すぐにでも果ててしまいたい。

そんな感情だけが俺を支配した。


本来ならこのまま寝るはずが、彼は寝ようとしない。

多分寝たら俺が勝手に果ててしまうとでも思っているんだろう。


「お前、俺が寝たら絶対一人でやるよな?」

「う”…、♡…」

予想的中。

否定したいところだけれど、本能には逆らえない。

今は必死にシーツを握って耐えている。


「手出して」

その言葉に従うと、両手を前で縛られた。

何処から出てきたんだ、その縄。

簡単には切れないであろう太さのもの。


そして器用にもう一本のロープで自分の手を縛り、俺の手にも括り付けた。

慣れた手つきだった。

簡単には取れそうにない、縛り方。


「変に動いたら足も縛るからな」

「…う、うん、…」

そう言い残し、さっさと眠りについてしまった。


少し悲しそうな、でも安らいだ顔をしていた。

何を考えているんだろう。




五日目。

今日が最終日だ。

なんだか寂しいような、待ち望んでいたような。

彼が風呂を出たら、しようという約束。


早くてできて欲しいような。

もう少し入っていて欲しいような…

緊張が込み上げてきて心臓が痛い。



緊張を紛らわそうと部屋を模索する。


ベッド付近にあるゴミ箱には、切れたロープが入っていた。

昨日のやつだ。

目が覚めた時、まだロープは繋がっていた。

けど彼が切りたくない、と言うので風呂の直前まで繋いでいた。


珍しいな、とは思ったが、あまり気にはしなかった。



「ただいま」

音を立ててドアが開く。

同時に彼の気だるげな声が聞こえた。


「お、おかえり…」

「そんな固まらんくても、笑」

そう笑いながらベッドに乗り、俺の横まで来て。

俺の手に手を重ねた。


大丈夫、と優しい顔で笑った。

それだけで安心してしまう。


じゃあ、と彼は口を開き、俺のと重ねた。



「う”あ”… ッ、!? ♡ あ”…ん”ん”…、♡」

一日目から四日目の手順を辿るように焦らされた後。

キスをされ、抱きしめられ撫でられ。

舌を入れられ、全身を触られ、焦らされ。


全てこの工程を終えた後、後ろに潤滑剤を塗られ、彼のを奥まで押し込まれた。



「…せんせも我慢できないんじゃん、♡」

焦らしはちゃんとしたものの、すぐ押し込んできて、すぐ動いて。

きっと彼も溜まってるんだろうな。


冷静なふりしてるけど、実際馬鹿になってる癖に。

その状況が面白くて、嘲笑った。



「余裕そうだな」

「あ”ぁ”あ”、ッ…!?♡、ぁ”…お”、…♡」

やっぱりプライドが高い人だから、煽ったらすぐ激しくしてくる。

ほんと馬鹿だ。扱いやすい。


…激しくされたいから煽る俺の方が馬鹿なんだろうけど。


「ぁ”、い、…いく、…う”ぅ”、~~、ッ ♡」

「いいなんて一言も言ってないんだけど」

気持ちいい。

目の前に激しく星が飛ぶ。

チカチカとしていて目眩がした。


「ごめ、…♡、や、やぁ”あ”、 ッ、!♡」

それが気に食わなかったのか、好き放題突かれてしまう。


本人には絶対言わないけど、こうやって道具みたいに扱われるのは、

案外嫌いじゃない。 行為中だけだけど 。

そのままぐちゃぐちゃになるまで行為は続いた。

抱きつきながらやったり、

キスしながらやったり。

騎乗位とか、…色々。



「ぁ”…、お”…、っ、♡…ふ…っ、…♡」

「生きてます?」

「あ”ぁ”あ”、ッ…!?、♡」

「ダメそうやな、…笑」

彼も息は乱れているものの、俺よりはだいぶ整っている。

ジョギングって凄いんだな、俺もしようかな。

うん、めんどくさいや。


生存確認に横腹をすっとなぞられる。

それに驚いて、感じてしまった。

が、別にいい。

もう理性は飛び、他のことはどうでもよかったから。





「うお、…っ、」

しばらくして互いに落ち着いた頃。

彼が席を外そうとしたので、手を引いて止めた。


「なんや、…またやられたいのか」

「違うよ、せんせーもそんな余裕ないでしょ」

「まあ、流石にな」




「 まだ一緒にいてよ 」

そう伝えると、彼は驚いたような顔をして、無言で俺の事を抱きしめた。

何考えてるの。

いつも一人で消えていくじゃん。

そんな悲しい顔しないでよ。


少しは頼ってよ。


悲しさと怒りをぶつけるように、

でも安心させたい一心で、強く抱きしめた。






「 まだ一緒にいてよ 」

途端に引かれた手。

脳内で響く、相手の声。


最近忙しかったな。

ずっと何しても上手くいかないし、

恋人には構ってやれない。


悲しそうな顔を見る度に、苦しかった。


相手は期待していてくれていたのに、それに応えられない。


いつしか何か拗らせて、

向こうから来てくれることしか、安心を得られなかった。


向こうから来てくれれば、必要とされていると分かるから。

だから、たとえ余裕があっても、スルーしてしまったり、冷たくしたり。

本当に最低だと思う。自分でも理解している。


それでも彼は横にいようとしてくれている。

真っ直ぐで、素直で。


また何か自分の中で彼の優しさを拗らせてしまうのが嫌で、目の前の彼に強く抱きついた。



ただ、ずっと安心したかった。

心の置き場が欲しかった。


ずっと近くにあったのに、居てくれたのに。

見ないふりばっかして。

もう何も踏みにじるようなことはしたくない。


やっと決着が着いた。

ここで、こいつも巻き込んで、生きていく。



雑に切り刻まれたロープの欠片。

自殺の手段が、一つ消えた。




この作品はいかがでしたか?

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コメント

13

ユーザー

煽りりちょかわいいいいい( なんか最後のせんせーsideで好きすぎてしにそうになりました

ユーザー

めっちゃかわいかったです切なさもあって感動……好きです!!;;

ユーザー

伏線回収してるのすごいです…😻 今回も最高でした、。

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